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告白、からの……
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向かい合って立つと、緊張感が増す。
「えっと、寒いから手短《てみじか》に言うね」
「は、はい」
何気なく告げられた前置きも声音に真剣さが込められていて、背筋が伸びる。しっかり受け止めようという決意が仁王立ちという形で現れていた。彼の薄めの唇がわずかに開き、それから言葉を紡ぎ出す。
「好き」
ひゅ、と喉が鳴る。この文脈では、自分へ向けて言っていることで間違いないだろう。きっと何か重要なことを言われるのだろうと覚悟していた。そのはずなのに、突然のクライマックスに心臓がキュッと縮んだ。
かっと身体が火照り、耳奥で脈動が聴こえ、つないだままの手のひらにじわりと汗がにじむ。
「俺、ゆきさんが好きなんだ。付き合ってほしい」
重ねて告げられて、嘘偽りのない澄んだ瞳を見返すことしかできない。
「ゆきさんは俺のこと、どう思ってる?」
「あ、ええと……」
告白されたなら返事が必要、当たり前だ。畳み掛けるように問われて、優樹はくらりとめまいを覚えた。一瞬ふらつき、足首がぐにゃりとよじれる。握られたままだった手を彼の方に引き寄せられて、バランスを取り戻す。
「ごめ、ありがと」
「いいよ」
支えてもらって事なきを得た。いたれりつくせりというか、何かあると必ず彼に助けてもらっている気がする。
「それで、返事は?」
すぐに話を戻される。
「俺が告白したの、わかってる?」
告白。改めて言われても信じられない気持ちだ。
「……わかった」
「そしたら返事は」
一歩ずつ詰め寄せる彼に、たじたじとなってしまう。
「えっと、私こんなだよ?」
彼に好きになってもらえるようなステキ女子ではないし、間違いじゃないかと優樹は自虐に走る。
「ゆきさんはゆきさんでしょ。で、付き合う? 付き合わない?」
「えっ」
声は穏やかだが、返事をするまで意地でも離さないという意思を感じる。
(ユウキくんって、こんな感じになるんだ)
いつもはもっと余裕ありげなのに、意外だった。
「結論から言って」
容赦のない激詰めに、優樹は反射的に思い浮かんだ言葉を漏らす。
「り、理系脳……」
「どうなの?」
心はすでに決まっている。焦がれた相手から好きと言われたのだから、迷うべくもない。
「……私でよければ、どうぞよろしくお願いします?」
語尾が上がり気味だったのは、いまだにこの状況が信じられないためだ。
「はい、よくできました」
彼は最初から優樹の答えがわかっていたかのごとく、あっさりと受け入れた。ドキドキしているのも戸惑っているのも自分ばかりみたいで、なんだか恥ずかしい。
これで晴れて、恋人同士。しかし優樹の脳内にはまだ疑問が残っていた。
「たぶん今の話って、これが初めてじゃないんだよね?」
「どうだろ。俺の勘違いかも。伝わってなかったし」
それについては教えてくれる気はないようだ。そんな大事なことを聞き逃す自分が悪いのだが、どうしても気になってしまう。
「いつって聞いてもいい?」
「はっきり彼女にしたいって言ったのはみなとみらい」
それでようやく、優樹はそれらしき場面を思い出す。
(もしかして、海沿いを散歩した時のアレ……?)
風よけにと彼からメガネを借りて、かわいいって言われて、その後。いつになく真剣な表情で彼が伝えてくれた言葉は、近くを通った船の汽笛がかき消した。
「あー……わかったかも。そっか、それで」
ようやく合点がいった。彼との間でたびたびずれた会話がなされていたのは、言ったはず、聞いていないというボタンの掛け違いのためだったのだ。
それを踏まえると、先ほどの居酒屋でいかに自分が無神経な振る舞いをしたかに思い当たる。
「ゴメン。私が聞き返さなかったから」
「いや、俺も勝手に勘違いしたし。あの時は冷静じゃなかった」
一切責めないどころか、彼自身に否があるようなことを言われて、優樹はかぶりを振った。それにしても、だ。
(いろいろ勘違いして遠回りになったけど、付き合うことになったんだ……!)
心臓のあたりがむずむずソワソワとして、つい顔が笑みくずれる。
実のところ、優樹のこれまでの人生で好きになった相手と付き合えるというのは初めてだった。
(いつも片思いだったんだもん)
幸福感を噛み締めていると、ふいに手を引かれた。一歩二歩と前へ出て、トン、と彼の胸にぶつかる。目を白黒させていると背後に腕が回されぎゅっと抱きしめられた。
建物の陰になっているとはいえ、人通りのある場所だ。誰かに見られたらと思うとスリリングだが、離れがたい。
「……離したくないな」
気持ちを言い当てられたかのようなタイミングでささやかれて、きゅーんと胸の奥が苦しくなった。
「ゆきさんをこのまま帰すと、今のこともなかったことになっちゃいそうな気がして」
「さすがに、これ以上はこじらせないよ」
「そうだと思いたいけど」
信頼がない。でも、今までの仕打ちを考えればそう言われるのも理解できる。
「連れて帰りたい」
甘えるように肩口に頭を乗せられて、鼓動が早くなっていく。どう答えたらいいのかとこういう時の作法について考えているうちに、彼は離れていった。
「なんてね。さ、行くよ」
煌々と灯りが漏れる駅へのコンコースへと向かっていく。優樹の判断が遅いから、気を使って話を切り上げてくれたんだろう。
(連れて帰りたい…って、……嫌じゃなかったのに)
判断が遅い自分が嫌になる。今さら言うのじゃ遅いだろうか。いつも彼に助けてもらってばかりで、彼から望まれたことなんてそれほどなかったのに。このまま帰ったら後悔しそうだった。
「連れてって」
喉から出た声はか細くて、雑踏にまぎれて消えてしまいそうなくらいだったけれど、彼は足を止めて振り向いてくれた。
「俺の家とホテルとどっちがいい?」
「っええ……、そんなの、選べないよ……」
急に選択肢を与えられ、困り果てる。しかも生々しい。強引に言ってくれたほうが気が楽だった。
「えっと、寒いから手短《てみじか》に言うね」
「は、はい」
何気なく告げられた前置きも声音に真剣さが込められていて、背筋が伸びる。しっかり受け止めようという決意が仁王立ちという形で現れていた。彼の薄めの唇がわずかに開き、それから言葉を紡ぎ出す。
「好き」
ひゅ、と喉が鳴る。この文脈では、自分へ向けて言っていることで間違いないだろう。きっと何か重要なことを言われるのだろうと覚悟していた。そのはずなのに、突然のクライマックスに心臓がキュッと縮んだ。
かっと身体が火照り、耳奥で脈動が聴こえ、つないだままの手のひらにじわりと汗がにじむ。
「俺、ゆきさんが好きなんだ。付き合ってほしい」
重ねて告げられて、嘘偽りのない澄んだ瞳を見返すことしかできない。
「ゆきさんは俺のこと、どう思ってる?」
「あ、ええと……」
告白されたなら返事が必要、当たり前だ。畳み掛けるように問われて、優樹はくらりとめまいを覚えた。一瞬ふらつき、足首がぐにゃりとよじれる。握られたままだった手を彼の方に引き寄せられて、バランスを取り戻す。
「ごめ、ありがと」
「いいよ」
支えてもらって事なきを得た。いたれりつくせりというか、何かあると必ず彼に助けてもらっている気がする。
「それで、返事は?」
すぐに話を戻される。
「俺が告白したの、わかってる?」
告白。改めて言われても信じられない気持ちだ。
「……わかった」
「そしたら返事は」
一歩ずつ詰め寄せる彼に、たじたじとなってしまう。
「えっと、私こんなだよ?」
彼に好きになってもらえるようなステキ女子ではないし、間違いじゃないかと優樹は自虐に走る。
「ゆきさんはゆきさんでしょ。で、付き合う? 付き合わない?」
「えっ」
声は穏やかだが、返事をするまで意地でも離さないという意思を感じる。
(ユウキくんって、こんな感じになるんだ)
いつもはもっと余裕ありげなのに、意外だった。
「結論から言って」
容赦のない激詰めに、優樹は反射的に思い浮かんだ言葉を漏らす。
「り、理系脳……」
「どうなの?」
心はすでに決まっている。焦がれた相手から好きと言われたのだから、迷うべくもない。
「……私でよければ、どうぞよろしくお願いします?」
語尾が上がり気味だったのは、いまだにこの状況が信じられないためだ。
「はい、よくできました」
彼は最初から優樹の答えがわかっていたかのごとく、あっさりと受け入れた。ドキドキしているのも戸惑っているのも自分ばかりみたいで、なんだか恥ずかしい。
これで晴れて、恋人同士。しかし優樹の脳内にはまだ疑問が残っていた。
「たぶん今の話って、これが初めてじゃないんだよね?」
「どうだろ。俺の勘違いかも。伝わってなかったし」
それについては教えてくれる気はないようだ。そんな大事なことを聞き逃す自分が悪いのだが、どうしても気になってしまう。
「いつって聞いてもいい?」
「はっきり彼女にしたいって言ったのはみなとみらい」
それでようやく、優樹はそれらしき場面を思い出す。
(もしかして、海沿いを散歩した時のアレ……?)
風よけにと彼からメガネを借りて、かわいいって言われて、その後。いつになく真剣な表情で彼が伝えてくれた言葉は、近くを通った船の汽笛がかき消した。
「あー……わかったかも。そっか、それで」
ようやく合点がいった。彼との間でたびたびずれた会話がなされていたのは、言ったはず、聞いていないというボタンの掛け違いのためだったのだ。
それを踏まえると、先ほどの居酒屋でいかに自分が無神経な振る舞いをしたかに思い当たる。
「ゴメン。私が聞き返さなかったから」
「いや、俺も勝手に勘違いしたし。あの時は冷静じゃなかった」
一切責めないどころか、彼自身に否があるようなことを言われて、優樹はかぶりを振った。それにしても、だ。
(いろいろ勘違いして遠回りになったけど、付き合うことになったんだ……!)
心臓のあたりがむずむずソワソワとして、つい顔が笑みくずれる。
実のところ、優樹のこれまでの人生で好きになった相手と付き合えるというのは初めてだった。
(いつも片思いだったんだもん)
幸福感を噛み締めていると、ふいに手を引かれた。一歩二歩と前へ出て、トン、と彼の胸にぶつかる。目を白黒させていると背後に腕が回されぎゅっと抱きしめられた。
建物の陰になっているとはいえ、人通りのある場所だ。誰かに見られたらと思うとスリリングだが、離れがたい。
「……離したくないな」
気持ちを言い当てられたかのようなタイミングでささやかれて、きゅーんと胸の奥が苦しくなった。
「ゆきさんをこのまま帰すと、今のこともなかったことになっちゃいそうな気がして」
「さすがに、これ以上はこじらせないよ」
「そうだと思いたいけど」
信頼がない。でも、今までの仕打ちを考えればそう言われるのも理解できる。
「連れて帰りたい」
甘えるように肩口に頭を乗せられて、鼓動が早くなっていく。どう答えたらいいのかとこういう時の作法について考えているうちに、彼は離れていった。
「なんてね。さ、行くよ」
煌々と灯りが漏れる駅へのコンコースへと向かっていく。優樹の判断が遅いから、気を使って話を切り上げてくれたんだろう。
(連れて帰りたい…って、……嫌じゃなかったのに)
判断が遅い自分が嫌になる。今さら言うのじゃ遅いだろうか。いつも彼に助けてもらってばかりで、彼から望まれたことなんてそれほどなかったのに。このまま帰ったら後悔しそうだった。
「連れてって」
喉から出た声はか細くて、雑踏にまぎれて消えてしまいそうなくらいだったけれど、彼は足を止めて振り向いてくれた。
「俺の家とホテルとどっちがいい?」
「っええ……、そんなの、選べないよ……」
急に選択肢を与えられ、困り果てる。しかも生々しい。強引に言ってくれたほうが気が楽だった。
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