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vol.3
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瀬里が叫び、私は信じられない思いで息を飲んだ。
ああ、嘘。
嘘でしょ……?!
だって、だって……瀬里が翠狼と叫んだ相手が、ヴァンパイアを蹴散らしながら唸り声を上げた大きな大きな狼だったから。
現実なの?
なによ、これ。
翠狼って、翠狼って……!
息が止まりそうになる私と、翠狼と呼ばれた狼の視線が絡んだ。
翡翠のように鮮やかで深みのある真緑の瞳。
あなたは……あなたは……!
先に眼をそらしたのは狼の方だった。
「凰狼(おうろう)!清雪を逃がすな!かかれ!」
翡翠の瞳が一際強く光った。
「任せろっ!海狼(かいろう)、雑魚どもを始末しろ!」
海狼が頷くのを見て、辺りのヴァンパイアに狼達が飛びかかり、咬み付いた。
「ぎゃああっ!」
咬み付かれたヴァンパイアが断末魔の叫び声と共に灰のように消える。
呆然としながら私は、灰と化していくヴァンパイアの叫び声と狼の唸り声を聞いて眼を見開くしかなかった。
そんな中、凰狼と呼ばれた狼が祭壇の前の清雪目掛けて飛びかかった。
「おのれ、小癪な……!」
何匹もの狼とヴァンパイア達が入り乱れて怒号が響く。
「藍ちゃん、ここから外に!」
狼が飛び込んできた際に割れた硝子窓に、瀬里が足をかけた。
「いくよ!藍ちゃん」
頷くのが精一杯だった。
必死の思いで飛び降りると、私は瀬里と共に生け垣の傍に転がった。
何かが膝にガツンと当たり、食い込んだような激痛が走ったけれど、痛がっている場合じゃないのは分かっていた。
「瀬里、こっちよ!」
「桜花さん!ありがとう!」
咄嗟に声の主を振り仰ぐと、そこには長い黒髪の美しい女性が腕を伸ばして立っていた。
「すぐそこに車を待たせてある。さあ、早く」
瀬里が返事をして私を引っ張り上げた。
「行くよ、藍ちゃん!走るよ!」
「う、うん」
何が何だか分からないけれど、今は瀬里の言う通りにするしかない。
話を聞くのは後だ。
私は歯を食い縛ると、死に物狂いで走った。
****
連れていかれたのは雪野一臣の家だった。
「じゃあ……私は凰狼様のところに戻るね」
「うん、桜花さん、ありがとう」
瀬里と短い会話を交わした桜花という女性は、私を見てフワリと微笑んだ後、帰っていった。
「藍ちゃん、ここに座って。怪我してないか確認するから」
私は瀬里に腕を引っ張られ、リビングのラグに座らされた。
いまだに震えが止まらず、全身が小刻みに揺れる。
そんな私を、瀬里は舐めるように見回す。
「……膝が擦りむけてる。それにふくらはぎに切り傷。窓から飛んだから多分その時に……。待っててね、救急箱……消毒しなきゃ」
暫くして私のもとに戻ってきた瀬里が、救急箱を開けて絶句した。
「空っぽじゃん!」
「いいよ。これくらい平気」
「……でも……」
「瀬里のがいっぱい怪我してる」
私が瀬里の足に視線を向けると彼女は困ったように笑った。
「あ、私なら全然……あのクリスタルのデキャンタを叩き付けた時に破片が飛び散って」
なに、この違和感。
……あんな恐ろしい目に遭って、どうして笑ってるの?
まるで理解できない。
私は震える声を抑えることも出来ないまま、瀬里に尋ねた。
「瀬里、どういう事?……どうして?あの狼達は何?どうして狼なのに喋るの?意味分かんない。それに、あの翠狼って狼は……」
瀬里が苦しげに私を見た。
「あの、藍ちゃん……」
「瀬里、瀬里は律の暗示にかかってたんだよね?なのになんで、」
「藍ちゃん、あのね、これには訳があって……」
「教えてよ……なんなの、どういう事なの」
「…………」
広いリビングに重苦しい沈黙が広がる。
「ねえ瀬里、教えてよ………」
瀬里が観念したようにギュッと両目を閉じて息をついた。
「私はその……最初から律くんの暗示にはかかってなかったんだ……」
……嘘……でしょ!?
私、ちゃんと見ていたのに。
ママが律に暗示をかけられた時と同じように、瀬里も瞬く間に瞳が虚ろになって、表情が無くなっていって……。
「じゃああれは、何だったの?あれは、ただの『フリ』?」
「うん……」
瀬里が私を上目遣いで見て、コクンと頷いた。
信じられなかった。
この、地味で嘘のつけないような瀬里が暗示にかかった演技をしていたなんて。
しかも、かけた当人の律ですら、それを見抜けていなかったのだ。
でも、どうして?!なんで?!
聞きたいことは山のようにある。
「前に、雪野一臣の事を翠狼って呼んだよね?」
私のその言葉に、瀬里の身体がビクンと跳ねた。
「藍ちゃん」
「ちゃんと答えて!一体何を隠してるの?!」
「藍ちゃん、それはね、」
「瀬里、もういい。俺が話す」
「翠狼……」
リビングのドアが開き、雪野一臣が姿を現した。
瀬里が小さく息をついて頷く。
「分かった……翠狼に任せる」
そう言って少し下がった瀬里を見て、雪野一臣は近くにあった小さなメモ用紙を引き寄せ、そこに何かを書いた。
《翠狼》
翡翠の翠に、狼。
メモに書かれたその二文字に、鼓動が跳ねる。
やはりそうだったのだ。
あの漆黒の被毛。
息を飲むほどに鮮やかで深い、翡翠を思わせる真緑の瞳。
「あなたは……!」
信じられないほど心臓が脈打ち、息が苦しい。
そんな私の前で、雪野一臣が口を開いた。
「さっきの狼は、俺だ」
瀬里が心配そうに私を見つめた。
「狼……」
雪野一臣は、真っ直ぐに私を見たまま続けた。
「あの時の狼達はすべて俺の仲間だ。俺達は《人狼》と呼ばれる種族で簡単に言うと半分人間半分狼だ。この度の騒ぎは俺達との協定を乱すヴァンパイアの制圧の為だった」
律達ヴァンパイアの……制圧。
ヴァンパイアに、人狼……。
目眩がした。
クラリと大きく頭が振れて、反射的に後ろに手をつく。
私がそのまま倒れると思ったのか、雪野一臣は素早くこちらに手を伸ばした。
「大丈夫か?」
……バカじゃないの?大丈夫な訳ない。
雪野一臣と瀬里が、二人して私を真剣な眼差しで見つめた。
「藍ちゃん………」
「いかにも心配してますって顔しないでよ」
私の言葉に瀬里の顔がみるみる凍り付くのが分かったけれど、私は自分の言葉を止めることが出来なかった。
「あんな風に律に暗示をかけられたフリが出来るんだもんね、心配してるフリなんか余裕よね」
「……!」
「どうせ、やっと心を許した大好きな彼がヴァンパイアで、ただ私の血だけが目的だったことも心で笑ってるんでしょ?!心配してるフリして、心ではバカだって笑ってるんでしょ?!」
「やめろ。瀬里はそんな人間じゃない」
雪野一臣が私の言葉を否定したけど、それが追い討ちをかけて私の神経を逆撫でする。
「確か以前、あなたは律を化け物だって言ったよね!?」
私は雪野一臣を睨んだ。
「人の事言えないじゃん!」
「藍ちゃん、やめて」
瀬里の声が震えていた。
「あんただって変わらないよ!全然律と変わらない!」
「藍ちゃん!」
私は止めなかった。止められなかった。
「あんただって化け物じゃん!!」
「藍ちゃん!!」
瀬里が涙声で叫んで、その声が私をハッとさせた。
「っ!」
私を見る雪野一臣の眼差しに、影が落ちる。
……傷付けた……!
すぐにそれが分かったけど、胸に渦巻く恐怖や悲しみ、屈辱や痛みに、私の全てが限界だった。
「帰る。もうあなた達とは二度と会わない」
私は二人を見ずにこう言い放つと、座り込んでいたラグからたちあがろうとした。
「っ……!」
「きゃあっ、藍ちゃん!」
さっきよりも強い目眩がして、一瞬にして目の前が真っ暗になった。
「瀬里、ブランケットを持ってこい!部屋の温度を上げろ」
多分、今私は自力で立っていない。
だって、雪野一臣の香りと温かい腕に包まれているもの。
もう、ダメ。
気分が悪いしとてもじゃないけど……私……。
「しっかりしろ、藍」
頭が痛い。異様に身体が重い。
次第に瀬里や雪野一臣の声が遠くなっていって、遂に私は何も分からなくなった。
ああ、嘘。
嘘でしょ……?!
だって、だって……瀬里が翠狼と叫んだ相手が、ヴァンパイアを蹴散らしながら唸り声を上げた大きな大きな狼だったから。
現実なの?
なによ、これ。
翠狼って、翠狼って……!
息が止まりそうになる私と、翠狼と呼ばれた狼の視線が絡んだ。
翡翠のように鮮やかで深みのある真緑の瞳。
あなたは……あなたは……!
先に眼をそらしたのは狼の方だった。
「凰狼(おうろう)!清雪を逃がすな!かかれ!」
翡翠の瞳が一際強く光った。
「任せろっ!海狼(かいろう)、雑魚どもを始末しろ!」
海狼が頷くのを見て、辺りのヴァンパイアに狼達が飛びかかり、咬み付いた。
「ぎゃああっ!」
咬み付かれたヴァンパイアが断末魔の叫び声と共に灰のように消える。
呆然としながら私は、灰と化していくヴァンパイアの叫び声と狼の唸り声を聞いて眼を見開くしかなかった。
そんな中、凰狼と呼ばれた狼が祭壇の前の清雪目掛けて飛びかかった。
「おのれ、小癪な……!」
何匹もの狼とヴァンパイア達が入り乱れて怒号が響く。
「藍ちゃん、ここから外に!」
狼が飛び込んできた際に割れた硝子窓に、瀬里が足をかけた。
「いくよ!藍ちゃん」
頷くのが精一杯だった。
必死の思いで飛び降りると、私は瀬里と共に生け垣の傍に転がった。
何かが膝にガツンと当たり、食い込んだような激痛が走ったけれど、痛がっている場合じゃないのは分かっていた。
「瀬里、こっちよ!」
「桜花さん!ありがとう!」
咄嗟に声の主を振り仰ぐと、そこには長い黒髪の美しい女性が腕を伸ばして立っていた。
「すぐそこに車を待たせてある。さあ、早く」
瀬里が返事をして私を引っ張り上げた。
「行くよ、藍ちゃん!走るよ!」
「う、うん」
何が何だか分からないけれど、今は瀬里の言う通りにするしかない。
話を聞くのは後だ。
私は歯を食い縛ると、死に物狂いで走った。
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連れていかれたのは雪野一臣の家だった。
「じゃあ……私は凰狼様のところに戻るね」
「うん、桜花さん、ありがとう」
瀬里と短い会話を交わした桜花という女性は、私を見てフワリと微笑んだ後、帰っていった。
「藍ちゃん、ここに座って。怪我してないか確認するから」
私は瀬里に腕を引っ張られ、リビングのラグに座らされた。
いまだに震えが止まらず、全身が小刻みに揺れる。
そんな私を、瀬里は舐めるように見回す。
「……膝が擦りむけてる。それにふくらはぎに切り傷。窓から飛んだから多分その時に……。待っててね、救急箱……消毒しなきゃ」
暫くして私のもとに戻ってきた瀬里が、救急箱を開けて絶句した。
「空っぽじゃん!」
「いいよ。これくらい平気」
「……でも……」
「瀬里のがいっぱい怪我してる」
私が瀬里の足に視線を向けると彼女は困ったように笑った。
「あ、私なら全然……あのクリスタルのデキャンタを叩き付けた時に破片が飛び散って」
なに、この違和感。
……あんな恐ろしい目に遭って、どうして笑ってるの?
まるで理解できない。
私は震える声を抑えることも出来ないまま、瀬里に尋ねた。
「瀬里、どういう事?……どうして?あの狼達は何?どうして狼なのに喋るの?意味分かんない。それに、あの翠狼って狼は……」
瀬里が苦しげに私を見た。
「あの、藍ちゃん……」
「瀬里、瀬里は律の暗示にかかってたんだよね?なのになんで、」
「藍ちゃん、あのね、これには訳があって……」
「教えてよ……なんなの、どういう事なの」
「…………」
広いリビングに重苦しい沈黙が広がる。
「ねえ瀬里、教えてよ………」
瀬里が観念したようにギュッと両目を閉じて息をついた。
「私はその……最初から律くんの暗示にはかかってなかったんだ……」
……嘘……でしょ!?
私、ちゃんと見ていたのに。
ママが律に暗示をかけられた時と同じように、瀬里も瞬く間に瞳が虚ろになって、表情が無くなっていって……。
「じゃああれは、何だったの?あれは、ただの『フリ』?」
「うん……」
瀬里が私を上目遣いで見て、コクンと頷いた。
信じられなかった。
この、地味で嘘のつけないような瀬里が暗示にかかった演技をしていたなんて。
しかも、かけた当人の律ですら、それを見抜けていなかったのだ。
でも、どうして?!なんで?!
聞きたいことは山のようにある。
「前に、雪野一臣の事を翠狼って呼んだよね?」
私のその言葉に、瀬里の身体がビクンと跳ねた。
「藍ちゃん」
「ちゃんと答えて!一体何を隠してるの?!」
「藍ちゃん、それはね、」
「瀬里、もういい。俺が話す」
「翠狼……」
リビングのドアが開き、雪野一臣が姿を現した。
瀬里が小さく息をついて頷く。
「分かった……翠狼に任せる」
そう言って少し下がった瀬里を見て、雪野一臣は近くにあった小さなメモ用紙を引き寄せ、そこに何かを書いた。
《翠狼》
翡翠の翠に、狼。
メモに書かれたその二文字に、鼓動が跳ねる。
やはりそうだったのだ。
あの漆黒の被毛。
息を飲むほどに鮮やかで深い、翡翠を思わせる真緑の瞳。
「あなたは……!」
信じられないほど心臓が脈打ち、息が苦しい。
そんな私の前で、雪野一臣が口を開いた。
「さっきの狼は、俺だ」
瀬里が心配そうに私を見つめた。
「狼……」
雪野一臣は、真っ直ぐに私を見たまま続けた。
「あの時の狼達はすべて俺の仲間だ。俺達は《人狼》と呼ばれる種族で簡単に言うと半分人間半分狼だ。この度の騒ぎは俺達との協定を乱すヴァンパイアの制圧の為だった」
律達ヴァンパイアの……制圧。
ヴァンパイアに、人狼……。
目眩がした。
クラリと大きく頭が振れて、反射的に後ろに手をつく。
私がそのまま倒れると思ったのか、雪野一臣は素早くこちらに手を伸ばした。
「大丈夫か?」
……バカじゃないの?大丈夫な訳ない。
雪野一臣と瀬里が、二人して私を真剣な眼差しで見つめた。
「藍ちゃん………」
「いかにも心配してますって顔しないでよ」
私の言葉に瀬里の顔がみるみる凍り付くのが分かったけれど、私は自分の言葉を止めることが出来なかった。
「あんな風に律に暗示をかけられたフリが出来るんだもんね、心配してるフリなんか余裕よね」
「……!」
「どうせ、やっと心を許した大好きな彼がヴァンパイアで、ただ私の血だけが目的だったことも心で笑ってるんでしょ?!心配してるフリして、心ではバカだって笑ってるんでしょ?!」
「やめろ。瀬里はそんな人間じゃない」
雪野一臣が私の言葉を否定したけど、それが追い討ちをかけて私の神経を逆撫でする。
「確か以前、あなたは律を化け物だって言ったよね!?」
私は雪野一臣を睨んだ。
「人の事言えないじゃん!」
「藍ちゃん、やめて」
瀬里の声が震えていた。
「あんただって変わらないよ!全然律と変わらない!」
「藍ちゃん!」
私は止めなかった。止められなかった。
「あんただって化け物じゃん!!」
「藍ちゃん!!」
瀬里が涙声で叫んで、その声が私をハッとさせた。
「っ!」
私を見る雪野一臣の眼差しに、影が落ちる。
……傷付けた……!
すぐにそれが分かったけど、胸に渦巻く恐怖や悲しみ、屈辱や痛みに、私の全てが限界だった。
「帰る。もうあなた達とは二度と会わない」
私は二人を見ずにこう言い放つと、座り込んでいたラグからたちあがろうとした。
「っ……!」
「きゃあっ、藍ちゃん!」
さっきよりも強い目眩がして、一瞬にして目の前が真っ暗になった。
「瀬里、ブランケットを持ってこい!部屋の温度を上げろ」
多分、今私は自力で立っていない。
だって、雪野一臣の香りと温かい腕に包まれているもの。
もう、ダメ。
気分が悪いしとてもじゃないけど……私……。
「しっかりしろ、藍」
頭が痛い。異様に身体が重い。
次第に瀬里や雪野一臣の声が遠くなっていって、遂に私は何も分からなくなった。
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