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第3章 花壇と花畑

28話 一日で色々解決してくれたプラン

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* * * * * 

「そうですか。プラン様は今日一日で、様々な問題を解決してくださったのですね」

 花の国、フラワーエデンの王女、カレストラの執務室。
 椅子に座ったカレストラは、その報告を聞いて自然に優しく微笑んでいた。

「ええ、花壇のことも、花畑のことも、プラン様のおかげで、ガラリと変わっていくと思います」

 カレストラの前に立って、そう報告したのはリーネだ。
 メイド服を着ている彼女は、現在、今日の出来事をカレストラに報告している最中だった。


 今日はいろんなことがあった。

 花壇のこと。そして、フレーシアのこと。

 ラフレシアの加護を受けて、『胞子』に悩まされていたフレーシア。
 リーネも、カレストラも、彼女のことはどうにかしたいと思い、散々手を尽くしてきた。
 しかし、良い結果が望むことができることもなく、今日まで彼女のために何かをしてあげることはできていなかった。

 それが、解決へと導かれることになる。

【草取り】の少年、プランが解決してくれたのだ。

 そのおかげで、フレーシアの胞子の問題がいい方向へと向かい、寂しそうにしていたフレーシアはもう孤独な思いをせずに済むようになった。

「フレーシアちゃんはさっきこの部屋に挨拶に来て、ローズマリーちゃんと一緒に今日はご飯を食べに行くって言ってましたね。ふふっ」

 カレストラは、数分前のことを思い出して自然に微笑む。

 つい先ほどのことだ。
 今日の作業がひと段落したとのことで、ローズマリーとフレーシアがこの部屋に挨拶をしにきてくれたのだ。

 その時のフレーシアの顔は嬉しそうで。
 今頃、二人はカフェでお茶でもしている頃だろう。

 それを思うと、カレストラも嬉しくなり、じんわりとした気持ちになるのは自然なことだった。
 カレストラにとって、この国に住まう少女たちは大切な存在なのだから。

 だからこそ、そんな彼女を救ってくれたプランには感謝の気持ちでいっぱいになる。

「これも全てプラン様がこの国に来てくださったおかげなのですよね」

「ええ、プラン様はやはりすごいお方でした」

 カレストラの言葉に、リーネが頷き、二人はプランのことを思い浮かべる。

 時刻は夜。
 今は自分の部屋で、休んでいる頃だろう。

(私もプラン様は会いたいです……。でも、まだまだ仕事が残ってます……)

「はぁ……」

 暗くなった空を見ながら、ため息をつくカレストラ。
 金色の髪が揺れて、その顔には疲れが浮かんでいた。

「ではカレストラ様。私はプラン様の夜食の準備をしたり、湯浴みの準備をして来ますので、どうぞ、お任せください」

「リーネばっかり、ずるい……!」

 わざとらしく、これ見よがしに、プランに会いに行こうとするリーネ。
 そんなリーネに頬を膨らまして不満げな瞳を向けながら、それでもカレストラはじんわりとした心地良さを感じずにはいられなかったのだった。
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