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4.家政夫、欲求不満の乳首を食べる
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小さな空間で、大夢の体温を感じる。
市井は動けないまま大夢にくっつかれていた。
いくら連れションだと言われても、これはその域を超えてはいないだろうか。
閉じたドアと便器までの僅かな場所に、男二人が向かい合って立つ様は、もはや密着状態に等しい。
「あの、八木沢さま……、でも、これだと狭くて、とても用を足せない……」
冗談だとしたらこれはなかなか新しいな、と動揺しつつも、大夢の急接近が不快なわけもなく、この状況でも市井は、押しのけることもせずに笑顔で大夢のつむじを見下ろしていた。
(八木沢さま、あったかいなぁ)
人肌の心地よさに抱き寄せてしまいそうで、市井はむしろソッチの方向で堪えなければいけない。
大夢の頭の上で、一人で状況を呻きつつも楽しむ市井。その胸に頭を押し付けていた大夢が、無言のまま、更に一歩前へ足を踏み込んだ。
「わっ、わっ、八木沢さまっ」
先に個室へ押し込められた位置にいた市井が、大夢の圧に負けて膝裏を折られ、便座にトスンと腰掛けてしまう。
先ほど佐藤が用を足した後にフタを下ろしてくれていて助かったが、ズボンを履いたまま便座に座るというのは妙な感覚だ。
「え、えーっ、俺が先なんですか? あの、でも、フタを開けないとさすがに無理かもー、なんて、ははっ」
大夢がいつまでこの冗談を続けるつもりなのかは分からないが、自分が先に用を足す方にされるのは真面目に困る。
(佐藤さんと俺がトイレに行ってる間に、八木沢さまがひとりで飲んだにしても、多分まだ四本目くらいだ。酔ってはいるんだろうけど泥酔してるワケではなさそうだし……)
ならばやはり意識はほどほどにしっかりしているはずだ。
(とにかくここへ連れて来られた理由があるんだろうな)
先程、佐藤と話している途中で、急に席を立った大夢の行動のわけを、まずは聞き出そうと思った。だが、座った市井のちょうど目線の高さにあったモノを見て、とんでもない状況の大夢がいることに気づかされる。
「や……ぎ沢さま、あの、……勃って、ません?」
市井の顔の真向かいで盛り上がっているのは、確かに大夢のそれだ。
「……っ」
市井に気づかれて覚悟を決めたのか、大夢は市井の両肩に左右の手をそれぞれ置いて、グっと掴むと思い切って打ち明けた。
「お願い、市井さんっ。こ、こんな状態ッ、男なら分かってくれるんでしょっ? 佐藤のせいで全然出せてなかったんですっ。だから、も、俺、限界で……っ」
いつぞやに市井が言っていた言葉を使って、大夢は切羽詰まった状況を一気にまくし立てる。
恥ずかしさと情けなさに、顔を見合わせてなんてとても言えなかったから、頭を下げる体で下を見たまま懇願した。
大夢の潤む瞳は重力で涙を落としそうになるし、鼻がジンとして、吐息まで熱っぽくなっていく。
(こんなことで泣きそうになるなんてっ。でもっ、佐藤はなんかまた帰りそうにないし、正直に理由話したら、余計に面白がるだろうしッ。もう市井さんに頼るしか、アイツ帰らせる方法が思いつかないしっ)
大夢の頭の中は時間が経てば経つほど〝射したい〟で一杯になってきていて、あれ以上喋っていたら、きっと〝佐藤、とにかく帰れ〟なんていう身もフタもない喧嘩腰な言葉をぶつけてしまいそうだった。だから市井ならば、この身に起こっている惨状を伝えれば、きっと上手く佐藤を誘導してくれる、そんな最後の切り札になってくれる、そう思えたのだ。
「全然出してないって……要するに……コレの処理ってこと、ですよね……?」
市井が自分の股間を遠慮がちに指差して戸惑っている様子が見てなくても分かって、大夢は耳まで赤くしてコクコクと頷く。
市井は市井で、質問に対して返事が来たのに、余計に首をひねるばかりだ。
(ん? え? どういうこと? 射精してないのが佐藤さんのせいって……)
年末からの冬季休みに、この小さな部屋でいい歳をした恋人同士が過ごして、全然出してないとは何事か。
「……あの、佐藤さんが八木沢さまの家に来てからずっと、ってことですか? 一度も?」
しつこいように思ったが再度確認すると、大夢はさっきと同じように頭をウンウンと頷かせる。市井は俄かに信じられなくて目を大きくした。
(えーっ、なにソレっ。二人で休みの間中ヤリまくってると思ってたのに、そーだったんですかっ?)
「……でも、あれ? えーっと……じゃあ、佐藤さんも八木沢さまと同じような状態なんですか?」
佐藤のことはどうでもよかったが、大夢がこうなのだから、佐藤もそうでないとおかしいのではないか。しかし、今日の佐藤を見ていても、大夢のような切迫感はどの場面でも微塵もなかったようだが。むしろ、大夢に欲情する自分はおかしいのか、と質問されるくらい、佐藤は大夢に発情してしまっている。
そう思って言葉に出したら、大夢が直ぐに理由を教えてくれた。
「佐藤は、風呂場でもトイレでも、好きに出してたんでッ」
佐藤の自己申告を大夢はそのまま伝えたつもりだったが、市井にはそういう意味で理解はされない。
(んんー? つまりそれって、風呂場でもトイレでもエッチして、佐藤さんだけ出してったってことか?)
「って、エエッ!? 佐藤さんだけで、八木沢さま出してないんですかっ? いやっ、でも流石にずっとそれはナイでしょっ!」
大夢が思っていた以上に市井が驚きの声を上げたが、大夢にはようやく自分の苦しみを分かってくれた同調による驚きの声に聞こえている。だから理解者が現れた安堵に、声を震わせて答えた。もう泣きそうだった。
「そうなんですっ。ずっとッ! 佐藤っ、来てからッ、ずっと! ずっと! だからっ、俺の苦しみっ、分かるでしょっ? うぅ~ッ、市井さーんっ」
「いや、それはツライですよ!」
お尻を刺激される快感は全く分からないが、セックスして気持ちよくなっているのに吐精できない日がずっと続く苦しみなんて、想像するだけで憐れだ。
(ひとりで処理する俺の日々だってたいがい虚しいけど、身体を重ねてるのに出すことができないってのもちょっと可哀想なプレイだなぁ。まぁ、二人が望んでいるなら大きなお世話だろうけど……)
そう思って、ふと、人の世話を焼いている自分が、最近は右手のお世話にばかりなっていることに気づく。
(あれ、そーいえば俺って、いつからしてないっけ? 八木沢さまに会ったのが九月で……海に行ったのはその前だから……)
夏の思い出は随分遠い。
「……俺、五ヶ月くらいしてないのか?」
人を憐れむ前に、自分がご無沙汰な事が分かって、溜息と一緒に言葉が出てしまった。
そんな言葉に大夢が驚きの表情で食い付く。
「えっ?! 市井さん、五ヶ月も出してないんですかっ」
自分より可哀想な人がいるのか、と涙を浮かべた顔を上げて大夢が見つめてきて、市井はとんでもない勘違いをされたと慌てて訂正する。
「あっ、いえいえっ、出すことは出してますけど、女の子と……つまりセックスをしてないという意味で……」
率直に言葉にした分、大夢はすぐに誤解に気づいたが、逆に勘違いした事に気付かされて、盛大に羞恥に襲われた。
驚きの表情から一変して、一瞬でも市井と同類だと喜んだ馬鹿な自分に恥ずかしさと怒りが混じって顔を真っ赤にさせている。
「ず、ずるいッ。お、俺は、一人で出すことすら出来ないって話なのにっ。そ、そんな話だったら俺なんて二十五年ですよっ。酷いっ!」
「酷いって……」
それは自分が挿入する側でないからなのでは、とは思っても言えない。
(でも俺からしたら、挿れる挿れられる、出す出さないは一旦置いておくとして、身体を合わせられる相手がいることの方が、幸せだと思いますよ)
そんな二人を見てジェラシーを持ってしまう虚しさは、きっと今自分に恋人がいないからだと、市井は改めて感じる。
(って、俺の話はどうでもよくて)
ずるい、酷い、と拗ねだした大夢の頭を撫でて落ち着かせながら、市井はどうやってこの場を鎮めるか考える。
「とにかくですね、まずは八木沢さまのソレをスッキリさせましょう。だから俺は——」
部屋に戻りますね、と続けたかったが、それは大夢の言葉に遮られた。
「だからっ、お願い市井さん! 手伝って……ッ」
「……はい?」
佐藤を帰宅させたい趣旨の説明を聞かないままトイレから出ようとする市井に、大夢は本題を伝えなければと、更に肩を掴む力を強めて押さえつける。
そんな大夢の言葉が、まるで違う意味で市井には聞こえてしまうのはしょうがない。
二人の真面目な思考が、言葉足らずな勘違いをしたまま進んでいく。
「あの……八木沢さま、手伝ってって……一体ナニを手伝えば……」
遠慮がちにそれとなく伺ってみたら、大夢が崩壊した。
「佐藤も市井さんも……っ、出してるのに、俺だけっ、俺ばっかりっ。……出せてないぃぃ……ずるいーっ」
「わあぁ、そんなことで男が泣いちゃダメですって」
「だってッ。気のせいなんでしょうけどっ、あまりにも出さなくて、タマも先っちょもなんか痛いしっ。それなのに、二人はちゃんとスッキリしてるしっ。俺ばっかり、今日ずっと悶々してるし……ッ。市井さんに勃ってるのも見せなきゃだめだしっ」
「俺に見せたのなんて気にしなくていいんですよっ。ただの生理現象ですっ。男なら誰だって起きるんですからっ」
「じゃあ、俺だって出したいぃぃッ」
「いや、なんで出さないんですかっ!?」
ド正論で突っ込んでみたら、大夢が正気に戻ったのかハッとしたあと、しょぼんと項垂れてしまった。
「だって……」
市井が言うように、出したければ致せばいいのに、それが出来ないのは、ひとりで集中して耽りたくても、佐藤がいるせいで気が散って出来ないからだ。
(だけどそんなこと正直に話したら、俺ってめちゃくちゃむっつり淫乱みたいじゃないかっ)
そろりと視線を上げて市井を見れば、こんな話題を真剣に聞いてくれて、大夢の言葉の続きを待ってくれている。
(市井さんやっぱりすごく良い人だ。それなのに俺はその市井さんに対してだって、やらしい夢を見てるし、今だって自分の体裁ばかり考えてる……)
市井には散々情けない姿を晒し続け、その度に受け入れてもらっていたことを色々思い出して、もう今更取り繕う自分なんてどれほど価値があるのだろうかと思えてくる。
「だって……」
「はい」
市井の優しい声に背中を押される思いで、大夢は勇気を振り絞った。ただ、ずっと熱を持ったままで待機させられていた股間が解放を待ちわび過ぎて、ちょっと急ぎ足で話を端折らせる。
「だって、佐藤ぉッ(が居ては出来なくて)、……とにかく(俺の代わりに佐藤を追い出すことを)、市井さんに手伝って、欲しい……っ。ごめんなさいぃ。俺、スゴく淫乱ですぅ……ッ」
だからカッコの中は言いたかったが市井には届いていない。
そんなことを勃起した大夢から涙ながらに言われれば、市井がとってしまった行動を誰が責められるだろうか。
「わ……分かりました」
そう短く返事をした市井は、そっと大夢を引き寄せ、自分の脚を跨がせるように座らせる。
大夢は市井が了承してくれたことに安堵して、されるがまま腰を下ろした。
「あの、八木沢さま。その……俺がしても、泣かないでください、ね……」
以前、大夢に触って泣かれた経験から、市井はこれ以上のトラウマを嫌って、釘をさす。
大夢は市井の言葉に、一体どんな手を使って佐藤を帰らせるつもりなのかと首を傾げつつもゆっくり頷いた。
そして、至近距離で二人が向かい合うと、首を傾げて待っている大夢の、小さく尖った右の胸の突起を、市井はシャツの上からパクリと食べた。
「んァッ!」
思いもよらない市井の行動に、思わず大夢が声を上げる。
だが市井はその反応は予測していたのか、怯むことなく更に吸い付き、クチュクチュと音がたつほど唾液でシャツを濡らし続けた。
「ヤッ、あのっ、ン……、市井、さんッ」
市井の柔らかな髪が胸元で揺れているデジャビュに、大夢は驚きながらも、夢で見るほど望んだ、市井からの胸への愛撫の快感に戸惑う。
「硬くなってきてます……」
吸い付くのを止めて、透けたシャツの下で赤く浮き上がる粒を舌先でグリグリしながら市井が大夢を見上げる。
「ッ、そこ、やだ……市井さんっ」
どうして突然市井がこんなことをし出したのか分からないまま、大夢は興奮に荒くなる呼吸と声を必死で抑えた。小声でする抵抗は、市井の舌を余計に踊らせているようだ。
「フッ、フぁ、……あぁッ、反対、側ぁッ、カリカリしない、でっ。いやぁッ」
右ばかりに気をとられている間に、左の乳首を見つけられ、爪先で小刻みに弾かれる。その度にビクビクと胸を震えさせて身体が快感に応えて捩れてしまう。
「嫌、じゃなさそうですよ。ほら、八木沢さまも胸を突き出してきてる。よかった。俺が手伝えることはするんで、遠慮しないでちゃんと気持ちよくなってください」
市井の言葉に、大夢は二人の間にある勘違いにようやく気付いた。
「い、市井さんっ、違ッ、俺……あンンッ、ンーっ! なんでっ、俺、胸こんなに……っ」
「強めに捻られるの好きですよね。分かってます。次は左も。八木沢さま敏感だから最初は優しくしますけど、ちゃんと強めにもイジメますから」
「ちょ、チョット待って、そンなこと、どーして知って……っンァ、や、ぁ。シャツ、また透けちゃうぅ……ッ」
「ん、右も左も、シャツ脱いでないのに、乳首だけちゃんと見えてますね。可愛い……」
大夢のお願いで勘違いして、ここまでしてくれている市井を無下にも出来ず、それどころかどんどん下腹部を充血させている状況に、大夢はいよいよ認めざるを得なかった。
「俺、やっぱり、淫乱だ……っ」
呻いて、両腕で顔を隠す大夢に、市井は両の親指でやわやわと突起をそれぞれ揉みながら、大夢が佐藤への罪悪感と戦っているのだろうと察してやる。快楽に乳首を尖らせても理性と抗う大夢の姿に、市井も熱を呼び起こされて、思わず抱きしめて唇を奪ってしまいたくなった。それを実行しないのは、大夢に確認をしなくてはいけないからだ。
「ところで八木沢さま、キスはもう済ませましたか?」
大夢にとっては唐突に出された質問だった。だが、市井が大夢をからかう為にすることはないと分かっていたから、大夢は熱に浮いたような目で市井を見下ろし、素直にフルフルと首を横に振った。
市井は、射精もさせないどころか、未だにファーストキスも済ませていない佐藤と大夢の関係に顔を曇らせたが、気を取り直して話しかける。
「本当に淫乱な人は、気持ちよくなるなら好きとか嫌いとか、そんなことどうでも良いらしいですよ。だから、八木沢さまは、唇は好きな人にだけって決めて、守ればいいんです。そんな八木沢さまは、淫乱なんかじゃないです。だから、これは今だけの応急処置みたいなもので、俺は手伝っているだけなんで、利用すればいいんです」
「でも、それじゃ、市井さんが損してるだけ……」
この状況でまだ申し訳なさそうにしている大夢に、市井は苦笑した。
「八木沢さまの反応は可愛いので、俺は俺で楽しんでますよ」
男で楽しめるもなにも、と思ったが、市井の言葉を思い出した。
「あ……、五ヶ月もしてない、から……?」
女性の身体を知っている市井では、知らない自分より飢えが大きいのかもしれない。だからこういう状況になって、男の自分でも楽しく見えてくるのだろうか。
(少しでも、市井さんが苦痛でなければいいな……)
不安そうな大夢の視線に気づいて、安心させるように市井が微笑む。
「それはナイショにしててください。ほら、もう集中して。うんと優しくイジメてあげます。さっきの気持ちよかったでしょ?」
そう言って、摘んだり引っ掻いたりして大夢の熱を再び上げる。
戸惑って瞳を揺らす大夢と視線を合わせながら、市井が見せつけるように舌を這わせてからチュっと粒を吸う。
視覚も淫靡だが、市井の唇がたてる、濡れた音が大夢を一番欲情させた。
「うん……イジメて。ん……アッ、右も強くして欲し……んーッ。い、市井さん、俺、スゴく胸が、気持ちいい……っ」
膝の上で腰を捩る大夢の胸に吸い付き、摘まみながら、市井は大興奮の最中にいた。
(もうどうしてこうなったのかワケ分かんないけど、泥酔じゃない八木沢さまに愛撫してるよっ! イジメてあげますって、俺、何言ってんの? って思ったけど、イジメてって八木沢さま言ったし! 超可愛い! めちゃくちゃイジメたい! ほんと何でこんな状況になったんだッ?)
突起を可愛がるたび、声を殺して喘がれれば、我を忘れて突き進みたくなってしまうのは、男の性だ。シャツのボタンを外してダイレクトに乳首を口に含んで大夢が喘いだ時には、耳元で天使がラッパを吹いた音も一緒に聞こえた。
「い、市井……さ、俺、も、出そうだからぁ……アァっ、市、井さん、市井さんッ」
そう名前を連呼されて我に返った市井が目にしたのは、肌けたシャツの中で、唾液にまみれテラテラと濡れた乳首をピンク色に染めた、蕩けたカオの大夢の乱れ姿だった。
「やっぱり……市井さん、スゴい……」
息を荒げ、うわ言のように呟いた大夢が、色気たっぷりの表情で名残惜しそうに立ち上がる。そして、最終処理のため、ふらふらと覚束ない足取りで風呂場に向かっていった。
トイレに取り残された市井は、寒さに震え上がってリビングに戻ると、出来るだけ嘘をつかないように、佐藤へ大夢がトイレで汚れて風呂に行ったことを手短に伝える。
「え、漏らしたの?」
「いや、主に(俺の)ヨダレです……」
「なんだ、また吐いたのかよ。んー、じゃあ、もう今日は帰るかー」
こうして、結果的に佐藤は帰宅することになり、大夢の穏やかな暮らしは取り戻されることとなったのだが、スッキリした顔をした風呂上がりの大夢に見送られ、最寄り駅で佐藤と別れたあとも市井の心は全然穏やかじゃなかった。
(今夜は絶対二回するっ! めちゃくちゃイジメちゃう!)
その日、気を失うように眠りにようやく落ちるのが四回目の吐精後になる事を、缶コーヒーを買った市井は、まだ知らない。
……to be continued
市井は動けないまま大夢にくっつかれていた。
いくら連れションだと言われても、これはその域を超えてはいないだろうか。
閉じたドアと便器までの僅かな場所に、男二人が向かい合って立つ様は、もはや密着状態に等しい。
「あの、八木沢さま……、でも、これだと狭くて、とても用を足せない……」
冗談だとしたらこれはなかなか新しいな、と動揺しつつも、大夢の急接近が不快なわけもなく、この状況でも市井は、押しのけることもせずに笑顔で大夢のつむじを見下ろしていた。
(八木沢さま、あったかいなぁ)
人肌の心地よさに抱き寄せてしまいそうで、市井はむしろソッチの方向で堪えなければいけない。
大夢の頭の上で、一人で状況を呻きつつも楽しむ市井。その胸に頭を押し付けていた大夢が、無言のまま、更に一歩前へ足を踏み込んだ。
「わっ、わっ、八木沢さまっ」
先に個室へ押し込められた位置にいた市井が、大夢の圧に負けて膝裏を折られ、便座にトスンと腰掛けてしまう。
先ほど佐藤が用を足した後にフタを下ろしてくれていて助かったが、ズボンを履いたまま便座に座るというのは妙な感覚だ。
「え、えーっ、俺が先なんですか? あの、でも、フタを開けないとさすがに無理かもー、なんて、ははっ」
大夢がいつまでこの冗談を続けるつもりなのかは分からないが、自分が先に用を足す方にされるのは真面目に困る。
(佐藤さんと俺がトイレに行ってる間に、八木沢さまがひとりで飲んだにしても、多分まだ四本目くらいだ。酔ってはいるんだろうけど泥酔してるワケではなさそうだし……)
ならばやはり意識はほどほどにしっかりしているはずだ。
(とにかくここへ連れて来られた理由があるんだろうな)
先程、佐藤と話している途中で、急に席を立った大夢の行動のわけを、まずは聞き出そうと思った。だが、座った市井のちょうど目線の高さにあったモノを見て、とんでもない状況の大夢がいることに気づかされる。
「や……ぎ沢さま、あの、……勃って、ません?」
市井の顔の真向かいで盛り上がっているのは、確かに大夢のそれだ。
「……っ」
市井に気づかれて覚悟を決めたのか、大夢は市井の両肩に左右の手をそれぞれ置いて、グっと掴むと思い切って打ち明けた。
「お願い、市井さんっ。こ、こんな状態ッ、男なら分かってくれるんでしょっ? 佐藤のせいで全然出せてなかったんですっ。だから、も、俺、限界で……っ」
いつぞやに市井が言っていた言葉を使って、大夢は切羽詰まった状況を一気にまくし立てる。
恥ずかしさと情けなさに、顔を見合わせてなんてとても言えなかったから、頭を下げる体で下を見たまま懇願した。
大夢の潤む瞳は重力で涙を落としそうになるし、鼻がジンとして、吐息まで熱っぽくなっていく。
(こんなことで泣きそうになるなんてっ。でもっ、佐藤はなんかまた帰りそうにないし、正直に理由話したら、余計に面白がるだろうしッ。もう市井さんに頼るしか、アイツ帰らせる方法が思いつかないしっ)
大夢の頭の中は時間が経てば経つほど〝射したい〟で一杯になってきていて、あれ以上喋っていたら、きっと〝佐藤、とにかく帰れ〟なんていう身もフタもない喧嘩腰な言葉をぶつけてしまいそうだった。だから市井ならば、この身に起こっている惨状を伝えれば、きっと上手く佐藤を誘導してくれる、そんな最後の切り札になってくれる、そう思えたのだ。
「全然出してないって……要するに……コレの処理ってこと、ですよね……?」
市井が自分の股間を遠慮がちに指差して戸惑っている様子が見てなくても分かって、大夢は耳まで赤くしてコクコクと頷く。
市井は市井で、質問に対して返事が来たのに、余計に首をひねるばかりだ。
(ん? え? どういうこと? 射精してないのが佐藤さんのせいって……)
年末からの冬季休みに、この小さな部屋でいい歳をした恋人同士が過ごして、全然出してないとは何事か。
「……あの、佐藤さんが八木沢さまの家に来てからずっと、ってことですか? 一度も?」
しつこいように思ったが再度確認すると、大夢はさっきと同じように頭をウンウンと頷かせる。市井は俄かに信じられなくて目を大きくした。
(えーっ、なにソレっ。二人で休みの間中ヤリまくってると思ってたのに、そーだったんですかっ?)
「……でも、あれ? えーっと……じゃあ、佐藤さんも八木沢さまと同じような状態なんですか?」
佐藤のことはどうでもよかったが、大夢がこうなのだから、佐藤もそうでないとおかしいのではないか。しかし、今日の佐藤を見ていても、大夢のような切迫感はどの場面でも微塵もなかったようだが。むしろ、大夢に欲情する自分はおかしいのか、と質問されるくらい、佐藤は大夢に発情してしまっている。
そう思って言葉に出したら、大夢が直ぐに理由を教えてくれた。
「佐藤は、風呂場でもトイレでも、好きに出してたんでッ」
佐藤の自己申告を大夢はそのまま伝えたつもりだったが、市井にはそういう意味で理解はされない。
(んんー? つまりそれって、風呂場でもトイレでもエッチして、佐藤さんだけ出してったってことか?)
「って、エエッ!? 佐藤さんだけで、八木沢さま出してないんですかっ? いやっ、でも流石にずっとそれはナイでしょっ!」
大夢が思っていた以上に市井が驚きの声を上げたが、大夢にはようやく自分の苦しみを分かってくれた同調による驚きの声に聞こえている。だから理解者が現れた安堵に、声を震わせて答えた。もう泣きそうだった。
「そうなんですっ。ずっとッ! 佐藤っ、来てからッ、ずっと! ずっと! だからっ、俺の苦しみっ、分かるでしょっ? うぅ~ッ、市井さーんっ」
「いや、それはツライですよ!」
お尻を刺激される快感は全く分からないが、セックスして気持ちよくなっているのに吐精できない日がずっと続く苦しみなんて、想像するだけで憐れだ。
(ひとりで処理する俺の日々だってたいがい虚しいけど、身体を重ねてるのに出すことができないってのもちょっと可哀想なプレイだなぁ。まぁ、二人が望んでいるなら大きなお世話だろうけど……)
そう思って、ふと、人の世話を焼いている自分が、最近は右手のお世話にばかりなっていることに気づく。
(あれ、そーいえば俺って、いつからしてないっけ? 八木沢さまに会ったのが九月で……海に行ったのはその前だから……)
夏の思い出は随分遠い。
「……俺、五ヶ月くらいしてないのか?」
人を憐れむ前に、自分がご無沙汰な事が分かって、溜息と一緒に言葉が出てしまった。
そんな言葉に大夢が驚きの表情で食い付く。
「えっ?! 市井さん、五ヶ月も出してないんですかっ」
自分より可哀想な人がいるのか、と涙を浮かべた顔を上げて大夢が見つめてきて、市井はとんでもない勘違いをされたと慌てて訂正する。
「あっ、いえいえっ、出すことは出してますけど、女の子と……つまりセックスをしてないという意味で……」
率直に言葉にした分、大夢はすぐに誤解に気づいたが、逆に勘違いした事に気付かされて、盛大に羞恥に襲われた。
驚きの表情から一変して、一瞬でも市井と同類だと喜んだ馬鹿な自分に恥ずかしさと怒りが混じって顔を真っ赤にさせている。
「ず、ずるいッ。お、俺は、一人で出すことすら出来ないって話なのにっ。そ、そんな話だったら俺なんて二十五年ですよっ。酷いっ!」
「酷いって……」
それは自分が挿入する側でないからなのでは、とは思っても言えない。
(でも俺からしたら、挿れる挿れられる、出す出さないは一旦置いておくとして、身体を合わせられる相手がいることの方が、幸せだと思いますよ)
そんな二人を見てジェラシーを持ってしまう虚しさは、きっと今自分に恋人がいないからだと、市井は改めて感じる。
(って、俺の話はどうでもよくて)
ずるい、酷い、と拗ねだした大夢の頭を撫でて落ち着かせながら、市井はどうやってこの場を鎮めるか考える。
「とにかくですね、まずは八木沢さまのソレをスッキリさせましょう。だから俺は——」
部屋に戻りますね、と続けたかったが、それは大夢の言葉に遮られた。
「だからっ、お願い市井さん! 手伝って……ッ」
「……はい?」
佐藤を帰宅させたい趣旨の説明を聞かないままトイレから出ようとする市井に、大夢は本題を伝えなければと、更に肩を掴む力を強めて押さえつける。
そんな大夢の言葉が、まるで違う意味で市井には聞こえてしまうのはしょうがない。
二人の真面目な思考が、言葉足らずな勘違いをしたまま進んでいく。
「あの……八木沢さま、手伝ってって……一体ナニを手伝えば……」
遠慮がちにそれとなく伺ってみたら、大夢が崩壊した。
「佐藤も市井さんも……っ、出してるのに、俺だけっ、俺ばっかりっ。……出せてないぃぃ……ずるいーっ」
「わあぁ、そんなことで男が泣いちゃダメですって」
「だってッ。気のせいなんでしょうけどっ、あまりにも出さなくて、タマも先っちょもなんか痛いしっ。それなのに、二人はちゃんとスッキリしてるしっ。俺ばっかり、今日ずっと悶々してるし……ッ。市井さんに勃ってるのも見せなきゃだめだしっ」
「俺に見せたのなんて気にしなくていいんですよっ。ただの生理現象ですっ。男なら誰だって起きるんですからっ」
「じゃあ、俺だって出したいぃぃッ」
「いや、なんで出さないんですかっ!?」
ド正論で突っ込んでみたら、大夢が正気に戻ったのかハッとしたあと、しょぼんと項垂れてしまった。
「だって……」
市井が言うように、出したければ致せばいいのに、それが出来ないのは、ひとりで集中して耽りたくても、佐藤がいるせいで気が散って出来ないからだ。
(だけどそんなこと正直に話したら、俺ってめちゃくちゃむっつり淫乱みたいじゃないかっ)
そろりと視線を上げて市井を見れば、こんな話題を真剣に聞いてくれて、大夢の言葉の続きを待ってくれている。
(市井さんやっぱりすごく良い人だ。それなのに俺はその市井さんに対してだって、やらしい夢を見てるし、今だって自分の体裁ばかり考えてる……)
市井には散々情けない姿を晒し続け、その度に受け入れてもらっていたことを色々思い出して、もう今更取り繕う自分なんてどれほど価値があるのだろうかと思えてくる。
「だって……」
「はい」
市井の優しい声に背中を押される思いで、大夢は勇気を振り絞った。ただ、ずっと熱を持ったままで待機させられていた股間が解放を待ちわび過ぎて、ちょっと急ぎ足で話を端折らせる。
「だって、佐藤ぉッ(が居ては出来なくて)、……とにかく(俺の代わりに佐藤を追い出すことを)、市井さんに手伝って、欲しい……っ。ごめんなさいぃ。俺、スゴく淫乱ですぅ……ッ」
だからカッコの中は言いたかったが市井には届いていない。
そんなことを勃起した大夢から涙ながらに言われれば、市井がとってしまった行動を誰が責められるだろうか。
「わ……分かりました」
そう短く返事をした市井は、そっと大夢を引き寄せ、自分の脚を跨がせるように座らせる。
大夢は市井が了承してくれたことに安堵して、されるがまま腰を下ろした。
「あの、八木沢さま。その……俺がしても、泣かないでください、ね……」
以前、大夢に触って泣かれた経験から、市井はこれ以上のトラウマを嫌って、釘をさす。
大夢は市井の言葉に、一体どんな手を使って佐藤を帰らせるつもりなのかと首を傾げつつもゆっくり頷いた。
そして、至近距離で二人が向かい合うと、首を傾げて待っている大夢の、小さく尖った右の胸の突起を、市井はシャツの上からパクリと食べた。
「んァッ!」
思いもよらない市井の行動に、思わず大夢が声を上げる。
だが市井はその反応は予測していたのか、怯むことなく更に吸い付き、クチュクチュと音がたつほど唾液でシャツを濡らし続けた。
「ヤッ、あのっ、ン……、市井、さんッ」
市井の柔らかな髪が胸元で揺れているデジャビュに、大夢は驚きながらも、夢で見るほど望んだ、市井からの胸への愛撫の快感に戸惑う。
「硬くなってきてます……」
吸い付くのを止めて、透けたシャツの下で赤く浮き上がる粒を舌先でグリグリしながら市井が大夢を見上げる。
「ッ、そこ、やだ……市井さんっ」
どうして突然市井がこんなことをし出したのか分からないまま、大夢は興奮に荒くなる呼吸と声を必死で抑えた。小声でする抵抗は、市井の舌を余計に踊らせているようだ。
「フッ、フぁ、……あぁッ、反対、側ぁッ、カリカリしない、でっ。いやぁッ」
右ばかりに気をとられている間に、左の乳首を見つけられ、爪先で小刻みに弾かれる。その度にビクビクと胸を震えさせて身体が快感に応えて捩れてしまう。
「嫌、じゃなさそうですよ。ほら、八木沢さまも胸を突き出してきてる。よかった。俺が手伝えることはするんで、遠慮しないでちゃんと気持ちよくなってください」
市井の言葉に、大夢は二人の間にある勘違いにようやく気付いた。
「い、市井さんっ、違ッ、俺……あンンッ、ンーっ! なんでっ、俺、胸こんなに……っ」
「強めに捻られるの好きですよね。分かってます。次は左も。八木沢さま敏感だから最初は優しくしますけど、ちゃんと強めにもイジメますから」
「ちょ、チョット待って、そンなこと、どーして知って……っンァ、や、ぁ。シャツ、また透けちゃうぅ……ッ」
「ん、右も左も、シャツ脱いでないのに、乳首だけちゃんと見えてますね。可愛い……」
大夢のお願いで勘違いして、ここまでしてくれている市井を無下にも出来ず、それどころかどんどん下腹部を充血させている状況に、大夢はいよいよ認めざるを得なかった。
「俺、やっぱり、淫乱だ……っ」
呻いて、両腕で顔を隠す大夢に、市井は両の親指でやわやわと突起をそれぞれ揉みながら、大夢が佐藤への罪悪感と戦っているのだろうと察してやる。快楽に乳首を尖らせても理性と抗う大夢の姿に、市井も熱を呼び起こされて、思わず抱きしめて唇を奪ってしまいたくなった。それを実行しないのは、大夢に確認をしなくてはいけないからだ。
「ところで八木沢さま、キスはもう済ませましたか?」
大夢にとっては唐突に出された質問だった。だが、市井が大夢をからかう為にすることはないと分かっていたから、大夢は熱に浮いたような目で市井を見下ろし、素直にフルフルと首を横に振った。
市井は、射精もさせないどころか、未だにファーストキスも済ませていない佐藤と大夢の関係に顔を曇らせたが、気を取り直して話しかける。
「本当に淫乱な人は、気持ちよくなるなら好きとか嫌いとか、そんなことどうでも良いらしいですよ。だから、八木沢さまは、唇は好きな人にだけって決めて、守ればいいんです。そんな八木沢さまは、淫乱なんかじゃないです。だから、これは今だけの応急処置みたいなもので、俺は手伝っているだけなんで、利用すればいいんです」
「でも、それじゃ、市井さんが損してるだけ……」
この状況でまだ申し訳なさそうにしている大夢に、市井は苦笑した。
「八木沢さまの反応は可愛いので、俺は俺で楽しんでますよ」
男で楽しめるもなにも、と思ったが、市井の言葉を思い出した。
「あ……、五ヶ月もしてない、から……?」
女性の身体を知っている市井では、知らない自分より飢えが大きいのかもしれない。だからこういう状況になって、男の自分でも楽しく見えてくるのだろうか。
(少しでも、市井さんが苦痛でなければいいな……)
不安そうな大夢の視線に気づいて、安心させるように市井が微笑む。
「それはナイショにしててください。ほら、もう集中して。うんと優しくイジメてあげます。さっきの気持ちよかったでしょ?」
そう言って、摘んだり引っ掻いたりして大夢の熱を再び上げる。
戸惑って瞳を揺らす大夢と視線を合わせながら、市井が見せつけるように舌を這わせてからチュっと粒を吸う。
視覚も淫靡だが、市井の唇がたてる、濡れた音が大夢を一番欲情させた。
「うん……イジメて。ん……アッ、右も強くして欲し……んーッ。い、市井さん、俺、スゴく胸が、気持ちいい……っ」
膝の上で腰を捩る大夢の胸に吸い付き、摘まみながら、市井は大興奮の最中にいた。
(もうどうしてこうなったのかワケ分かんないけど、泥酔じゃない八木沢さまに愛撫してるよっ! イジメてあげますって、俺、何言ってんの? って思ったけど、イジメてって八木沢さま言ったし! 超可愛い! めちゃくちゃイジメたい! ほんと何でこんな状況になったんだッ?)
突起を可愛がるたび、声を殺して喘がれれば、我を忘れて突き進みたくなってしまうのは、男の性だ。シャツのボタンを外してダイレクトに乳首を口に含んで大夢が喘いだ時には、耳元で天使がラッパを吹いた音も一緒に聞こえた。
「い、市井……さ、俺、も、出そうだからぁ……アァっ、市、井さん、市井さんッ」
そう名前を連呼されて我に返った市井が目にしたのは、肌けたシャツの中で、唾液にまみれテラテラと濡れた乳首をピンク色に染めた、蕩けたカオの大夢の乱れ姿だった。
「やっぱり……市井さん、スゴい……」
息を荒げ、うわ言のように呟いた大夢が、色気たっぷりの表情で名残惜しそうに立ち上がる。そして、最終処理のため、ふらふらと覚束ない足取りで風呂場に向かっていった。
トイレに取り残された市井は、寒さに震え上がってリビングに戻ると、出来るだけ嘘をつかないように、佐藤へ大夢がトイレで汚れて風呂に行ったことを手短に伝える。
「え、漏らしたの?」
「いや、主に(俺の)ヨダレです……」
「なんだ、また吐いたのかよ。んー、じゃあ、もう今日は帰るかー」
こうして、結果的に佐藤は帰宅することになり、大夢の穏やかな暮らしは取り戻されることとなったのだが、スッキリした顔をした風呂上がりの大夢に見送られ、最寄り駅で佐藤と別れたあとも市井の心は全然穏やかじゃなかった。
(今夜は絶対二回するっ! めちゃくちゃイジメちゃう!)
その日、気を失うように眠りにようやく落ちるのが四回目の吐精後になる事を、缶コーヒーを買った市井は、まだ知らない。
……to be continued
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