石窯(仮)

みなと劉

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闇の扉の先に

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エルネストとギルバートは、ライオネルの体が崩れ去るのを目の当たりにし、しばらくその場に立ち尽くしていた。静寂が支配する中、エルネストは再び顔を上げ、先ほどの言葉を思い出していた。

「闇の扉が開かれた以上、アシバ帝国の力は消えることはない。」
その言葉が頭の中で響く。確かに、ライオネルの解放は一つの勝利ではあったが、それだけでは終わらないと感じていた。

「エルネスト…どうする?」ギルバートが重い声で問いかけた。
「アシバ帝国の陰謀はまだ続いている。」エルネストは決然として答えた。「この神殿の奥に何かがあるはずだ。それを見つけなければ、今後も帝国の影響が広がり続ける。」

二人は一歩ずつ、地下神殿の奥へと進んでいった。薄暗い通路を進む中、壁に彫られた古代文字が所々に見え、異様な雰囲気を漂わせている。エルネストはその文字を読みながら、手にした地図と照らし合わせた。

「ここから先だ…」
エルネストが静かに言うと、ギルバートは警戒しながら周囲を見回した。
「何か…あの空気、感じないか?」ギルバートは眉をひそめる。
「感じる。」エルネストも同様に感じていた。だが、今はその先に進むしかない。

進んでいくと、突然、足元が崩れ、地面が割れた。二人はそれぞれが辛うじて足を踏ん張り、転倒を免れた。

「くっ…この神殿、ますます不安定だ。」ギルバートが吐き捨てるように言った。
「油断はできない。」エルネストは慎重に前を見据えた。「だが、行くしかない。」

さらに進んでいくと、ついに巨大な扉が見えてきた。その扉には奇妙な紋章が刻まれており、周囲の空気がさらに重く感じられる。

「これが、闇の扉…」エルネストはその扉を見上げながら呟いた。

扉の前に立つと、エルネストはその手を差し伸べ、ゆっくりと紋章に触れた。すると、紋章が青白い光を放ち、扉がゆっくりと開き始めた。

扉が完全に開いた先には、暗闇に包まれた広大な空間が広がっていた。エルネストとギルバートはその空間に一歩踏み込むと、突然、空気が凍りつくような感覚に襲われた。

「ここは…?」ギルバートは不安そうに周囲を見渡した。

「これが…アシバ帝国の遺産か。」エルネストは低く呟いた。その目は冷徹に光り、決意が漲っていた。「帝国が隠していた力がここに眠っているはずだ。」

その瞬間、闇の中からひとつの影が現れた。影は人影のようで、だがその動きは機械的だった。光が差し込んだ瞬間、それがゴーレムスーツだと判明する。その姿は、ライオネルとは異なり、より洗練されたデザインを持っていた。

「またゴーレムスーツか…」ギルバートが不敵に笑った。「これで最後だといいが。」

「これは違う。」エルネストはそのゴーレムスーツをじっと見つめながら言った。「ただの兵器じゃない。あれは、アシバ帝国の「守護者」だ。」

そのゴーレムスーツは、エルネストたちに向かって歩み寄り、その目が赤く光った。エルネストはその目を冷徹に見つめ、剣を握りしめた。

「ギルバート、注意しろ!あれは…普通のゴーレムスーツとは違う!」
「分かってる!」ギルバートは即座に剣を構えた。
その瞬間、ゴーレムスーツが巨大な腕を振り上げ、地面を揺るがすような一撃を放った。

エルネストとギルバートはそれぞれ素早く反応し、攻撃を回避。だが、その力強さには圧倒され、二人とも一歩後退せざるを得なかった。

「こいつ、まるで生きているかのような力だ…!」ギルバートは驚きの声をあげた。

「恐らく、あれの中にはアシバ帝国の最強兵士の魂が宿っている。」エルネストは冷静に分析する。「その魂があのゴーレムスーツを動かしているんだ。」

「それなら、やはり倒すしかないな。」ギルバートは険しい表情を浮かべた。「だが、どうする?」

「まずはその動きを封じる。」エルネストは素早く剣を構えた。「そのためには、ゴーレムスーツの機構を破壊しなければならない。」

二人は連携しながら、そのゴーレムスーツとの激しい戦闘に突入する。だが、その相手の力は想像以上であり、エルネストとギルバートの体力も限界に近づいていた。

「くっ…!」ギルバートが息を荒げながら叫んだ。「このままでは、持たない!」

「まだだ…!」エルネストは力を振り絞り、剣を一閃。ゴーレムスーツの胸部に一撃を加えた。その衝撃で、ゴーレムスーツの動きが一瞬止まった。

「今だ、ギルバート!」エルネストは叫ぶ。

ギルバートはその隙をつき、全力で剣を振り下ろした。ゴーレムスーツが崩れ落ち、その動きを止める。

「やったか?」ギルバートが息をつきながら言った。

「まだだ。」エルネストは冷静に答えた。「これで完全には終わらない。アシバ帝国の力が、まだどこかに隠れている。」

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