先生と俺

第22話

家に帰って、まずはリラックスしようとしたが、今日は授業で習ったことをしっかり復習しようという気持ちが強かった。
特に、産業革命についての授業内容が印象に残っていたので、自分のノートにもう一度書き直して整理することにした。
俺は机に向かい、教科書や授業ノートを広げながら、産業革命のキーワードや先生が話してくれた重要なポイントを、丁寧に別のノートに書き写していった。
蒸気機関の発明や工場制手工業から機械制工場への移行、そしてそれがどのように現代社会に影響を与えたかなど、授業中に気づかなかった細かい部分まで書き留めることで、理解が深まっていくのを感じた。

「これで次の期末テストもきっといい結果を出せるだろう」
と俺は心の中で思った。

先生から教えてもらった内容を自分のものにすることで、知識が確実に身についていく感覚があった。
復習を終えた頃、ちょうど夕食の時間になった。
机の上を片付け、ノートを閉じて、食卓へと向かった。
今日もまた、先生から学んだことが一つ増えた。それを自分なりに整理し、深めていく作業が、今では楽しみになっていた。
次の授業も、先生から新しい知識を得られることを期待しつつ、俺はその夜も早めに休むことにした。学びを重ねていくことで、自分自身が少しずつ成長していることを実感できるのが嬉しかった。

夕食の時間になると、テーブルには美味しそうな餃子と豚もやしが並んでいた。
湯気が立ち上る餃子と、シャキシャキした食感が楽しめる豚もやしを前に、俺はふと考えた。
「餃子や豚もやしにも、きっと何かしらの歴史や由来があるんだろうな…」
今日の授業で産業革命の歴史について学んだ影響もあってか、何気ない食事の中にも、深い背景が隠されているのではないかと思うようになった。
「明日は、先生に餃子や豚もやしの歴史について聞いてみようかな…」

この日も先生から新しい知識を得られることを期待しながら、俺は餃子を一口食べてみた。
パリッとした皮とジューシーな中身が口の中に広がり、その美味しさを噛みしめながら、明日の学校がまた楽しみになってきた。

週末が近づいてきた金曜日の朝、俺は学校に向かいながら少しそわそわしていた。
明日は、先生と一緒にカフェに行く約束の日だ。デートというのかどうかは分からないけれど、先生と二人きりで過ごす時間が楽しみで、心が弾んでいた。
教室に入ると、先生は既に授業の準備をしていた。俺はいつものように挨拶をし、席に着く前に先生に昨日の夕飯のことを話してみようと思った。
「先生、おはようございます。昨日の夕飯に餃子と豚もやしが出たんですけど、ふと思ったんです。こういう料理にも何か歴史とか由来があるんじゃないかって…」

先生は俺の言葉に微笑んで
「おはようございます、正彦くん。餃子や豚もやし、そうですね。どちらも実は興味深い歴史があるんですよ」
と応えてくれた。
俺は少し驚いて
「本当ですか？ 例えば、餃子ってどういう歴史があるんですか？」
と早速質問を続けた。
先生は少し考えるようにしてから
「餃子は中国が発祥で、紀元前まで遡ることができます。
元々は医療目的で生まれた食べ物だったんです。漢の時代、寒さで耳が凍えてしまう人々のために、医師が作ったのが最初だと言われています。その後、長い歴史を経て、餃子はさまざまな形で広まり、今のような料理として定着したんです」
と説明してくれた。

俺はその話を聞いて、餃子が単なる食べ物以上のものだったことに感心した。
「そうだったんですね…じゃあ、豚もやしにも何か歴史があるんですか？」
先生はうなずいて
「豚もやしは、もやしが日本に持ち込まれてから、比較的最近になって広まった料理です。
もやし自体は、中国から日本に伝わり、江戸時代にはすでに栽培されていました。豚肉との組み合わせは、戦後の食生活の変化とともに広まったと言われています」
と教えてくれた。

俺はその話に感動しつつ
「毎日の食事にも、こんなに深い背景があるんですね」
としみじみと思った。

先生との楽しい会話が終わり、今日もまた一つ新しい知識を得ることができた。
明日のカフェでの時間も、きっと特別なものになるだろうと思いながら、俺は授業の始まりを待った。