先生と俺

みなと劉

文字の大きさ
上 下
30 / 89

第30話

しおりを挟む
放課後学校の帰り道でカエルと遭遇した。
まだ、小さい身体だった。
最近、おたまじゃくしからカエルに成体したんだろうと思ってピョンピョン跳ねて草むらの奥地へと消えていく。
それを見ながら俺は家へと帰る。
そして、テレビで
牛乳は実は身体に悪いという放送をやっていて吃驚(びっくり)したのだ。
明日の先生への話題にしてみることにする。

次の日、朝早く学校に到着すると、先生は既に教室で何か資料を確認していた。
俺は、昨日のテレビで見た内容について先生に話してみようと思い、近づいて声をかけた。
「先生、おはようございます。昨日テレビで、牛乳が実は身体に悪いっていう話をしていたんですけど、それって本当なんですか?」
先生は資料から目を上げ、少し驚いた表情を見せたが、すぐに優しく微笑んだ。
「おはようございます、正彦くん。それは興味深い話題ですね。
牛乳については、賛否両論がありますが、何を信じるかは情報をきちんと見極めることが大切です。」

俺は少し安心して、先生の話に耳を傾けた。先生は続けて説明してくれた。
「牛乳には確かに、カルシウムやビタミンDなどの栄養素が豊富に含まれているので、骨の健康を保つためには有益な食材です。
でも、消化に負担がかかることや、アレルギーを引き起こすことがある人もいます。
それに、牛乳の消費が増えた背景には、戦後の日本の栄養改善運動が関係しているんです。」
先生の言葉を聞いて、俺はテレビでの情報が一面的なものかもしれないと考えた。
先生は最後にこう締めくくった。
「大切なのは、何事もバランス良く摂取すること。そして、様々な意見を聞き、自分で判断することです。」
俺は深く頷き、先生に感謝の気持ちを込めて
「ありがとうございます、先生。もっと調べてみます。」
と言った。
先生の話を聞いて、牛乳に対する見方が少し変わった気がした。
そして、家に帰ったら、また新しい情報を探してみようと思った。

放課後、家に帰ると俺は早速パソコンを立ち上げ、牛乳に関する情報を調べ始めた。
いくつかのサイトや記事を読み進めると、牛乳についての様々な見解が見えてきた。
栄養学的な観点から、牛乳は確かに骨の健康に役立つことが強調されていたが、同時に消化に関する問題や、特に乳糖不耐症の人々にとっては、牛乳がかえって負担になるという意見もあった。
「へえ、そうだったんだ」
と、ボソリという。
さらに、牛乳が戦後日本の食生活にどのように浸透したのか、その背景についても調べた。
戦後の日本では、子供たちの栄養状態を改善するために、学校給食で牛乳が推奨されるようになったことを知った。
当時の日本は栄養不足が深刻で、特にカルシウム不足が問題視されていたため、牛乳がその解決策として取り入れられたのだという。
やはり戦争終結の頃は大変だったのだと共感した。

俺は集めた情報をノートに整理し、先生が言っていたことの意味がさらに理解できたような気がした。
牛乳が身体に良いか悪いかを一概に決めるのではなく、自分自身の体調や状況に応じてバランスよく摂取することが大切なんだと改めて実感した。
次の日、先生に調べたことを報告し、もっと深く掘り下げた話をしてみたいと思いながら、俺は一人で満足感に浸っていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

RUBBER LADY 屈辱の性奴隷調教

RUBBER LADY
ファンタジー
RUBBER LADYが活躍するストーリーの続編です

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。 普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。 強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!

性転換マッサージ2

廣瀬純一
ファンタジー
性転換マッサージに通う夫婦の話

クラスメイトに死ねコールをされたので飛び降りた

ああああ
恋愛
クラスメイトに死ねコールをされたので飛び降りた

名前を書くとお漏らしさせることが出来るノートを拾ったのでイジメてくる女子に復讐します。ついでにアイドルとかも漏らさせてやりたい放題します

カルラ アンジェリ
ファンタジー
平凡な高校生暁 大地は陰キャな性格も手伝って女子からイジメられていた。 そんな毎日に鬱憤が溜まっていたが相手が女子では暴力でやり返すことも出来ず苦しんでいた大地はある日一冊のノートを拾う。 それはお漏らしノートという物でこれに名前を書くと対象を自在にお漏らしさせることが出来るというのだ。 これを使い主人公はいじめっ子女子たちに復讐を開始する。 更にそれがきっかけで元からあったお漏らしフェチの素養は高まりアイドルも漏らさせていきやりたい放題することに。 ネット上ではこの怪事件が何らかの超常現象の力と話題になりそれを失禁王から略してシンと呼び一部から奉られることになる。 しかしその変態行為を許さない美少女名探偵が現れシンの正体を暴くことを誓い…… これはそんな一人の変態男と美少女名探偵の頭脳戦とお漏らしを楽しむ物語。

冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい

一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。 しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。 家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。 そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。 そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。 ……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──

処理中です...