ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり

柳内たくみ

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外伝+特地迷宮攻略編

外伝+特地迷宮攻略編-1

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 特地迷宮攻略編


    01


「うわっ、うじゃうじゃいやがった!」

 暗くて狭い地下迷宮の廊下ろうかを曲がった瞬間、鉢合はちあわせするように出現した『ヒト型物体』。
 伊丹いたみ耀司ようじは、びっくりしたことを声高に主張しつつ、その胸部きょうぶに六四式小銃の銃口を押しつけ切り替えじくを素速く『タ』に合わせた。
 六四式小銃の安全装置は「実戦を全く想定してないぞ、これ!」と叫びたくなるほどに、解除に手間の掛かる構造をしている。
 回転式の切り替え軸を、『ア』――安全、『タ』――単発、『レ』――連発のそれぞれに、ダイアルのように合わせなければならないのだ。
 しかも各箇所で小さなくぼみに突起とっきを差し込む必要があり、指先一つで切り替えるというわけにはいかない。つまんで、軽く持ち上げて、回す。そのため、安全装置をかけていると咄嗟とっさに発砲出来ないという恐ろしさなのだ。
 こういう場面では思わざるを得ない。設計者はどうしてそのようにしたのだろうか、と。
 問い詰めたら、設計者X氏はきっとこう返してくるに違いない。「安全第一を志向しこうした」と。「簡単に安全装置が解除できては暴発ぼうはつしやすくなる。そのような形での不幸な事故を防ぐため、良かれと思ってその構造にした」と。
 だが結論はユリウス・カエサルいわく、「どんなしき結末におちいった行いも、良かれと思って始められた」の典型例をなぞった。
 武器に求められる基本的な性能とは、味方にとって安全で敵には危険という矛盾むじゅんした性質だ。この矛盾を極限にまで高めてこそ名品と呼ばれる。安全を徹底したあまり咄嗟とっさに撃てないような銃は、味方にとって安全でも、敵にとっても安全ということになってしまう。その意味で六四式小銃はまぎれもなく欠陥品けっかんひんなのだ。
 とはいえそれでも、陸上自衛隊はこれを制式採用し、隊員達の多くもこの銃を愛している。
「あばたもえくぼ」という言葉がある通り、使用していれば欠陥も愛おしくなる――からではない。
 六四式小銃が普通科隊員の主力武器だった頃の陸上自衛隊は、ソれん軍の大規模な侵攻があった場合、米軍が助けに来るまで持ちこたえることが求められていた。そのため六四式小銃はソれん軍の侵攻に対する遅滞ちたい行動――陣地を構え、敵を出来るだけ離れた距離で伏撃ふくげきして戦闘展開させ、その間に後退してまた伏撃するという行為を繰り返す――すなわち、守りの戦術思想が込められた設計になっていたのだ。
 故に遭遇戦そうぐうせんの起こりやすい都市部や森林内といった場面で咄嗟に撃てないとか、部品の数が多過ぎて分解結合に手間取るといった欠点は、些細ささいなこととして問題視されなかったのである。
 この問題が真剣に重要視されるようになったのは、ソ連崩壊ほうかい以降、北朝鮮や中国の脅威きょういが強くなり、ゲリラ・コマンドが国内に潜入して騒擾そうじょうを起こし始め、我と彼が不意に遭遇してコンマ数秒の遅れが生死を分かつ、という戦闘状況が予想されるようになってからである。
 そしてその頃には、八九式小銃が登場しており装備の更新も始まっていた。
 実際八九式小銃では、安全装置の課題に対する若干の改善が見られた。しかしそれは、あくまでも六四小銃との比較の話であり、充分に満足できる域にはやはり達していない。どうしても安全第一の思想が優先されてしまうのだろう。
 結局この問題は解決されることなく、対処は次世代銃へと先送りされたのだ。
 問題は全ての銃が、ある日をさかいに全て更新されるわけではないこと。未だに六四式小銃を使用している部隊では、この扱いの難しい銃で不期遭遇戦に備えなければならない。
 そこで現場隊員達は、回転軸を『タ』の少し手前、ぎりぎりまで切り替え軸を回しておき(この状態でも引き金は引けないのだから、実に優秀な安全装置である)、咄嗟の際に指先一つで簡単に発砲可能にするという裏技を編み出していた。これによって六四式小銃でも素速い発砲が、とりあえずのところ可能となったのだ。
 切り替え軸を人差し指で軽くでて『タ』――単発に合わせた伊丹は、まず、引き金を二回続けて引き絞った。
 肩にずしっと感じる反動が二回。そしてゆかを転がる薬莢やっきょうの音が二個分。
 その『ヒト型物体』は、頭部と胸部に大穴を穿うがたれて崩れるようにその場へと倒れた。

「次!」

 戦果を確認した伊丹は次の目標、廊下の奥へと視線を向けた。
 すると、せまい廊下を埋め尽くすようにして近づいてくる『ヒト型物体』。
 その数と距離とを素速く目測。伊丹の手は流れるように動いて、切り替え軸を『タ』から『レ』へと合わせていた。
 三発の短連射を連続して六回。
 たちまち六体の『ヒト型物体』が廊下に崩れた。貫通した弾丸がその後ろにいる個体にも命中したが、急所からはずれていることもあって効果はない。
 二十発入りの弾倉に込められた弾丸もき、槓桿こうかんが開きっぱなしとなる。「弾切れだ、弾倉を交換しろ」というサインだ。

「くそっ、これだから六四は!」

 八九式小銃は三十発の弾丸を装填そうてんできる。しかも軽い。にもかかわらず特地派遣部隊では六四式小銃が主力装備とされた。
 旧式の武器ならば壊しても捨てても惜しくないからとか、在庫一斉処分などと陰口かげぐちを叩かれているが、実際はきちんとした理由があった。
 銀座事件の際に八九式小銃をたずさえた一連隊の隊員達が、帝国兵との白兵戦はくへいせんになった際、銃剣が敵兵のチェーンメイルに引っかかり引き抜くことが出来ずに思わぬ不覚をとったり、オークやトロルといった大型、肉厚の怪異かいいに対し、八九式の五・五六ミリ弾では威力不足でたおすのに苦労したという経験があったのだ。
 六四式の銃剣ならば余計なギミックがついてないから、刺突しとつして刀身に肉がからみついたとしてもスムーズに引き抜くことが出来る。
 さらに六四式の七・六二ミリ弾ならば厚さ十ミリの鋼板すら貫通する力があり、オークのような体格の大きい肉厚の怪異すらも撃ち倒すことが可能だ。ましてや伊丹の目の前に現れた『ヒト型物体』は危険ではあっても華奢きゃしゃで動作は遅い。急所に命中すれば、一発で機能停止させることが出来るのだ。
 唯一の問題は、この『ヒト型物体』がれをすこと。
 狭い回廊かいろうを埋め尽くして進んでくる『ヒト型物体』は、仲間が倒れても気にすることなく、そのまま踏み越えて数に任せてズリズリと突き進んでくる。そうなると弾倉を交換している暇はない。二十発という弾数の少なさがなおさらうらめしく思えてくる。
 伊丹は弾嚢だんのうに手を伸ばした。
 だが、『ヒト型物体』が思ったよりも近づいていることを確認すると、マガジン・プルタブに指を掛けるのをやめ、素速くホルスターから九ミリ拳銃けんじゅうを抜く。
 銃口を『ヒト型物体』の頭部に指向しこうさせる。発砲の反動が伊丹の肘から肩、肩甲骨けんこうこつを通じて背骨へと伝わった。
 石の床に散らばる真鍮製しんちゅうせいの薬莢は、すすけた飴色あめいろとなっていた。
 引き金を引き絞りながら、伊丹はこの作業をいつまで続けなければならないのだろうという思いで相棒あいぼうに問いかけた。

「おい、ヤオ! こいつらこの迷宮にどれだけいるんだ!?」

 するととなりで矢をつがえていたヤオが答えた。

「クレティの町でやまいで死んだ者、全員分だ! 百を下るということはあるまいよ! 最低でも二百はいるはずだ!」
「二百!? 二百もか!?」
「あるいはもっとだ!」

 ヤオは黒い矢羽根を軽くめると、立て続けに二本放った。
 矢を眼球、あるいはのどに受け、あるいは伊丹の拳銃弾を胸部正中線せいちゅうせんに食らった『ヒト型物体』は次々と斃れていった。
 だが、斃しても斃しても尽きることなく、『ヒト型物体』は次々と湧いてくる。
 そう『物体』だ。
 それらはすでに人間ではない。
 如何いかにかつて人間であった面影おもかげを残していようとも、姿形が美女や美少女であろうとも、彼女達は医学的には死亡しているのだ。
 その人型の肉塊にくかいは、日本人一般には『ゾンビ』として知られる物体に成り下がったものである。
 足をずりずりと引きずりながら、群れを成して押し寄せてくるのも、不意に訪れた伊丹達を歓迎しようとか、あるいは不法侵入者を撃退しようという高度な思惟しい機能の発露はつろではない。ゾンビという動く屍肉しにくに備わった、捕食・吸血衝動に駆られてのものだ。
 それらが伊丹達に向かって進んでくるのも、「うぼわ~」と手を伸ばして掴みかかってくるのも、解剖かいぼうして取り出したカエルの大腿だいたいに電気を通したら筋肉が縮んだという現象と同じで、生命機能の残滓ざんしなのだ。
 だからそれだけに始末に負えない。
 いくら胸に大穴を空けても腹部を打ち抜いても、機能停止してくれない。
 とっくの昔に死んでいる彼女達――もとい、その『ヒト型物体』を動かすのは、何かのウィルスか、はたまた呪いのたぐいによって機能している中枢神経系であって、これに手足がつながっている限り、死体はその命令に従って動いてしまう。
 これらを完全に機能停止させるには脳髄のうずい脊髄せきずいを破壊してしまうか、あるいは手足を体幹から切り離してしまう以外にないのだ。


 新たに三体のゾンビを斃し、拳銃弾を撃ち尽くした伊丹は、えい面倒めんどうくさい、こうなったら、という少しばかりやけっぱちな気持ちで、M26破片手榴弾はへんしゅりゅうだんを取り出した。

「ヤオ、手榴弾を使うぞ! 合図と同時に廊下のかどを戻って隠れろ! いいな!」
「わ、分かった!」

 彼女達の歩みは遅い。伊丹とヤオの脚力ならば、後ろを向いて全力で走るだけで引き離すことは充分に可能だ。
 我が身が助かることだけを考えるなら、こんな暗い地下迷宮に踏み込んで、美女・美少女の姿をしている屍肉をわざわざ挽肉ひきにく状に変えてしまう必要はないのだ。
 しかし、しかしである。
 今の伊丹達にはそれをしなければならない事情があった。何としてもこの薄暗い廊下を抜け、地下迷宮の深奥しんおう部に踏み入り、その奥に自生じせいしているかも知れないロクデなしを、熱病に効果があるという薬草を、手に入れなければならない。
 そのためなら、たとえ倉田くらたから「オタクとしては断じて許しがたい」と責め立てられても、この美少女ゾンビ達を断固として躊躇ためらわず破壊しまくる覚悟なのだ。

「いくぞ」

 手榴弾から安全ピンを引き抜いた伊丹は、まず安全レバーを飛ばした。

「一、二……」

 手榴弾の点火時間は安全レバーがはずれ、撃針げきしん雷管らいかんを打ってから四~五秒に設定されている。
 爆発によってまき散らされる破片が、このゾンビの群れの隅々にまで届くようにするには、空中で炸裂さくれつするようにしたい。そのためにはわずかな間だが、火の付いた爆発物を手に握っていなければならない。

「さんっ!」

 その数秒を耐えて、伊丹は手榴弾を投じた。
 ラッシュアワーの電車内のごとく、廊下を埋め尽くす元美女・美少女達の頭上で手榴弾は炸裂、四方に向けて薄肉鋼製の破片をまき散らす。
 もちろんその時には既に伊丹もヤオも、回廊の角に身を隠している。
 伊丹は、ヤオを抱きかかえるようにして壁の陰にしゃがんだ。
 難燃なんねんビニロンを含んだ戦闘服は火炎にも数秒間耐えられる。伊丹はその身をたてに肌の露出が多いボンテージ鎧姿のヤオをかばったのだ。

「あ、主殿?」

 ヤオを抱きしめつつ、伊丹は角から頭を出して手榴弾の効果を確認。

「よし、効果大だな」

 すると期待通りに、手榴弾の爆発は三十体以上のゾンビ少女達の手足を引きちぎって群れごとぎ払った。通常ならこんな効果は望めないが、生命力を失ったしかばねだとやはりどこか肉体の強度が低下するらしい。見た目からは腐敗ふはいが進行しているようには見えないが、じわじわと少しずつ彼女達の肉体は崩れつつあったのかも知れない。


    *    *


 時は、炎龍えんりゅう退治の後、そしてレレイがロンデルで学会発表に挑む前のことである。
 高機動車一台を駆って資源探査へと向かう伊丹の旅に、ダークエルフ――シュワルツの森部族デュッシ族、デハンの娘であるヤオ・ロゥ・デュッシは当然のように同行していた。
 彼女がその旅に参加した理由、あるいは目的は、三つだ。
 一つは、ベルナーゴ神殿におもむくこと。
 ベルナーゴ神殿で冥府めいふの神であるハーディに直接「あんたなんて大嫌いだ。もうおがんでやらないぞ。あっかんべー」と棄教ききょうを宣言し、同胞たるダークエルフ達が炎龍のえさとされたことに自分がどれほど怒っているかを思い知らせたかったのである。
 もちろん何万、何千万といるであろう信者のなかの一人が棄教した程度では、ハーディが痛痒つうようを感じることはないだろう。しかし、たとえそうであったとしても何もしないでおくことはヤオには出来ない。そのためベルナーゴ神殿から招待を受けた伊丹に同行させてもらう必要があったのだ。
 二つ目は、贖罪しょくざいのため。
 ヤオにとってはその対象はテュカだ。いかにダークエルフの仲間が炎龍に襲われ、全滅しかかっていたと言っても、それを救うためにテュカの心を追い詰め、破壊される寸前にまでしてしまうなど許されることではない。謝罪し贖罪し、許しをわなければならないのだ。
 だが、もしそんなことを口にしたりすれば、自分を嫌っているテュカのことだから「顔を見せないことが罪滅つみほろぼしよ。とっととどっかに行って」と言い放つだろう。
 それを言われたら、ヤオはアルヌスを立ち去るしかなくなる。そうなれば本当の意味で贖罪の機会は永遠に失われてしまう。だからヤオは、テュカに嫌われてもしばらくは厚顔こうがんに振る舞って、その時を得るまでひたすら彼女のかたわらに居ることを選んだのだ。
 三つ目は、伊丹の奴隷どれいとしての役目を果たすため。
 ヤオは炎龍を斃して欲しいと伊丹に懇願こんがんする際、『自分を与える』と宣言している。そして伊丹は炎龍退治に立ち上がってくれたのだから、その時の約束を果たさなければならないのだ。
 奴隷は主の赴くところに常に付き従うか、あるいは主から指定された場所に待機するのが特地社会の常識である。
 しかしながら、そんなことを口にしたらヤオの新たなる主神ロゥリィ・マーキュリーは、意地悪いじわるそうな薄笑みを見せつつこう語った。

「あらぁ、でもヨウジィは貴女は奴隷じゃないって言っているわよぉ」

 実際その通りで、伊丹はヤオを所有していない。書類こそ渡されたが、日本では人間を所有するという概念がいねんが否定されるため、それは文字の書かれたただの羊皮紙ようひしでしかないのだ。
 もし日本に人身売買の制度があったなら、伊丹は解放手続きをすることで、特地社会制度の犠牲者たるヤオを解き放っただろう。だが「解放する」という行為はそれ以前は奴隷であった、つまりは一旦は伊丹がヤオを所有していたと認めることに繋がる。
 当然それを認めることなど出来ないから、伊丹としてもそんな手続きをするわけにもいかず、結局はこの状況を放置した。つまりヤオは特地の法では伊丹所有の奴隷、けれど実質的には奴隷でないという立場に留め置かれてしまったのだ。

「なんとむごい。主殿に捨てられたら、此の身は逃亡奴隷ということになってしまう」

 ヤオはそう言うと自分の足首にまっている奴隷のあかしたる足枷あしかせをロゥリィに見せた。
 逃亡奴隷が捕獲ほかくされた場合は、基本的に元の主のところに戻される。しかし元の主がいないか、あるいは引き取りを拒否するような場合は、拾得者が自分の財産にして良いことになっている。つまりヤオは伊丹以外の誰かによって、好き勝手に扱われることになる。だから伊丹の奴隷として付いていくしかないのである。
 ロゥリィはしようがないと言わんばかりに首をすくめる。

「ならぁ別にいいけどぉねぇ」

 そして、旅の準備のために高機動車に荷物を積んでいくレレイやテュカを振り返った。するとレレイは無表情にうなずき、テュカは仕方なさそうに肩を竦めてヤオの同行を受け容れてくれたのである。


 さて、アルヌスを出発した伊丹達である。
 まずは北に向かってイタリカへ。そこでフォルマル家との連絡任務をこなすと、そこから進路を西へ向けた。
 真っ直ぐ北に向かうのが最短距離なのだが、レレイの目的地であるロンデル、伊丹の最終目的地であるベルナーゴはいずれもロマリア山脈を越えた向こう側。そのため山脈を大きく迂回うかいする必要があったのだ。
 そうやって西へと向かっていくつかの町や城市じょうしを通り抜けると、やがてロマリア山脈のふもとに中規模の町が見えてきた。
 その町は、石造りの堅牢けんろうな城壁が巡らされた小さな城市……いや市ほどは大きくないから町と呼ぶべきであろう。つまりは城町であった。
 外観イメージとしては、フランスにある城塞じょうさい都市カルカソンヌといったところ。外見に興味のある人はカルカソンヌで「ぐぐって」みて欲しい。現代に残る美しい城塞都市の様子が出てくるはずだ。
 小高い丘から遠望えんぼうした限りでは商店や家屋が城壁内にびっしりと並んでいるため、城町には多くの人間が住んでいると思われる。だが実際に城門をくぐってみると、町の中は荒涼こうりょうとした殺風景さっぷうけいさであった。
 家屋のほとんどがその戸や窓を板でふさぎ、人間の往来おうらいもない有り様。
 この雰囲気を日本で例えるなら、さびれた地方都市のシャッター商店街――みたいな状態と言えば分かりやすいかも知れない。
 風に吹かれた回転草が、砂風とともに大通りをコロコロと転がっていく様子は、西部劇か何かに出てくるゴーストタウンを想起そうきさせた。

「なんか、寂れてるな」

 ハンドルを握る伊丹は、そんなことをつぶやきながら、町の入り口から少し入ったところで高機動車を停止させた。ついでにエンジンも止めてしまう。そしてハンドルを抱えるように身を乗り出して周囲の反応を待った。
 しかし十分、二十分と待ち続けていても、町の住民は一人として現れなかったのである。
 これが他の町なら伊丹の乗る高機動車の珍しさに、子供達やら物見高ものみだかい大人達が集まっている頃合いだ。
 伊丹はそれを利用して町の人とコミュニケーションをとったり、情報を集めたりしているのだが、今回に限ってはものの見事に無反応で空振りしてしまった。

「もしかすると、ここは本当に人間の住まない死にえた町なのかも知れないな」

 ところがヤオは、後部座席から運転席の伊丹と助手席のテュカとの間に割り込むように身を乗り出して、そんな伊丹の見解を否定した。

「いや、それはない。この感じだと誰かが必ず住んでいる」
「そうなのか?」

 伊丹は振り返って真っ直ぐヤオを見た。
 すると後部座席のロゥリィが、ヤオと伊丹の間に割り込むように身を乗り出す。

「ヤオの言うとおりよぉ。人間のいない建物はあっという間に荒れ果てるわぁ。こうして見ると薄汚れてはいるけどぉ、道路に面した家の構えが壊れてはないでしょう?」
「あ……そうか」
「つまり、この町には誰かが住んでいるというわけよぉ」
「なるほど。そういうことか。ヤオはすごいな」

 伊丹の称賛しょうさんがヤオには面はゆかった。
 学究肌で研究くつもっていることの多いレレイや、コアンから外に出ることのなかったテュカと異なり、ヤオには緑の人を探してあちこち町や村を巡り歩き、彷徨さまよった経験がある。その中には炎龍に襲われて滅んでしまった村や町もあって、自然と見る目が養われたのである。それだけにめられるに値するようなことではないと思っていた。

「誰か住んでるのにこんな有り様というのは……不景気か、それとも戦争が原因かな」

 伊丹の言葉にヤオは続けた。

「病気や天災てんさいということもあり得るぞ」

 病気なんておぞましいとばかりに伊丹は身体を震わせる。

「とにかく人間が住んでるなら、俺は予定通りこの町の調査を始めるよ。まずは、住んでる人間を探す。町の名前とか、こんなに寂れている理由とかも知りたいからな」

 伊丹に課せられている役割は資源の探査だが、この世界そのものの探索でもある。
 従って地理情報の収集も積極的に行い、町があれば立ち寄って名前を地図に記入し、人口や主な産業を調べ、さらには人種構成や宗教といった情報もき集めているのである。

「みんなはどうする?」

 伊丹はテュカやレレイにも呼びかけた。

「水の補給が必要」

 するとヤオを押しのけるようにレレイが身を乗り出してきた。
 後部に積んであった水用ポリタンクの一つを差し出すレレイ。その中身が空っぽなのは、腕の細いレレイが軽々とそれを持っていることでも分かる。
 水のたくわえはポリタンク四十リットル入りが他に三つ。だがレレイは常に満タンにしておかないと気が済まない性格のようで、とにかく補給を求めるのだ。

「分かった。水だな」
「可能なら食糧も……」

 食糧もまだ充分にあるが、レレイは常に満タン……以下略。

「なら、いっそのこと先に飯にするか?」

 すると助手席のテュカが、レレイとヤオの間に割り込むようにして身を乗り出す。

「そうね。お父さん、このままコウキ(高機動車)で町の中心部まで乗り付けてみない? 誰か寄ってくるかも知れないし、食堂だって通りに面したところに一つくらいはあるはずよ」

 結局、四人が全員身を乗り出していた。
 そんなことが出来るのも横幅が大型バス並みにある高機動車だからなのだが、四人が運転席に身を乗り出したとなるとやはり窮屈きゅうくつで、ヤオはロゥリィとレレイ、テュカにじわじわと圧迫あっぱくされついには追いやられてしまった。
 ロゥリィやレレイの背中を見ながら後部座席に腰を下ろすヤオ。ほんの少し寂しい気分になるが、自分は伊丹の奴隷なのだから出しゃばってはいけないと、自分に言い聞かせた。
 そんな暗闘あんとうが行われていることに気付いていない伊丹は、三人の顔を順繰じゅんぐりに見ながら高機動車のエンジンをかける。

「そうだな。先に飯にしよう」

 そしてゆっくりと前進させ、戸口の閉ざされた商店街の奥へと進んだのである。


「おっ、第一町民発見!」

 狭い道をゆっくりと進んでいくと、伊丹が声を上げた。
 商業組合の看板かんばんのある建物の前で住民らしき人影があったのだ。

「どれどれ」

 ヤオは、伊丹に言われるままに窓に顔を寄せてみた。
 高機動車の後部窓はほろに設けられたビニール製であるため、視界がぼやけてしまう。だから窓に顔を押しつけるようにしなければ、車外をよく見ることが出来ないのだ。
 すると道路端を、身体に布を巻き付けた老人がとぼとぼと歩いていた。
 頭巾ずきんに隠された顔を見て、ヤオがその人物を老人だと思ったのは、わずかに見える目とその周りが日に焼けてしわだらけだったからである。
 老人が入ろうとしてる行商人組合の隣には、今ヤオ達が目指している食堂――と言っても、酒場をねているような店だが――がある。そこから少し離れたところには、おそらくは色街いろまちらしきものの入り口まで見える。
 この町は小さいながらも飲食店や風俗系の店舗が多かったようだ。しかし今現在の時点で営業をしているのは、この酒場兼食堂の一軒だけらしい。
 おそらくこの老人も、その店から出てきたのだろう。

「あの、すみません。この町の名前はなんていうんですか?」

 高機動車を減速させた伊丹は窓を少し開けながら、その老人に声をかけた。
 老人はいぶかしげに振り返ると、伊丹の乗った高機動車を見る。そして、後ろの幌窓から見えるヤオの姿を見て突然目を見開き、言った。

「お前達、この町から出て行け!」
「なんです?」
「さっさとこの町から出て行くんじゃ!」

 老人は興奮こうふんした様子で伊丹を怒鳴どなりつけた。そして逃げるようにして行商人組合の建物に引っ込んでしまったのである。
 ヤオは驚いた。老人が怒り出したのは自分を見てからだ。それだけに怒られたのは自分のせいだと感じてしまったのだ。

「今のは、なんだったのだろう?」
「さ、さあ」

 テュカも戸惑とまどいを隠せないようだ。
 出合いがしらに突然怒られて多少なりとも傷ついたヤオは、訳の分からないこの状況を誰かに説明してもらいたかった。


 伊丹が、酒場兼食堂の前でヤオに念を押してくる。

「おいヤオ、本当にここでいいのか?」
「うむ、ここで良い」

 ヤオは大丈夫だと返して、心配は無用だと告げた。
 それがニホン人の感覚なのか、伊丹は高機動車を停める場所をいつも気にする。
 どうやらニホンでは停める場所を間違えると官憲かんけん摘発てきはつされるらしい。だが、ここにはそんなことを禁じる法はない。しかもこの酒場の前には葉桶ばおけやら水桶やら、馬を繋ぐさくやらもある。つまり乗り物を停める場所として開放されている場所なのだ。そこに高機動車を停めていけない理由はない。
 とはいえ、伊丹としても道幅の半分を塞いでしまう車体の大きさを考えると、少しは配慮はいりょしないわけにもいかないと言う。そのせいでこんなやり取りを毎日のように繰り返すことになってしまうのである。
 ヤオが大丈夫だと繰り返したことで、伊丹も安堵あんどしたのか運転席から降りた。
 だが伊丹が外に出た途端、タイミング良く吹き込んできた砂埃すなぼこりを含んだ突風が車内にまで入ってきて、ロゥリィやテュカらは小さな悲鳴を上げた。

「きゃっ……」
「閉めて、閉めて! 砂だらけになっちゃう!」
「いやぁ、口に入ったぁ!」

 伊丹は慌てて運転席に戻ってドアを閉じた。ロゥリィは手巾しゅきんを口に当て、テュカは髪が汚れちゃったとくちびるとがらせている。
 見ればフロントガラスに細かい埃が積もるように張り付いていた。風に交ざって細かい砂が大量に飛んできているらしい。
 見ている間にも、ボンネットにどんどん砂が積もり、そしてまた風に飛ばされていった。
 ヤオは、テュカの髪についた砂を払ってやりつつ言った。

「この町が寂れたように見えるのは、このシロッコのせいかも知れないな」

 その名称を聞いた伊丹は「パ●テマス・シロッコさま?」などと呟く。
 ヤオはもちろん、ロゥリィ、テュカもその発言に突っ込みを入れなかった。『ぱぷて●す』などと言われても、それが何を意味しているかさっぱり理解できなかったからだ。
 伊丹のボケ発言に、親切に応じることが出来たのはレレイだけである。

「シロッコとは、西方砂漠を横断おうだんしてやってくる非常に細かい砂を含んだ風のこと。決して、『ぜーた』の女ったらし傲慢男ごうまんおとこのことではない」
「日本で言えばPM2・5とか、黄砂こうさみたいなもんか。だからこの町じゃあ、誰も外を出歩いてないし、町中の窓も閉め切られているんだな」
「町が寂れているように見えるのは、この町にシロッコに対する備えがなかったからと推測すいそくされる。このあたりにまでシロッコが届くことは珍しいから」

 雪国の家屋が雪に備えた構造を持っているように、こうした砂風が常時吹き荒れているなら、この町全体がシロッコに対する備えを有しているはず。それがなかったからこそ、突然の異常気象に対処できず、町はこのような寂れた光景になってしまったのだ。

「しようがない。風が止んだタイミングを見計らって外に出るけど、一応四人とも外套がいとうを着ておけよ。モロに被ったら自慢の肌が砂だらけになっちまうぞ」

 伊丹の言葉を受けて、ヤオ達は荷物から旅着を取り出して砂に対する防備を固め始めた。
 ヤオはかばんから旅着を取り出すとボンテージ鎧の上からそれをまとっていく。それは、初めてアルヌスにやってきた時に着ていたダークエルフの旅装束だ。
 それに対してレレイは、魔導師のローブの上から厚手の麻製頭巾付のマントをすっぽりと被った。
 これは立ち上がると足のくるぶしまですそが覆うデザインで、頭巾を目深に被ったら種族不明、性別不詳にまで身体を隠してくれる。これを、ロゥリィも黒ゴス神官服の上から、テュカもローライズのジーンズにヘソ出しのピタTという町行きのよそおいの上から、それぞれ着込んでいった。
 レレイ、テュカ、ロゥリィがお揃いなのは、この旅のために同時にあつらえたからだ。
 三人とも髪を砂から守るために頭巾を目深に被ったから、正体不明の集団に見えるだろう。何かの巡礼団とでも思ってもらえればおんの字なのだが、夜の町を迂闊うかつ徘徊はいかいするとあやしい集団と思われてしまうかも知れないので気をつける必要がある。
 最後に伊丹だが、この男も砂塵避さじんよけに私物の麻製マントを用意していた。
 ただしレレイ達と違い、その裾はももあたりまでの短いたけになっている。動きやすさを重視し、ゴテゴテとした装備を砂や雨などから守ることのみを目的にしていた。

「拳銃があるから小銃は持っていかなくてもいいか。砂で汚すと分解清掃せいそうが大変だし……」

 伊丹はそんなことを言いながら、右腿の拳銃の入ったホルスターを確かめていた。

「主殿、そんな装備で大丈夫か?」

 ヤオは問いかけた。
 この世界では武器を携えるということは、攻撃されたら断固だんことして反撃するという意思表明である。そうすることが、たかで隙あらばと獲物を探すならず者に対する牽制けんせいとなる。だからこそ特地では兵士や騎士でもないのに武装している者がいるのだ。
 それだけにヤオはもっと大きな、いかにも武器に見える装備を身に着けるべきだと提案した。
 だが伊丹はかぶりを振った。

「大丈夫だ。問題ない」

 使えない得物を持ってもしようがない。いざとなったらこれで充分と拳銃を指差している。
 確かに伊丹の言う通りなのだが、問題は伊丹の携行けいこうする拳銃を武器だと認識する者がいないことだ。伊丹が身に着けているもので武器だと周囲から思われるのは、腰の銃剣くらいだ。

虚仮威こけおどしというのも馬鹿ばかにならないぞ。そうだ、鉄の逸物いちもつを持ち歩いたらどうだ?」

 ヤオは後部座席に置いてある110㎜個人携帯対戦車弾――通称LAMを持ち上げた。これなら周囲に対して得体の知れない威圧感を放つこと請け合いだ。

「やめてくれよ、十三キロもあるんだぞ。んなもん重くていちいち持って歩けないから。……よし、風が止んだ。みんな出るぞ。いっせーので、下車!」

 服装を整えた伊丹達は、号令で一斉に高機動車から降りた。だがドアを閉じた途端、不意を突くように砂を含んだ風が勢いを増した。

「うわっ、また来た」
「早く店に!」

 横殴りに砂が吹きつけ、わずかに露出している手首やら顔に激しく当たって痛い。そのため、五人とも逃げるようにして食堂に駆け込んだのだった。
 食堂の入り口は毛布がカーテンのように三重に下げられ、風と一緒に中に砂が侵入することを防いでいた。おかげで店内には光も入らず、まだ昼だというのにいかがわしい店ででもあるかのように薄暗くなっていた。
 最初に夜目よめの利くヤオが、立て付けの悪い木製の床を踏み鳴らしながら入る。
 意外にも店内は広かった。百人ぐらいの客でも収容できそうなほどの数のテーブルと椅子いすが並べられている。
 といっても今は客が少ない。店の規模に比べたらガラガラと言っても良い状況だ。
 照明は、壁の各所に掛けられた数十本の松明たいまつ。しかし店全体を照らすには十分でないため、店内の出入り口と、奥まったところにあるカウンター周辺をはじめ、限られた範囲はんいを重点的に照らすように配置されていた。
 カウンターでは店の主人らしき男が皿を洗っている。
 店の主人は、入ってきた客をジロリとにらみながら叫んだ。

「入るならそこで、砂を払ってからにしてくれ!」

 ヤオに続いてロゥリィ、テュカ、レレイ、少し遅れて伊丹が店内に入ってくる。伊丹が遅れたのは風にあおられたレレイが転びそうになったからで、それを助けていたのだ。

「すっごい風だったなあ」

 店の主人の言葉に従い、入り口で互いの外套についた砂を払い合った。
 暗い店内には、ならず者めいた容貌ようぼうの男達が六名。
 全員ヒト種で、その内の四人はカウンター近くのテーブル席でカードゲーム中。二人はカウンター席で店主に向かって何やら話しかけている。
 あと数人ほど暗がりに気配があるが、人数までは確認できない。
 皆から向けられた値踏みするような視線から感じられるのは、負の感情。つい今しがた、老人から出て行けという言葉を浴びせられたばかりでもあるため、ヤオはなんだか立ち入り禁止場所に踏み入ったことをとがめられているような、居心地の悪さを味わった。

「四人とも気をつけろ。我々は歓迎されてないらしい」

 ヤオは、伊丹達に注意を喚起かんきするようささやいた。
 するとテュカが頷く。

「分かったわ。様子が掴めるまでは、頭巾は被ったままにしておいたほうが良いわね」

 レレイがそれに続いて無言、無表情で頷いた。

「けど、変よねぇ」

 ロゥリィだけが首をかしげて訝しがっていた。伊丹はその理由をたずねる。

「どうしてだ?」
「この町は北に向かう街道筋にあるのよぉ。普通そんな町はぁ行商人の中継地点になるはずよぉ。外来者で成り立っている町がぁ、外来者を嫌うはずがないのよぉ」
「なるほど。そう言えばそうだよな」

 ロゥリィの解説に伊丹も頷く。町としてはそれほど大きいわけでもないのに、しっかりした色街があるのはそれが外来者向けだからなのだ。
 ヤオは状況を総括そうかつした。

「にもかかわらずこの町は余所者よそものを歓迎してない。寂れているのは砂風のせいばかりじゃなく、この雰囲気に客が寄りつかなくなったからか?」

「余所者を歓迎しない理由が疑問」とレレイ。
「何か事情があると考えた方がいいわね」とテュカ。
 四人のまとめに頷いた伊丹は、レレイの抱える水用ポリタンクを取り上げながら言った。

「分かった。そのあたりの事情を店の人間に聞いてくるよ。みんなはその間に席を確保して座って待っててくれ」

 ヤオが片目を閉じながら答えた。

「出口の近くにだな?」

 出口の近くを選ぶ理由は、万が一の時に素速く逃げ出せるようにしておくためだ。
 男一人に女四人という集団は、やっかみもあってか酔漢すいかんの注目を浴びやすい。おかげでこれまでにも食事中に絡まれたことは、一度や二度では済まなかったのだ。

「ロゥリィが胸にでも看板をぶら下げてれば、絡んでくる酔っ払いもいないでしょうに」

 テュカが嫌みったらしくうそぶく。
 するとロゥリィはハルバートの石突いしづきで床を軽く叩いた。

「これがあるでしょ。それでも分からないやからはぁ、看板をぶら下げたって分からないわよぉ」

 黒ゴス神官服と巨大なハルバートは、漆黒しっこく亜神あしん、ロゥリィ・マーキュリーの言わばトレードマーク。この巨大な神鉄のかたまりを軽々と持ち運んでいる段階で、ただ者じゃないと一目置いてくれれば物事は簡単なのだ。
 しかし酔っ払った腕自慢は、それを見てロゥリィの正体を想像するよりも先に、『喧嘩上等けんかじょうとう』の挑戦状だと思ってしまうものらしい。
 ロゥリィも、テュカもレレイも、そしてヤオ自身もだが、丁寧ていねいな物腰の相手には丁寧に、乱暴な相手には乱暴に対処する気性だから、酔漢が複数名いたりすると、下手をすれば店全体を巻き込んだ乱闘へと発展する。そしてその結果、酔っぱらい達ばかりでなく、店にとってもご愁傷様しゅうしょうさまとしか言いようのない事態になってしまうのだ。
 その都度後始末に奔走ほんそうさせられる伊丹が言う。

「みんな口に出さなくても分かるようになってくれて嬉しいよ。けど、どうせ配慮をしてくれるなら争い事を起こさない方向へと進めてもらえないかな?」


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