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あなたがわからない
《1》
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*****
一週間後。
『彩、今日は色彩会議があるから帰るのが遅くなる。悪いけど夕食作っておいてくれるか?』
定時勤務が終わり、パソコンをシャットダウンしようとしていた時にかかってきた電話は凌央さんからだった。
「分かりました。なにかリクエストありますか?」
『……和食。肉じゃが食いたい』
肉じゃが。可愛い。
イケメン社長にして天才画家も、結構素朴なんだ……。
『なんだよ』
思わずクスッと笑ってしまった私に、凌央さんは不服そうに言った。
「なんでもないです。じゃあ、作っておきますね。お仕事、ほどほどに頑張ってくださいね」
『ああ』
……会えないのは残念だけど、なんか嬉しい。
「なーにー?今のラブラブな感じの会話ー」
「わっ」
タップしたばかりのスマホを取り落としそうになって、私はキャスターを転がしながら近付いてきた成瀬さんを振り仰いだ。
「旦那?!」
「まさか!圭吾さんじゃないですよ」
平静を装いつつ成瀬さんから視線をそらし、デスクの上の書類をクリアファイルに入れると、私はコホンと咳払いをした。
そんな態度が不自然に見えたのか、成瀬さんの追求は続く。
「えー、逆に問題じゃない?!」
……まあ……世間一般ではそうなる。
でも圭吾さんからはオッケイが出ている。変な話だけれど。
「気になるんだけど、凄く」
いつかのように成瀬さんの瞳がキラリと光る。
「また今度相談に乗ってください」
私がそう言うと成瀬さんは笑いながらコクコクと頷いた。
「なんか特殊そうだけど……了解。あ、そう言えば営業部から聞いたんだけど麗し野タウンの見学&説明会のウェブ予約、出だし好調らしいよ」
「そうなんですか?!嬉しいですね!」
思わず瞳を輝かせてしまった私に、成瀬さんは更にフフフと笑った。
「さあ、私は次の企画書チェックするわ。じゃあまた明日ね」
「お疲れさまです!」
成瀬さんが自分のデスクに戻っていき、私は帰り支度を終えて席を立った。
凌央さんは遅くなるみたいだから、一度帰ろう。
……つくづく思う。
事件が起こる前というのは、どうしてこんなにも何の予感もせず静かなんだろう。
いつもいつも、事が起こってから私は後悔する。
自分の浅はかさを。
時計を見ると丁度午後五時半だった。
*****
六時を少し過ぎた頃、私は漸くマンションに到着した。
当然ながら圭吾さんの姿はない。
そういえば三時からなにも飲んでいなくて喉がカラカラだ。
自室を通りすぎ、キッチンのテーブルに荷物を置いた途端にスマホが鳴った。
画面には《峯岸グループ建築ウェブデザイン課》と出ている。
……なんだろう。
「はい」
『あ、彩せんぱーい?』
ひとつ後輩で同じ課の菜々ちゃんだ。
「どうしたの?」
菜々ちゃんは少し困ったように話し出した。
『RAコーポレーションの立花さんって方から彩先輩にお電話なんです。もう退社しましたってお伝えしたんですけど、どうしてもご用件があるとかで……電話番号伺ってるのでスマホに送っていいですか?」
背中に氷を押し当てられたようにヒヤリとした。
RAコーポレーションとは、凌央さんが経営している画材道具の企画開発と販売を手掛けている会社だ。
そして、立花さん。
すぐに立花さんと凌央さんのキスシーンが脳裏に蘇る。
今も私は凌央さんの家へ通っているけれどあのキスの日以降、私がいる時に彼女が凌央さんの家に来ることはなかった。
その立花優さんが私に何の用だろう。
……恐い。でも避けるわけにはいかない。
「うん。菜々ちゃん番号添付してくれる?」
『はあーい。じゃあすぐ送ります』
バクバクと、うるさいくらいに心臓が脈打ち始める。
しばらくして着信音が鳴り、私は意を決して番号をタップした。
そんな私の耳に静かで落ち着いた声が聞こえてきた。
『もしもし。お久し振りです。以前うちの榊の自宅でお会いした立花優です』
「……お久し振りです」
動揺する私とは対照的に、立花さんは淡々と続ける。
「榊からの伝言です。……榊が経営している絵画教室があるのですが、モデルがインフルエンザでダウンしてしまいました。つきましてはその代役を峯岸さんにお願いしたいそうです」
……モデル?
凌央さんが絵画スクールを経営しているのは聞いている。
でも今までに絵画スクールでの仕事を頼まれたことなど一度もない。
「あの……私がモデルですか?」
『はい。デッサンモデルです。場所ですが渋谷区神宮町三丁目……』
立花さんの口から出た住所をメモ用紙に書き留めると、私はゆっくりと息を吐き出した。
「午後八時半にロワールビル六階榊アートスタジオ……」
早くしなくちゃ間に合わない。
私はバッグを掴むと玄関へと急いだ。
****
凌央さんの自宅から渋谷にあるロワールビルは、一度乗り換えをすると三十分弱で到着することができた。
「お待ちしておりました。そろそろ生徒の皆さんがいらっしゃるので、こちらのお部屋で支度をお願いします」
久々に見た立花優さんは相変わらず冷めた眼で私を一瞥すると、スタッフルームというプレートの貼られたドアを手の平で指した。
「どうぞ」
せかされるように促され、訳も分からず部屋に入る。
誰もいないその部屋にはデスクが二台向かい合わせに配置してあり、画材道具の棚が一辺の壁に寄せられていた。
それに加えて数脚のパイプ椅子が反対側の壁に並べてある。
……凌央さんは会議って言ってたけど……ここに来るのだろうか。
私は立花優さんを振り返り、詳しいことを聞こうとした。
ところがその前に、
「あなた、峯岸グループの末娘なんですってね。しかも貿易会社の社長と結婚するんでしょ?」
振り返って見たその顔にはうっすらとした笑みが浮かんでいて、美しい瞳は侮蔑の色に満ちている。
「どうして知ってるの?とでも言いたげな顔だから教えてあげるけど……昨日、尊に聞いたのよ。私たちは大学時代の友人でね」
服の中に冷や水を流し込まれたような感覚に、思わず身体がビクンと脈打つ。
尊……尊って確か、銀座のイタリア料理店ブリッラーレのオーナーの結城尊さん……。
「あなたオープン記念パーティーに凌央と行ったんでしょう?」
……そうだ。
あの時確か尊さんは私に、『なんだかアナタ、どこかで見たことある気がする』って言ってたっけ……。
でも私には尊さんと会った記憶がなくて……。
「尊はね、思い出したのよ。依頼を受けてセレブの婚約パーティーに料理を作りに行ったのを。最後に挨拶をしに厨房に来たあなたはドレスアップしていたからなかなか思い出せなかったみたいだけど」
そうだったのかという思い。
あの時は様々なジャンルのシェフに料理の依頼をしていたみたいで人数も多く、全ての人の顔までは覚えていなかった。
立花さんはそんな私を苛立たしげに見つめている。
「凌央を好きで堪らないって顔しないでよ、汚らわしい。もうすぐ結婚する身で本当に汚らわしいわ」
胸を拳で殴られた気がした。
『汚らわしい』
なにも答えられないでいる私に、立花さんは尚も続けた。
サラリと彼女の癖のない髪が揺れる。
「私が凌央とキスをしてたの見たわよね?嘘はつきたくないから言うけど、私が無理矢理したのよ。だって私、彼を好きなんだもの。大学時代からずっとね。でも彼は特定の恋人なんか作らない。仕事や画が大切だから。でも諦めない。死ぬほど好きだから」
死ぬほど……好き……。
死ぬほど。
私にとっては衝撃的な言葉だった。
「……脱いで」
「……え?」
聞き間違いかと思った。
「脱いでって言ったのよ。早くしてよ」
脱ぐ?どうして。
硬直する私の前でゆっくりと腕を組むと、立花さんは唇の両端を引き上げた。
「これから生徒さんはデッサンするのよ。ラフのね」
……らふ……?
「あの、らふって何ですか?」
立花さんの形の良い唇から大きな溜め息が漏れた。
「ラフは裸婦よ。文字どおり裸の婦人」
思わずコクンと喉が動いた。
一週間後。
『彩、今日は色彩会議があるから帰るのが遅くなる。悪いけど夕食作っておいてくれるか?』
定時勤務が終わり、パソコンをシャットダウンしようとしていた時にかかってきた電話は凌央さんからだった。
「分かりました。なにかリクエストありますか?」
『……和食。肉じゃが食いたい』
肉じゃが。可愛い。
イケメン社長にして天才画家も、結構素朴なんだ……。
『なんだよ』
思わずクスッと笑ってしまった私に、凌央さんは不服そうに言った。
「なんでもないです。じゃあ、作っておきますね。お仕事、ほどほどに頑張ってくださいね」
『ああ』
……会えないのは残念だけど、なんか嬉しい。
「なーにー?今のラブラブな感じの会話ー」
「わっ」
タップしたばかりのスマホを取り落としそうになって、私はキャスターを転がしながら近付いてきた成瀬さんを振り仰いだ。
「旦那?!」
「まさか!圭吾さんじゃないですよ」
平静を装いつつ成瀬さんから視線をそらし、デスクの上の書類をクリアファイルに入れると、私はコホンと咳払いをした。
そんな態度が不自然に見えたのか、成瀬さんの追求は続く。
「えー、逆に問題じゃない?!」
……まあ……世間一般ではそうなる。
でも圭吾さんからはオッケイが出ている。変な話だけれど。
「気になるんだけど、凄く」
いつかのように成瀬さんの瞳がキラリと光る。
「また今度相談に乗ってください」
私がそう言うと成瀬さんは笑いながらコクコクと頷いた。
「なんか特殊そうだけど……了解。あ、そう言えば営業部から聞いたんだけど麗し野タウンの見学&説明会のウェブ予約、出だし好調らしいよ」
「そうなんですか?!嬉しいですね!」
思わず瞳を輝かせてしまった私に、成瀬さんは更にフフフと笑った。
「さあ、私は次の企画書チェックするわ。じゃあまた明日ね」
「お疲れさまです!」
成瀬さんが自分のデスクに戻っていき、私は帰り支度を終えて席を立った。
凌央さんは遅くなるみたいだから、一度帰ろう。
……つくづく思う。
事件が起こる前というのは、どうしてこんなにも何の予感もせず静かなんだろう。
いつもいつも、事が起こってから私は後悔する。
自分の浅はかさを。
時計を見ると丁度午後五時半だった。
*****
六時を少し過ぎた頃、私は漸くマンションに到着した。
当然ながら圭吾さんの姿はない。
そういえば三時からなにも飲んでいなくて喉がカラカラだ。
自室を通りすぎ、キッチンのテーブルに荷物を置いた途端にスマホが鳴った。
画面には《峯岸グループ建築ウェブデザイン課》と出ている。
……なんだろう。
「はい」
『あ、彩せんぱーい?』
ひとつ後輩で同じ課の菜々ちゃんだ。
「どうしたの?」
菜々ちゃんは少し困ったように話し出した。
『RAコーポレーションの立花さんって方から彩先輩にお電話なんです。もう退社しましたってお伝えしたんですけど、どうしてもご用件があるとかで……電話番号伺ってるのでスマホに送っていいですか?」
背中に氷を押し当てられたようにヒヤリとした。
RAコーポレーションとは、凌央さんが経営している画材道具の企画開発と販売を手掛けている会社だ。
そして、立花さん。
すぐに立花さんと凌央さんのキスシーンが脳裏に蘇る。
今も私は凌央さんの家へ通っているけれどあのキスの日以降、私がいる時に彼女が凌央さんの家に来ることはなかった。
その立花優さんが私に何の用だろう。
……恐い。でも避けるわけにはいかない。
「うん。菜々ちゃん番号添付してくれる?」
『はあーい。じゃあすぐ送ります』
バクバクと、うるさいくらいに心臓が脈打ち始める。
しばらくして着信音が鳴り、私は意を決して番号をタップした。
そんな私の耳に静かで落ち着いた声が聞こえてきた。
『もしもし。お久し振りです。以前うちの榊の自宅でお会いした立花優です』
「……お久し振りです」
動揺する私とは対照的に、立花さんは淡々と続ける。
「榊からの伝言です。……榊が経営している絵画教室があるのですが、モデルがインフルエンザでダウンしてしまいました。つきましてはその代役を峯岸さんにお願いしたいそうです」
……モデル?
凌央さんが絵画スクールを経営しているのは聞いている。
でも今までに絵画スクールでの仕事を頼まれたことなど一度もない。
「あの……私がモデルですか?」
『はい。デッサンモデルです。場所ですが渋谷区神宮町三丁目……』
立花さんの口から出た住所をメモ用紙に書き留めると、私はゆっくりと息を吐き出した。
「午後八時半にロワールビル六階榊アートスタジオ……」
早くしなくちゃ間に合わない。
私はバッグを掴むと玄関へと急いだ。
****
凌央さんの自宅から渋谷にあるロワールビルは、一度乗り換えをすると三十分弱で到着することができた。
「お待ちしておりました。そろそろ生徒の皆さんがいらっしゃるので、こちらのお部屋で支度をお願いします」
久々に見た立花優さんは相変わらず冷めた眼で私を一瞥すると、スタッフルームというプレートの貼られたドアを手の平で指した。
「どうぞ」
せかされるように促され、訳も分からず部屋に入る。
誰もいないその部屋にはデスクが二台向かい合わせに配置してあり、画材道具の棚が一辺の壁に寄せられていた。
それに加えて数脚のパイプ椅子が反対側の壁に並べてある。
……凌央さんは会議って言ってたけど……ここに来るのだろうか。
私は立花優さんを振り返り、詳しいことを聞こうとした。
ところがその前に、
「あなた、峯岸グループの末娘なんですってね。しかも貿易会社の社長と結婚するんでしょ?」
振り返って見たその顔にはうっすらとした笑みが浮かんでいて、美しい瞳は侮蔑の色に満ちている。
「どうして知ってるの?とでも言いたげな顔だから教えてあげるけど……昨日、尊に聞いたのよ。私たちは大学時代の友人でね」
服の中に冷や水を流し込まれたような感覚に、思わず身体がビクンと脈打つ。
尊……尊って確か、銀座のイタリア料理店ブリッラーレのオーナーの結城尊さん……。
「あなたオープン記念パーティーに凌央と行ったんでしょう?」
……そうだ。
あの時確か尊さんは私に、『なんだかアナタ、どこかで見たことある気がする』って言ってたっけ……。
でも私には尊さんと会った記憶がなくて……。
「尊はね、思い出したのよ。依頼を受けてセレブの婚約パーティーに料理を作りに行ったのを。最後に挨拶をしに厨房に来たあなたはドレスアップしていたからなかなか思い出せなかったみたいだけど」
そうだったのかという思い。
あの時は様々なジャンルのシェフに料理の依頼をしていたみたいで人数も多く、全ての人の顔までは覚えていなかった。
立花さんはそんな私を苛立たしげに見つめている。
「凌央を好きで堪らないって顔しないでよ、汚らわしい。もうすぐ結婚する身で本当に汚らわしいわ」
胸を拳で殴られた気がした。
『汚らわしい』
なにも答えられないでいる私に、立花さんは尚も続けた。
サラリと彼女の癖のない髪が揺れる。
「私が凌央とキスをしてたの見たわよね?嘘はつきたくないから言うけど、私が無理矢理したのよ。だって私、彼を好きなんだもの。大学時代からずっとね。でも彼は特定の恋人なんか作らない。仕事や画が大切だから。でも諦めない。死ぬほど好きだから」
死ぬほど……好き……。
死ぬほど。
私にとっては衝撃的な言葉だった。
「……脱いで」
「……え?」
聞き間違いかと思った。
「脱いでって言ったのよ。早くしてよ」
脱ぐ?どうして。
硬直する私の前でゆっくりと腕を組むと、立花さんは唇の両端を引き上げた。
「これから生徒さんはデッサンするのよ。ラフのね」
……らふ……?
「あの、らふって何ですか?」
立花さんの形の良い唇から大きな溜め息が漏れた。
「ラフは裸婦よ。文字どおり裸の婦人」
思わずコクンと喉が動いた。
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