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vol.3
貴方が望むなら
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「何してんのっ……」
勢いよく庭に飛び出し門扉を開けて駆け寄った私に、雪野一臣は驚いて眼を見開いた。
「なんだ」
「何だじゃないよっ!」
私がグッと見上げると、雪野一臣は小さく咳払いをしてプイッと横を向いた。
「たまたま通りかかっただけだ」
ダークブラウンのダウンコートを着て手袋をはめている雪野一臣は、どう見ても通りすがりには見えない。
だって心なしか顔色が悪いもの。
「……っ、なんだ」
私は雪野一臣に一歩近づくと、背伸びをして彼の頬に手を押し当てた。
「……顔が凄く冷たいけど!いつからいたの?!まさか、一晩中……」
「お、お前こそなんだ、その裸みたいな格好はっ!そんな格好でよくも外を……!」
私は焦って叫んだ。
「人を変態みたいに言わないでよっ!これはパジャマ代わりで確かに下は短めだけど、」
「短すぎるだろう!そんなに脚を上の方まで出してお前は寝てるのか! それに上着だってボタンが開きすぎだ! しかもパジャマで外に出てくるとは」
「だって、バルコニーから見えたから」
「だからそれは」
堂々巡りだ。
「いいから、来てっ!」
「お、い」
私は雪野一臣の手首を掴むと、そのまま門扉をくぐり、庭を突っ切って家の中へ飛び込んだ。
それからドン!と雪野一臣の背中を押すとその隣をすり抜けて振り帰る。
「……上がって!」
「……」
「早く」
決まり悪そうな雪野一臣を再び引っ張ると、私はリビングのソファを顎で指した。
「座って。コーヒー淹れるから」
「いや俺は」
私は視線を落とし、戸棚からコーヒー豆を取り出し、メーカーにセットした。
……分かってる。雪野一臣は、私を心配して見張ってくれていたのだ。
律と二人きりで家に帰った私を。
「……ありがとう……」
私が少し頭を下げると、雪野一臣は小さく息をついた。
「……それはいいがもっと肌を隠せ。冷えるぞ。……それからコーヒーなら俺が淹れてやる」
空調は家中統一された暖かさを保っているし、全然寒くない温度だ。
それにお客さんにコーヒーを淹れてもらうなんて、凄く変。
ソファからこちらに歩を進める雪野一臣を見て、私は首を横に振った。
その時、彼と食事を作ったのを不意に思い出し、私は思わず言ってしまった。
「……お礼に私に淹れさせて。それに、もし朝ごはんがまだなら」
しまったと思ったけれど、もう言葉は取り消せなくて。
「あの……私は食べれないけど、雪野さんの朝食を」
ちょうど今、冷蔵庫には食材があった。
野菜もお肉も、卵だってある。
他にも色んな食材を買ったばかりだ。
……律に何か作ろうと思っていたから。
冷蔵庫の中の水を取り出す度に、律のために買った食材を見るのは辛すぎる。
捨てる勇気はないけど……こんなの、早く無くなればいい。
黙ってこちらを見る雪野一臣に、私は極力平静を装って続けた。
「食材を買いすぎちゃって」
なのに、言い終わる前に声が震えた。
ヤ、バい……。
こんな姿、見られたくない。見られたら律との破局がバレてしまうもの。
だから急いで雪野一臣に背を向けようとしたのに。
「っ!」
瞬間、身体がビクンと跳ねた。
「な、に」
私の腕を掴んで引き寄せた雪野一臣の瞳が真っ直ぐこちらを見ていて、思わず息を飲む。
「ちょっ、離」
「大丈夫か?」
『大丈夫か?』
雪野一臣の言葉が胸の中で響いた。
「バカね」
泣きそうになるのを一生懸命抑えながら、私は少しだけ笑った。
「こんなに冷たい身体で、あなたの方が心配。風邪とか流行ってるし。それにっ!……それに、来客にコーヒー淹れてもらうとか変でしょ?!黙って座っててよ。そりゃあ、あなたの方が上手なのは分かってるけど。でも私がやる。全部私がやる」
……これは、私のお礼。
こんな事しか出来ないけれど、二週間後の満月の夜、私は死んでしまうかもしれない。
ううん、かもじゃなく多分死ぬんだと思う。
死に対する実感はまだないけど。
今はその恐怖より律の本心の方がショック。
心の中を占める割合が、死ぬ事よりも裏切られた事や失恋の方が多いのもなんか変だけど、今はこの心境をどうにも出来ない。
「じゃあ……おとなしく座ってる」
ボソッと呟いた後、ソファに戻る雪野一臣の姿を見ながら、私は思った。
今日、今この瞬間に独りじゃなくて良かったって。
****
二週間後。
あれから律は一度も姿を現さなかった。
来たのは三日前の短いラインだけ。
それは、私を……ファシネイティングブラッドを飲むために彼が指定した場所の地図と、日時のみ。
それ以外の出来事は変わり映えしなかった。
ママとパパは喧嘩ばかり。
クラスメートは受験勉強に必死。
瀬里は画の仕上げに余念がなかった。
私は……ずっと考えたけど、なにも名案は浮かばなかった。
でも一つ決断したことがある。
それは、瀬里の事。
実は……律に瀬里の暗示を解いてもらおうと思っていたけど、やめることにしたんだ。
だって律が私との約束を破って、私だけじゃなく瀬里まで殺すかもしれないもの。
瀬里の事を私が決めるなんて彼女の意思を無視しているみたいで酷いとは思うけど、これが一番いいと思うんだ。
儀式に瀬里を連れていかなければ危険は減ると思うし。
だって私の血が手に入った後にわざわざ瀬里を狙わないと思うから。
だから凄く迷ったけど、私は瀬里が律に暗示をかけられていることを、雪野一臣に話す決心を固めた。
今考えると、私は酷い人間だ。
律を好きで嫌われたくないからと言って、律が瀬里に暗示をかけた事実から眼を背けていた。
瀬里より……律を選んだんだ、私は。
私は以前教えてもらった雪野一臣のメアドへメッセージを送った後、良く晴れた夜空に浮かぶ満月を見上げた。
瀬里、ごめんね。本当にごめん。
玄関を出ると振り返り、しばらく自分の家を眺めた後、私は律との待ち合わせ場所へと向かった。
***
律に指示された場所は、教会だった。
両開きの扉を少し押して中を見た私は、一斉にこちらを見た人々に息を飲んだ。
何人いるの?随分多いけど……この人達が、全員ヴァンパイア……?
老若男女を問わずに集まった彼らの服装は、スーツだったりコンビニの制服だったりごくごく普通の私服だったりで、不自然な点はどこにもなかった。
無表情な顔で私を見つめる人達は、律同様、到底ヴァンパイアには見えない。
「気にしなくていい。俺の仲間なんだ」
人だかりで姿は見えなかったけど、人々の奥から律の声が響いた。
私は素早く辺りを見回した。
全体的に埃っぽかったから、今は使われていないのかもしれない。
「いらっしゃい。待ってたよ」
仲間のヴァンパイア達の間から姿を現した律は、あの日となにも変わっていなかった。
華やかな顔立ちも、柔らかな笑顔も。
「ヴァンパイアが教会なんて、意外?」
律はバカにしたように私の眼を覗き込んで笑ったけど、私はすぐにこう答えた。
「別に。十字架もニンニクも日光も効力ないって大体分かる」
「あっそ。だけど……日光は苦手だったんだよ。ファシネイティングブラッドを飲む前は」
律が懐かしそうに両目を細めた。
「ヴァンパイアになりたての頃は……日の光を浴びることが出来なくてね、活動するのはいつも日が沈んでからだった。……まあ、そんな昔話興味ないか……それより、指示通り携帯電話は置いてきただろうね?」
私はコクンと頷いた。
「送られてきた地図も消したし、私の携帯に律の痕跡はない」
「そう、良かった。こっちにおいで。……まあ、君がいなくなって暫くは騒ぎになるかもだけど、心配しなくていいから」
私の手を引いて、祭壇まで歩を進めた律がようやく足を止めた。
勢いよく庭に飛び出し門扉を開けて駆け寄った私に、雪野一臣は驚いて眼を見開いた。
「なんだ」
「何だじゃないよっ!」
私がグッと見上げると、雪野一臣は小さく咳払いをしてプイッと横を向いた。
「たまたま通りかかっただけだ」
ダークブラウンのダウンコートを着て手袋をはめている雪野一臣は、どう見ても通りすがりには見えない。
だって心なしか顔色が悪いもの。
「……っ、なんだ」
私は雪野一臣に一歩近づくと、背伸びをして彼の頬に手を押し当てた。
「……顔が凄く冷たいけど!いつからいたの?!まさか、一晩中……」
「お、お前こそなんだ、その裸みたいな格好はっ!そんな格好でよくも外を……!」
私は焦って叫んだ。
「人を変態みたいに言わないでよっ!これはパジャマ代わりで確かに下は短めだけど、」
「短すぎるだろう!そんなに脚を上の方まで出してお前は寝てるのか! それに上着だってボタンが開きすぎだ! しかもパジャマで外に出てくるとは」
「だって、バルコニーから見えたから」
「だからそれは」
堂々巡りだ。
「いいから、来てっ!」
「お、い」
私は雪野一臣の手首を掴むと、そのまま門扉をくぐり、庭を突っ切って家の中へ飛び込んだ。
それからドン!と雪野一臣の背中を押すとその隣をすり抜けて振り帰る。
「……上がって!」
「……」
「早く」
決まり悪そうな雪野一臣を再び引っ張ると、私はリビングのソファを顎で指した。
「座って。コーヒー淹れるから」
「いや俺は」
私は視線を落とし、戸棚からコーヒー豆を取り出し、メーカーにセットした。
……分かってる。雪野一臣は、私を心配して見張ってくれていたのだ。
律と二人きりで家に帰った私を。
「……ありがとう……」
私が少し頭を下げると、雪野一臣は小さく息をついた。
「……それはいいがもっと肌を隠せ。冷えるぞ。……それからコーヒーなら俺が淹れてやる」
空調は家中統一された暖かさを保っているし、全然寒くない温度だ。
それにお客さんにコーヒーを淹れてもらうなんて、凄く変。
ソファからこちらに歩を進める雪野一臣を見て、私は首を横に振った。
その時、彼と食事を作ったのを不意に思い出し、私は思わず言ってしまった。
「……お礼に私に淹れさせて。それに、もし朝ごはんがまだなら」
しまったと思ったけれど、もう言葉は取り消せなくて。
「あの……私は食べれないけど、雪野さんの朝食を」
ちょうど今、冷蔵庫には食材があった。
野菜もお肉も、卵だってある。
他にも色んな食材を買ったばかりだ。
……律に何か作ろうと思っていたから。
冷蔵庫の中の水を取り出す度に、律のために買った食材を見るのは辛すぎる。
捨てる勇気はないけど……こんなの、早く無くなればいい。
黙ってこちらを見る雪野一臣に、私は極力平静を装って続けた。
「食材を買いすぎちゃって」
なのに、言い終わる前に声が震えた。
ヤ、バい……。
こんな姿、見られたくない。見られたら律との破局がバレてしまうもの。
だから急いで雪野一臣に背を向けようとしたのに。
「っ!」
瞬間、身体がビクンと跳ねた。
「な、に」
私の腕を掴んで引き寄せた雪野一臣の瞳が真っ直ぐこちらを見ていて、思わず息を飲む。
「ちょっ、離」
「大丈夫か?」
『大丈夫か?』
雪野一臣の言葉が胸の中で響いた。
「バカね」
泣きそうになるのを一生懸命抑えながら、私は少しだけ笑った。
「こんなに冷たい身体で、あなたの方が心配。風邪とか流行ってるし。それにっ!……それに、来客にコーヒー淹れてもらうとか変でしょ?!黙って座っててよ。そりゃあ、あなたの方が上手なのは分かってるけど。でも私がやる。全部私がやる」
……これは、私のお礼。
こんな事しか出来ないけれど、二週間後の満月の夜、私は死んでしまうかもしれない。
ううん、かもじゃなく多分死ぬんだと思う。
死に対する実感はまだないけど。
今はその恐怖より律の本心の方がショック。
心の中を占める割合が、死ぬ事よりも裏切られた事や失恋の方が多いのもなんか変だけど、今はこの心境をどうにも出来ない。
「じゃあ……おとなしく座ってる」
ボソッと呟いた後、ソファに戻る雪野一臣の姿を見ながら、私は思った。
今日、今この瞬間に独りじゃなくて良かったって。
****
二週間後。
あれから律は一度も姿を現さなかった。
来たのは三日前の短いラインだけ。
それは、私を……ファシネイティングブラッドを飲むために彼が指定した場所の地図と、日時のみ。
それ以外の出来事は変わり映えしなかった。
ママとパパは喧嘩ばかり。
クラスメートは受験勉強に必死。
瀬里は画の仕上げに余念がなかった。
私は……ずっと考えたけど、なにも名案は浮かばなかった。
でも一つ決断したことがある。
それは、瀬里の事。
実は……律に瀬里の暗示を解いてもらおうと思っていたけど、やめることにしたんだ。
だって律が私との約束を破って、私だけじゃなく瀬里まで殺すかもしれないもの。
瀬里の事を私が決めるなんて彼女の意思を無視しているみたいで酷いとは思うけど、これが一番いいと思うんだ。
儀式に瀬里を連れていかなければ危険は減ると思うし。
だって私の血が手に入った後にわざわざ瀬里を狙わないと思うから。
だから凄く迷ったけど、私は瀬里が律に暗示をかけられていることを、雪野一臣に話す決心を固めた。
今考えると、私は酷い人間だ。
律を好きで嫌われたくないからと言って、律が瀬里に暗示をかけた事実から眼を背けていた。
瀬里より……律を選んだんだ、私は。
私は以前教えてもらった雪野一臣のメアドへメッセージを送った後、良く晴れた夜空に浮かぶ満月を見上げた。
瀬里、ごめんね。本当にごめん。
玄関を出ると振り返り、しばらく自分の家を眺めた後、私は律との待ち合わせ場所へと向かった。
***
律に指示された場所は、教会だった。
両開きの扉を少し押して中を見た私は、一斉にこちらを見た人々に息を飲んだ。
何人いるの?随分多いけど……この人達が、全員ヴァンパイア……?
老若男女を問わずに集まった彼らの服装は、スーツだったりコンビニの制服だったりごくごく普通の私服だったりで、不自然な点はどこにもなかった。
無表情な顔で私を見つめる人達は、律同様、到底ヴァンパイアには見えない。
「気にしなくていい。俺の仲間なんだ」
人だかりで姿は見えなかったけど、人々の奥から律の声が響いた。
私は素早く辺りを見回した。
全体的に埃っぽかったから、今は使われていないのかもしれない。
「いらっしゃい。待ってたよ」
仲間のヴァンパイア達の間から姿を現した律は、あの日となにも変わっていなかった。
華やかな顔立ちも、柔らかな笑顔も。
「ヴァンパイアが教会なんて、意外?」
律はバカにしたように私の眼を覗き込んで笑ったけど、私はすぐにこう答えた。
「別に。十字架もニンニクも日光も効力ないって大体分かる」
「あっそ。だけど……日光は苦手だったんだよ。ファシネイティングブラッドを飲む前は」
律が懐かしそうに両目を細めた。
「ヴァンパイアになりたての頃は……日の光を浴びることが出来なくてね、活動するのはいつも日が沈んでからだった。……まあ、そんな昔話興味ないか……それより、指示通り携帯電話は置いてきただろうね?」
私はコクンと頷いた。
「送られてきた地図も消したし、私の携帯に律の痕跡はない」
「そう、良かった。こっちにおいで。……まあ、君がいなくなって暫くは騒ぎになるかもだけど、心配しなくていいから」
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