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86 土曜日の朝

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ユーミルは今日は少しだけ調子がいいみたいだ。
なるべく消化に良い食べ物にして無理をさせないように振る舞う。
皆も陰ながら出来ることをやってあげている。
ユーミルもユーミルなりに頑張っているみたい。
(絶対無理だけはするなよ)
安定期は来週の日曜日前後らしい。
それまではいつ流産、早産してもおかしくないらしい。
安定期に入ったとしても安心はできない。これは、他の種族でもだ。

安定期に入ったらと言って少し激しい運動をしたり
自分で足を軽くマッサージしたら
『息が止まった』
『呼吸困難になった』
という話も多々あるのだ。
それもあるから安心は出産もだが出産時も気をつけていかないとならない。
出産した後に母体が身体を維持できなくなるなんてこともあるし
出産の反動で半ば寝たきりになるなんて事もある。

「嫁ちゃん達の愛が眩しい」
と言ってる。
「皆ユーミルが心配でユーミルが好きだからだよ」
と言って俺はユーミルの頭を優しく撫でてやると
「嫁ちゃん……好き」
と言ってすりすりする。

ユーミルは別に病気では無い。
悪阻もあるけど悪阻を引き起こす食べ物は家では作っていなかったらしく特には吐き気は強くは出なかったみたいだ。
「うっわ」
「ユーミル!?どうした」
「いま……蹴った」
「「「おお……」」」
と俺達は生命の神秘に対面したような感じだ。
明日は商品受け渡しとユーミル用の吐き気止めを受け取る予定である。
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