361 / 384
361 お昼を食べる。おやつのことを食べながら考える
しおりを挟む私はお酒とかカクテルとか全然詳しくありません。
ご容赦ください。
※※※※※※※※※※※※※※※※
『ごめんなさい洋一…私――運命の番を見つけちゃったの…
だから私達――もう別れましょう…』
女性にしては低い――ハスキーボイスで囁かれた言葉が
洋一の頭の中でリフレーンする…
「グスッ…彼女…っ、
2年も付き合った俺に向かって平然とこう言ったんだぜ…?
酷いよなぁ…グスッ、うぅ…」
「ああ…確かに酷いな…」
とあるBARのテーブル席でくだを巻く男、皆瀬 洋一に付き合って
向かいの席で飲んでいる男、篠原 浩介はうんうんと頷きながら
ジン・トニックを傾ける
「でもなぁ…洋一…もう振られてから一か月は経つんだぜ…?
そろそろお前も前向きにだな…」
「グスッ…お互い結婚まで意識し始めて…これからって時に…っ!
こんなのって無いよぉ~…あんまりだぁ~…」
洋一はそう言うと、手に握ったままのカシス・オレンジをグイッと一気に飲み干し
テーブルに突っ伏したまま空になったグラスを掲げ、泣きながらオーダーする
「ましゅたぁ~おかわりぃ~!今度はまるがりーたぁ~!」
―――よりにもよってソレかいっ!
「マスター相手しなくていいよ。もう帰るから…
ホラ、帰るぞ洋一。何時まで泣いてんだっ!
いい加減シャキッとしろっ!も~…」
浩介が呆れながらテーブルに突っ伏して泣いている洋一を起こそうと
その肩に触れようとしたその時
チリリ…ン…と店のベルが鳴り、一人の女性がBARに入ってきた…
―――?Ω…?
浩介は直感的にそう思い、訝し気にその女性を見つめる
するとその女性はカウンター席の方を一瞥し狙いを澄ましたかのように
一人カウンター席に座ってカクテルを飲んでいる男性の姿を確認すると
カツカツとヒールの小気味いい音を店内に響かせながら
カウンターに向かって歩いていく
「――マスター…モスコミュールを頂けないかしら?」
女性はカウンターに座る男性の方をチラリと見やりながら
少し離れた席に着くと
マスターにカクテルを注文する
「――かしこまりました。」
このBARのマスター(β)も
浩介同様…今しがた入店してきたこの女性に嫌な予感を覚えながらも
注文にあったカクテルを静かに作り始める…すると――
「う”…?」
カウンターで一人飲んでいた男性が呻き声を上げ
飲んでいたグラスから手を離す…
カシャンッ、
「!?」
グラスの割れる音が店内に響き、カクテルを作っていたマスターは動きを止め
近くに座っていた女性は呻き声を上げる男性を見ながら薄い笑みを浮かべている…
「!お客様…いかがなさいましたかっ?!」
「ッ、来るなっ!俺に…っ、う”ぅ…ちかっ、よるな…っ!!」
男性はよろめきながら席を立ち
苦し気に呻きながら2,3歩カウンターから後ずさと
カウンターに座る女性を睨み付ける
「お、まえ……、ッ、おめが、か…っ!」
「さぁ…何の事だか…wでも――」
女性は苦しむ男性に怪し気な笑みを浮かべたまま、男性に向かって手を差しだす
「苦しいのでしたら――
近くのホテルで…お相手して差し上げてもよろしくってよ…?
鬼生道財閥の御曹司さん…♪」
「ッ!?こ、いつ…う”ぅぅ…っ、」
「――――え…?」
浩介は女性の言葉に思わず苦しんでいる男性の顔を凝視する
するとそこにはたまにしか見かけないとはいえ
自分達の会社の副社長の顔があり――
―――げっ、マジか!
浩介が驚き、固まっていると
「があああぁぁぁああああっっ!!!」
男性が獣のような奇声を上げる
「ふふっ♪さぁ…いらっしゃ――」
女性が妖艶な笑みを浮かべて男性に両腕を伸ばし、受け入れ万全な体制へ…
しかし男性はそんな女性にクルッと背を向けると――
「があっ!」
「ッ!?洋一っ!!あぶな…」
「うぇ…?」
男性は洋一目がけ、人間では有り得ない程のジャンプ力で飛び掛かり――
―――あの俺に向かって飛んできてるイケメン…αじゃね?
スゲー…αって空飛べるんだぁ~…
自分に向かって飛んできてる男性を
洋一はふにゃふにゃと笑いながらソレをぼんやりと眺めていた…
ご容赦ください。
※※※※※※※※※※※※※※※※
『ごめんなさい洋一…私――運命の番を見つけちゃったの…
だから私達――もう別れましょう…』
女性にしては低い――ハスキーボイスで囁かれた言葉が
洋一の頭の中でリフレーンする…
「グスッ…彼女…っ、
2年も付き合った俺に向かって平然とこう言ったんだぜ…?
酷いよなぁ…グスッ、うぅ…」
「ああ…確かに酷いな…」
とあるBARのテーブル席でくだを巻く男、皆瀬 洋一に付き合って
向かいの席で飲んでいる男、篠原 浩介はうんうんと頷きながら
ジン・トニックを傾ける
「でもなぁ…洋一…もう振られてから一か月は経つんだぜ…?
そろそろお前も前向きにだな…」
「グスッ…お互い結婚まで意識し始めて…これからって時に…っ!
こんなのって無いよぉ~…あんまりだぁ~…」
洋一はそう言うと、手に握ったままのカシス・オレンジをグイッと一気に飲み干し
テーブルに突っ伏したまま空になったグラスを掲げ、泣きながらオーダーする
「ましゅたぁ~おかわりぃ~!今度はまるがりーたぁ~!」
―――よりにもよってソレかいっ!
「マスター相手しなくていいよ。もう帰るから…
ホラ、帰るぞ洋一。何時まで泣いてんだっ!
いい加減シャキッとしろっ!も~…」
浩介が呆れながらテーブルに突っ伏して泣いている洋一を起こそうと
その肩に触れようとしたその時
チリリ…ン…と店のベルが鳴り、一人の女性がBARに入ってきた…
―――?Ω…?
浩介は直感的にそう思い、訝し気にその女性を見つめる
するとその女性はカウンター席の方を一瞥し狙いを澄ましたかのように
一人カウンター席に座ってカクテルを飲んでいる男性の姿を確認すると
カツカツとヒールの小気味いい音を店内に響かせながら
カウンターに向かって歩いていく
「――マスター…モスコミュールを頂けないかしら?」
女性はカウンターに座る男性の方をチラリと見やりながら
少し離れた席に着くと
マスターにカクテルを注文する
「――かしこまりました。」
このBARのマスター(β)も
浩介同様…今しがた入店してきたこの女性に嫌な予感を覚えながらも
注文にあったカクテルを静かに作り始める…すると――
「う”…?」
カウンターで一人飲んでいた男性が呻き声を上げ
飲んでいたグラスから手を離す…
カシャンッ、
「!?」
グラスの割れる音が店内に響き、カクテルを作っていたマスターは動きを止め
近くに座っていた女性は呻き声を上げる男性を見ながら薄い笑みを浮かべている…
「!お客様…いかがなさいましたかっ?!」
「ッ、来るなっ!俺に…っ、う”ぅ…ちかっ、よるな…っ!!」
男性はよろめきながら席を立ち
苦し気に呻きながら2,3歩カウンターから後ずさと
カウンターに座る女性を睨み付ける
「お、まえ……、ッ、おめが、か…っ!」
「さぁ…何の事だか…wでも――」
女性は苦しむ男性に怪し気な笑みを浮かべたまま、男性に向かって手を差しだす
「苦しいのでしたら――
近くのホテルで…お相手して差し上げてもよろしくってよ…?
鬼生道財閥の御曹司さん…♪」
「ッ!?こ、いつ…う”ぅぅ…っ、」
「――――え…?」
浩介は女性の言葉に思わず苦しんでいる男性の顔を凝視する
するとそこにはたまにしか見かけないとはいえ
自分達の会社の副社長の顔があり――
―――げっ、マジか!
浩介が驚き、固まっていると
「があああぁぁぁああああっっ!!!」
男性が獣のような奇声を上げる
「ふふっ♪さぁ…いらっしゃ――」
女性が妖艶な笑みを浮かべて男性に両腕を伸ばし、受け入れ万全な体制へ…
しかし男性はそんな女性にクルッと背を向けると――
「があっ!」
「ッ!?洋一っ!!あぶな…」
「うぇ…?」
男性は洋一目がけ、人間では有り得ない程のジャンプ力で飛び掛かり――
―――あの俺に向かって飛んできてるイケメン…αじゃね?
スゲー…αって空飛べるんだぁ~…
自分に向かって飛んできてる男性を
洋一はふにゃふにゃと笑いながらソレをぼんやりと眺めていた…
0
お気に入りに追加
508
あなたにおすすめの小説


神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

他国から来た王妃ですが、冷遇? 私にとっては厚遇すぎます!
七辻ゆゆ
ファンタジー
人質同然でやってきたというのに、出されるご飯は母国より美味しいし、嫌味な上司もいないから掃除洗濯毎日楽しいのですが!?

明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈

のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる