異世界産業革命。

みゆみゆ

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具体策

第51帖。塩こおろこおろ。(塩がなくては生きられぬ)。

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 金貨があまりにも精巧であったことに財政官は言葉を失ったようである。酸欠の金魚みたいに口をパクパクさせ、金貨の裏、表を幾度も眺め返す。
 農政官も紋章院長も、金貨の良し悪しくらいは分かるらしい。事の重大性には気付いているらしく、何も言わずに口をポカンと開けている。

 アウグストは彼らが内容を理解したあたりで話を進める。もちろん第43帖の内容に従って。

「そういうわけで、王領で新たに金鉱が発見されました。新金貨を発行するだけの金は十二分に得られますし、やる価値は大いにあるものと思われます」
「なんと遠大な計画だ」と財政官は驚嘆の色を隠さない。「だがアウグストよ。ちょっと性急ではないかな。その、金貨を発行するのは(金をチョロマカすことが出来るから)賛成だがな。貨幣をそっくり全部新たにするというのは……。例えば銀貨だ。国内流通量に換えられる程の銀貨を準備できるのか? 恐るべき量だぞ」

 10世紀は貨幣経済が未熟な時代だ。
 これが数世紀をかけて熟してゆき、15世紀に円熟期を迎える。そして同時に頭打ちの時代となる。貨幣の数が増え、貴金属の不足が顕著になるのだ。

 10世紀の貴金属量データがないため15世紀末の貴金属「貯蔵」量を示すと、銀が700万キログラム……7000トン。これが多いか少ないかと言えば、ものすごく少ない。
 2013年の世界の銀の年間「産出」量は2万5000トンだから、3ヶ月あれば15世紀末の銀の量を追い越せる。15世紀でさえこうだから、これが10世紀ともなればさらに規模は小さい。
 同じく15世紀の金の「貯蔵」量は500キログラム。
 21世紀の年間「産出」量は3000トンとされ、こちらにしてもあまりにも少ない。

 なぜならば貴金属鉱山で名高いザクセン、ハンガリー、ザルツブルグの鉱山が開発されるのは15世紀も終わる頃で、16世紀に入ってようやく貴金属が出回ることになる。
 しかも15世紀、世の中に出回る貴金属の大部分は宝飾品や食器であって、貨幣に使われるのはごくわずか。もともと少ない貴金属のうちごく一部が貨幣として循環しているに過ぎなかった。

 財政官が口にした「恐るべき量」は、10世紀の感覚からすれば正しい。しかし悠太郎や美末の生きる21世紀からすれば「微々たる量」だ。手の平から軽くポンと出せる。
 アウグストはそれを知り、驚嘆した。

 財政官はそれを知らない。理屈は分かっても実行する術がないと思っている。

「アウグスト。新貨幣を作るのは可能だとして、どうやって告知する? タイミングを誤れば貨幣の死蔵を招く。経済は帰って停滞するぞ。ただでさえ冬場だというのに。運搬手段は? 王都で鋳造できても国中へ配布するとき野盗に襲われるやも知れぬ。それらが解決できたとて、他国に受け入れてもらえる裏付けは?」

 アウグストは気付く。財政官の口ぶりは、前フリである。もはや財政官は新貨幣の発行にゴーサインを出している。そうでなければ発行後の話をする訳がない。
 鋳造後、貨幣の運搬を危惧するのはもっともだった。王都と王領を結ぶ道路さえ整備されない時代である。どうにか大路の建設はオーケーが出たが、実行されたわけではない。

 しかし大路の建設は他ならぬ財政官がオーケーサインを出した。それを分かって財政官はそんなことを言っているのだ。つまり言い換えれば、新貨幣の配布に俺も一枚噛ませろ、ということだ。
 だからアウグストは財政官の望む台詞を述べるのだった。

「それは難題ですが、財政官殿。お願い出来ませんか」
「ほう! それはまた」
「財政に関しましては、わたくしは全くの素人ですから。ここはひとつ、プロの財政官殿の腕にお任せしたいのです。金貨、銀貨それに銅貨。流通過程も方法も財政官殿に一任したいのです」
「ふーむ。左様か。アウグスト。お主はわしに仕事させるのが好きだなあ。はっはっは。だがこれも十国とをのくにのため。いやさ王陛下のためならば不肖この財政官、お任せいただこう」

 財政官の機嫌が急に良くなった。要するに利益を約束されるからだった。でっぷり脂肪腹さえ笑っているようである。
 こうして鋳造された金貨、銀貨、銅貨は一度財政官の下に集められることになるだろう。その際にチョロマカそうが、アウグストは黙認する。しかし新硬貨への切替はちゃんとやってもらう。そういう約束である。

 どういう過程であっても流通のオーケーが出れば良いとアウグストは思っている。アウグストは、大阪の商人のいう「損して得取れ」を地で行くつもりなのだ。
 そのためには財政官がどれだけ肥えようとも構わないと思っていた。何かを為すには、どこかに犠牲が生じる。これはアウグストの経験によるものだ。

「待て待て待て」

 異を唱えたのは紋章院長だった。
 ハゲ隠しの帽子がズレないよう気を配っている。

「いかがしました」
「いかがも何も、新たに貨幣を造る? 新硬貨への切替? 何の意味があるのだ。金鉱が新しく発見されたのならば、もっと有益なことに使えば良いではないか」

 10世紀では普通の感覚である。金銀銅といった貴金属が掘り出されればたいてい宝飾品に加工された。貨幣になるのは二の次だ。それだけ貨幣の流通量が少なく、貨幣経済という言葉さえない時代だからだ。
 だがアウグストは知っている。悠太郎から聞いて、将来は貨幣ことが第一の時代がやって来るのを。貨幣経済が未熟な「今」のうちに覇権を握ってしまう。そして離さない。発達してからでは無理だ。用意すべき資金が莫大になってしまう。

「有益なことですか」
「そうだ。たとえば建白書にもあった、聖書を印刷して配るだけでなく、教会や修道院へ喜捨するのはどうかな。打ち続く戦災や天災で国内は疲弊している。治水や開墾にも金はかかる。真っ先にすべきはそういうところではないのか」

 全うな意見である。
 12世紀イタリアの文書によると、とある商人が借金をした。裁判所は商人に対し、3分の1をコショウで、3分の1をブラジル蘇芳すおう(染料の元)で、残る3分の1をミョウバンと乳香(香水の元)で支払うよう命じた。どこにも貴金属の話が出ない。
 1378年のジェノバ市ではコショウ債が募集され、その返済はコショウと金によって行われることが明記された。また効果はなかったが15世紀のドイツでは、貨幣がないときは他の財貨でも良いとする規定があった。
 いずれの場合にも貨幣より物品を優先しているあたり、貨幣のチンマリ具合が分かる。15世紀でさえそんななのだ。まして10世紀をや。

「ごもっともです」
「だろう」
「ですから新貨幣発行と併行して行うことになっております。建白書にもそうありまして」
「へ、併行? 新貨幣切替と? ど、どこからそんな資金が出て来るのだ? 国庫の今年度予算は使い切っておる。新発見の金鉱にしても、利益を生み出すには時間を要するものだろう」

 あまりの驚きに帽子がズレた。本人はそれに気付いていないが、他の全員はハゲ頭に目が行った。そして感謝した。暗い部屋では良い光源となる。

 ハゲ……紋章院長の言い分は正論だった。
 中世の四季は現代と異なる。聖ミカエル祭(9月29日)が冬の始まりであり、同時に新年度の始まりであった。収穫の時期を過ぎ、収穫物が続々と市場に出回り始める時期だ。
 教会や修道院には十分の一税が集まる。城にも税金代わりの収穫物が集まり、冬に備える。

 今でも外国の新学期が9月から始まるのは聖ミカエル祭に由来するらしい。

 財政官が収入を記録し、今年度の予算を組むのもこの時期だ。悠太郎がこちらの世界にやって来た時点ですでに予算は組み終わっていた。だからアウグストが大路の着工をする予算を組むとき、そんな余裕はないから、現代で言う補正予算の形で財政官にお願いするしかなかったのだ。

 金鉱にしても紋章院長の言う通りだ。発見されただけであり、採掘が始まるのはまだ先だ。人足を集め、坑道に使う木材を用意し、食料や石炭、木炭を集めなければ採掘は出来ない。

「鋭意行動中です」
「これから冬だ。食料は少しでもあった方が良い。採掘は後回しにしたらどうだ。冬を越せねばどうにもなるまい」

 まったくの正論であった。しかしここで引く訳にはゆかない。
 アウグストは話題をそらした。

「先ほど王領におりましたが、悪漢に襲われました」
「!」
「何とか撃退はしましたが、馭者が犠牲になったのです」
「そ、そうか。ならば新しく雇えば良かろう」

 身分の低い者のことをいちいち構ってはいられない。それが普通の時代である。つまりは「かたづけておけよ、そのぼろくずを」状態である。
 ヤムチャはまだ悟空たちが悲しんでくれるしドラゴンボールでよみがえることが出来たが、10世紀で身分の低い者が死んでも、雇い主は困らない。替えなどいくらでも利く。ましてこれから冬に向かう。衣食住に困らない就職先は、誰だって欲しい。

「それはそうですが」とアウグストは同意した。

 アウグストにしても、馭者は哀れであると思っている。思っているが、では何かするのかといえば、それは違う。哀れみをかけること自体で、贖罪になるのだ。

「しかし紋章院長殿。王領に悪漢が出たのは看過できません。さっそく警備を強化しようかと思います」
「さ、左様か? それこそ予算の無駄ではないかな」

 目をそらし、否定的な言葉を述べる紋章院長。

 ――どうにも怪しいな。

 アウグストの予感通り、悪漢たちの雇用主は紋章院長である。もし警備が強化されれば、その指揮はアウグストがとる。暗殺しにくくなる。紋章院長にとっては由々しき事態である。
 何しろおおっぴらには言われないまでも王女の命令なのだ。遂行できなければ自分の身が危ない。

「しかし」とアウグストは食い下がる。「これが市外ならまだしも王領での事件です。誰かが手引きしているとも考えられます」
「な、何を言うか!」
「そうです! わたくしもそんな事態は考えたくありませんし、何よりも王陛下の身の安全を確保する地位にありますゆえ、万が一に備えることが肝要かと……」
「むっ」

 正論であった。さすがの紋章院長も王を引き合いに出されては何も言えない。
 そもそも紋章院長は、警備の強化に関与しない。決めるのはアウグストであり、財政官だ。因縁をつけてくることがおかしい。あまりムキになると余計に怪しまれるので、紋章院長は引き下がることにした。

「で、では失礼するよ、そろそろ。寒くなったし夕食に間に合わなくなる」
「悪漢がうろついておるやも知れません。お気をつけて」
「ああうむ」
「護衛をつけましょうか」
「余計なことを! いや、結構だ。自分の身は自分で守る」

 その言葉は紋章院長自身のようであった。

 紋章院長が退室し、財政官と、農政官だけになる。農政官も帰りどころを探っていたようで、そわそわと帰って行った。

 財政官と2人きりになるアウグスト。

「ワインがなくなりましたね。持って来させましょうか」
「いや結構だ。しかしアウグスト。新貨幣の発行かね。恐るべきアイデアだね。勇者殿の知恵には驚かされるよ」
「まったくです」
「あ、やっぱりワインをもらおうかな」
「分かりました」
「? おいおい、君がやることはないよ。下女がいる」
「お人払いをしておいでですから、呼んでも来ないでしょう」
「う、む。そうだったな」

 財政官は口ごもった。視線をわずかにそらす。どうにも触れたくない話題のようで、肥えた頬に緊張が走っているのがアウグストには分かった。

「財政官殿」
「む、何かね」
「これをどう見ますか」

 アウグストは小箱を取り出した。杉かヒノキか、皮を薄くはいで作った小箱である。日本語でいうところの檜皮ひわだ色の小箱だ。
 財政官もその箱に見覚えがあるようだ。大事なものをちょっと送るときによく使われる。木箱を作るまでもないときだ。

「塩か」
「そうです」
「ふーん。……アウグスト。君は恐ろしいよ。いや、勇者殿かな。どちらにしても空恐ろしいことだ」
「恐縮です」

 その小箱の中身は、まごうかたなき塩であった。
 精製技術が未熟であるから、やや茶色がかった粗塩。ひとめで海水から精製したものであると知れた。
 敵に塩を送るという故事にもあるように、塩は人間にも家畜にもなくてはならないものだ。過剰摂取は毒だが、塩を取らなければ人畜ともに死ぬ。それは10世紀だろうが21世紀だろうが変わりない。

 塩を得るには大まかに2種類の方法がある。海水から得る。そして塩田を作る。
 十国とをのくには大西洋と地中海に面する国だ。海に困らず、従って塩にも困らない。沿岸部では塩を作り、それを内陸部に売って生活している商人もいる。

 そして、その塩の供給ルートを支えるのが教会や修道院であった。塩を扱う商人にすれば、教会や修道院は安心できる相手だった。少なくとも持ち逃げされることはないし、王やなかつくにミッドランドの庇護下にあるのだから、野盗に教われることもない。
 そして教会や修道院にしてもオイシイ話だった。集積地になるのみならず、小売りも出来るのだ。これが結構な収入になる。いつの時代も塩は商売の基本だ。

 紀元前1000年、春秋戦国時代にせいという国があった。これは周王朝の流れを汲む国の1つで、海に面した国であったため塩の専売制で国庫は大いに潤った。
 時代は下って元寇で有名な元は13世紀、塩と兌換の交鈔こうしょうという紙幣を発行し、これまた大いに栄えた。

 塩は貴賤を問わず必ず要る。これによって収入が安定したのである。そんな中国が塩の専売制を廃止するのは2017年であるといい、実に3000年も続いた専売制がついになくなるのだ。

 塩が欠かせぬ資源である点に目を付けた。これは昔からの知恵だ。

 アウグストは、それが教会を腐敗させる原因の1つであるとにらんでいた。もともと教会は清貧を良しとする。それなのに商売まがいのことをしている。
 財政官はもちろんこの事情を知っているが、財政官の身分で口を挟むことは出来ない。しょせんは雇われだ。教会に文句を言えばなかつくにミッドランドからケチを付けられる。それに教会のトップは一応、王だ。王の覚えもめでたくない。

 だが、王自身がそうした教会の体質を変えたがっていることもまた財政官は知っていた。
 しかし思うようなアイデアは出なかった。国のトップたる王でも力は少なく、財源さえ教会には及ばないのだ。だからどうしようもなかった事情を財政官は知っている。

 悠太郎の出現でそれが崩れ始めた。

 思い切った改革をする口実。それを裏付ける財源さえ、悠太郎がどうにかしようとしている。
 そして実動部隊としてアウグストが行動している。それの一環があの建白書であると、財政官はおぼろげに予想している。

「塩か。これ勇者殿の財源か? アウグスト」
「お答えは差し控えさせていただきます」
「はは。アウグスト。お主にも秘密はあったか」
「財政官殿にも」
「わしは潔白だぞ。王陛下にもお主にも平等だ」

 平等にチョロマカすあたり、確かに財政官は平等である。財政官は塩をじっと眺めた。
 悠太郎とともにいつの間にか現れた軍人たち。ショウサと呼ばれるリーダーを筆頭に、王都には黒髪黒眼の軍人たちがウロウロしている。彼らを雇うにも、城中洲に家を建てるにも、相当な資金が必要なはずだ。それは財政官たる自分なしに事を進められるほどの資金だろう。

 しかも王領では新たな金鉱を掘り当てたという。資金だけでなく技術力も持っている。ウワサではシャーリー姫が異世界から召還したという。最初は眉唾ものであったものが、こうも次々とやられては信じるよりもない。

 その謎が解けた、と財政官は「勘違い」した。

 悠太郎の財源が塩であると勘違いしたのである。出自は恐らく海の方で、塩に関係のある家柄である。だから内陸部の王都に知り合いは誰もいない。そう勘違いした。そして納得した。
 アウグストはこの勘違いを知らなかった。しかしそれ以上の追求がないので、どうやら納得したらしいと思った。
 
 美末の手の平からいくらでも出ようなどと、誰が信じよう。神でも悪魔でも利用して、俺は必ず十国とをのくにを良くしてみせる。アウグストはそう決心していた。
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