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第六話 嘘つきの君
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そういえば、次の時間は音楽だな…。
学校のチャイムと共に、人が動き出すのを遠くから眺めていた。
教室移動のため廊下を出て歩いていると、祖岩君がいた。
近づきすぎたら話の邪魔になりそうなので近づかないようにする。
にしても…。
女子と祖岩君が話してるのは珍しいな。
女子はかなり楽しそうに話している。
しばらくみていると、その女子はどこかに行ってしまった。
その後祖岩君はこちらに直行してきた。
…あぁ、うん。どうして俺、早く行かなかったんだろうなぁ。
心に若干の後悔が芽生えた。
「次の時間は音楽だね。一緒に行こうか」
「…うん」
…もしかしたら、彼と別行動するのは不可能なのでは?
なぜかそう思えてしまった。
廊下を移動していると、嬉々とした楽しげな声が聞こえた。
ふと気になりそちらに視線を移すと、そこには先程話した女子がいた。
二人で歩いている。
声が大きいため、すこし離れた距離の俺に聞こえている。
「ねぇ、ヤバい!話できたんだけど!!」
「やったじゃん!ね?私が言った通り、話してきてよかったでしょ?」
「うん!かっこいいよね…ほんと。今度誘おっかな~…」
その会話で俺は察した。
…祖岩君のことが好きなのか。彼女は。
「でもさでもさ!今日はダメって言われたんだよね~…」
「あー…また今度なら誘えるよ!」
「だといいなぁ~!」
…今日誘ったらしいけど、用事があって断られたのか…。
俺はそのまま通りすぎた。
チャイムがなり、人がぞろぞろと教室を出ていく。
学校が終わり、教科書をまとめていた。
全てしまい、教室を出ようとしたときに、ふと、最近聞き慣れた声が俺を呼ぶ。
背後を振り向くと、祖岩君がいた。
「一緒に帰らない?」
「あ、えーっと…」
できることなら、嫌すぎるわけではないけど、すこしまだ苦手だから一緒に帰りたくはない。
頭を回転させ、記憶をたどると、あることを思い出した。
「…祖岩君さ。今日用事あるんじゃないの?」
女子との会話。
用事があって断られたといっていた。
だから、俺とは帰れないはず。
すると祖岩君は、首をこてんとかしげた。
「?なんのこと?」
「え…?」
予想外の回答に俺は思考が停止する。
…ん?
用事があるって…あれ?
「まぁ一緒に帰ろうよ。特になにもないからさ」
「あ、えっと…」
混乱する俺の裾を軽く引っ張る祖岩君。
「あ…わ、わかったよ」
どうしていいかわからず、承諾してしまった。
その日の帰り道、祖岩君はすこし饒舌だった。
俺はずっと、その日ベットに入るとき、ずっと疑問に思いながら、瞼を閉じる。
…一体彼は、何を考えているのだろうか。
俺には微塵もわからなかった。
学校のチャイムと共に、人が動き出すのを遠くから眺めていた。
教室移動のため廊下を出て歩いていると、祖岩君がいた。
近づきすぎたら話の邪魔になりそうなので近づかないようにする。
にしても…。
女子と祖岩君が話してるのは珍しいな。
女子はかなり楽しそうに話している。
しばらくみていると、その女子はどこかに行ってしまった。
その後祖岩君はこちらに直行してきた。
…あぁ、うん。どうして俺、早く行かなかったんだろうなぁ。
心に若干の後悔が芽生えた。
「次の時間は音楽だね。一緒に行こうか」
「…うん」
…もしかしたら、彼と別行動するのは不可能なのでは?
なぜかそう思えてしまった。
廊下を移動していると、嬉々とした楽しげな声が聞こえた。
ふと気になりそちらに視線を移すと、そこには先程話した女子がいた。
二人で歩いている。
声が大きいため、すこし離れた距離の俺に聞こえている。
「ねぇ、ヤバい!話できたんだけど!!」
「やったじゃん!ね?私が言った通り、話してきてよかったでしょ?」
「うん!かっこいいよね…ほんと。今度誘おっかな~…」
その会話で俺は察した。
…祖岩君のことが好きなのか。彼女は。
「でもさでもさ!今日はダメって言われたんだよね~…」
「あー…また今度なら誘えるよ!」
「だといいなぁ~!」
…今日誘ったらしいけど、用事があって断られたのか…。
俺はそのまま通りすぎた。
チャイムがなり、人がぞろぞろと教室を出ていく。
学校が終わり、教科書をまとめていた。
全てしまい、教室を出ようとしたときに、ふと、最近聞き慣れた声が俺を呼ぶ。
背後を振り向くと、祖岩君がいた。
「一緒に帰らない?」
「あ、えーっと…」
できることなら、嫌すぎるわけではないけど、すこしまだ苦手だから一緒に帰りたくはない。
頭を回転させ、記憶をたどると、あることを思い出した。
「…祖岩君さ。今日用事あるんじゃないの?」
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だから、俺とは帰れないはず。
すると祖岩君は、首をこてんとかしげた。
「?なんのこと?」
「え…?」
予想外の回答に俺は思考が停止する。
…ん?
用事があるって…あれ?
「まぁ一緒に帰ろうよ。特になにもないからさ」
「あ、えっと…」
混乱する俺の裾を軽く引っ張る祖岩君。
「あ…わ、わかったよ」
どうしていいかわからず、承諾してしまった。
その日の帰り道、祖岩君はすこし饒舌だった。
俺はずっと、その日ベットに入るとき、ずっと疑問に思いながら、瞼を閉じる。
…一体彼は、何を考えているのだろうか。
俺には微塵もわからなかった。
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