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嘘の表情
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「アザレア・ライラック!貴様との婚約を破棄する!そしてこの俺の隣にいる彼女、ロベリア・タンジーとの婚約を結ぶ!」
学園での卒業パーティーの最中に彼、ルドベキア・フォン・グラジオラス王太子殿下は言い放った。
誰にかって?勿論わたくしにです。
あー、お決まりのテンプレ茶番ですね(笑)と心では思ったもののそれを表情にださないのが淑女ですわ。
あ、申し遅れました。わたくし先ほど名前を呼ばれたアザレア・ライラックと申します。転生者ですわ。
記憶を思い出したのは6歳の時、熱をだしたときでしたわ。熱で苦しんでいるときに行きなり頭に膨大な記憶が入ってきてついに死を覚悟したときでしたね、あれは。
まぁ、そんなことより今の状況ですね、馬鹿なんですか、あの方は?
わたくしと殿下は記憶が戻った後に婚約をし、まぁ、それほど仲が悪いわけではなかったですね。むしろ良かったです。会える日には時間を忘れて遊んでいましたわ。そして、わたくしも慕っていたと思います。
ですが、今のこの状況はなんでしょう?学園に入るまではきちんと常識も通じる殿下だったのに、あの殿下の隣にいらっしゃるなんでしたっけ?ロベリア様?と婚約を結ぶだのほざいて...はぁ...
私達の婚約は陛下直々に決めたものであって、殿下一人に覆せるものではないのに。
「聞いているのか、アザレア!」
「はい、聞いておりますよ?」
「皆も聞け!今からアザレアがしたロベリアへの数々の嫌がらせを!まず、頭から水をかけ、教科書を破き挙げ句の果てにはカッターで怪我をさせようとしたらしいな!なんて卑劣なんだ!」
いやいやいや、わたくしそんなことしてませんよ?まず会ったのも初めてですし!
「わたくしはやっておりません。まず、証拠はどこにあるのでしょうか?」
「ロベリアが泣きながら水をかけられた姿や破かれた教科書を見たものが複数いる!それが証拠だ!」
...馬鹿ですわ...ものすごく馬鹿ですわ。
「それは証拠にはなりませんわ、殿下。それらは自作自演もできます。」
「ロベリアが嘘をついているといいたいのか!」
「はい、そうですわ。」
「自分の罪を認めず、挙げ句にロベリアに罪をなすりつける...この悪女め!貴様は未来の王妃に害をなそうとした!よって国外追放にする!」
「はぁ...そんなことはやっておりませんが、こうなった以上は仕方ありません。
わかりました。では、すみやかにここから退場致しますわ。皆様不快な思いをさせて申し訳ありませんでしたわ。どうぞごゆっくりお楽しみくださいませ。」
淑女の礼をとり、外で待たせていた馬車に乗りこんだ。
「アザレア?どうしたんだこんなはやくに。」
家に着くとお父様が驚いた顔でわたくしを見た。
「どうやら、婚約を破棄されたようでして...」
「そうか...やはりあの馬鹿には私のアザレアは似合わないしな、よかったな!」
お父様...それ不敬罪ですよ...っとまぁ、お父様はわたくしのことを溺愛しているので勘当だ!ということには絶対になりません。あ、ちなみにお母様はわたくしが小さい頃に病気にかかり亡くなってしまいました。だからですかね、お父様の溺愛がすごいのは。
「あ、そして、国外追放?になったらしくて...どうしましょう。」
「よし!隣国に行くか!丁度頃合いだと思っていたんだ!」
「えぇぇぇぇ?!あの、いいのですか?」
「あぁ、言っていなかったがこの国はそろそろ終わる。早めに逃げるぞ。」
「そ、そんな!領民の方達はどうしますの!」
「その件は大丈夫だ!しっかり、手を打ってある!」
「お父様...」
何が何でも準備早すぎですよ...
まぁ、仕方ないですね。早めに準備をして隣国に行きましょうか。
ただ、あの昔の殿下の目を見たかったと思うのは未練でしょうか...
終わったことですし、忘れた方がよいのでしょうね。
~一年後~
お父様から国が滅んだことを聞いたのは一年と少したった頃だった。
わたくしはそうですか、としか言えなかった。冷たいとは思うが今の生活が充実しているし仕方ない。ですが、王族の方々は処刑されたと聞いて少し残念に思った。いまだに、殿下の昔の頃を思い出してしまうときがあるから...
ふと夢を見た。
あの卒業パーティーの日の出来事だ。
あの時退場するとき見たときの殿下の目は...私が映っていた。とても綺麗に。
そして、小さく声にはでず、だけど確かに
「ごめんね。」
「っ!...涙...?」
殿下が謝っていた...?何故?どうして...
そればかりが頭を巡る。だからお父様に聞くことにした。
改めて考えてみると、おかしい。何故あんなに早く国が滅びたの?
「お父様!聞きたいことがあるのですが?」
「グラジオラス王国のことだろう?」
「はい。聞かなければならないと思ったのです。」
「わかった、この手紙でわかるだろう。ルドベキア殿下からの手紙だ。」
「!ルドベキア殿下からの?」
「アザレアへ
君がこの手紙を読んでいると言うことは無事に生きているというとこだね。本当によかった。単刀直入に言うと僕はグラジオラス王国が滅ぶことを知っていた。
そして知る頃にはもう手遅れだった。裏切り者がいたんだ。そして敵国のスパイも。そして君のお父様、ライラック公爵にも話して安全な場所に行ってもらうことにしたんだ。僕は王族だから、この国を愛しているからグラジオラス王国と一緒に眠ることにするよ。ほんとはね、君が誰よりも好きなんだ。愛している。あんなに浮気しといてなにを行ってるのかと思うだろうね。僕でも思う。でもね君の仕草や声些細なところでも愛しいと思うんだ。君の名前のアザレアの華のように美しい君を愛している。だから幸せに絶対になって。これが僕の我が儘だよ。
さようなら、レア
ルドベキアより」
「お父様...スパイというのはロベリア・タンジーという方ですか?」
「そうだよ。」
...馬鹿なルド...ほんとに馬鹿。私だって愛していたのよ。初めてあった時から、アザレアの華をくれた時から、私は、私は!
この人と幸せになりたいって思ってたのよ...
でも学園で、運命じゃなかったから、と逃げて自分の気持ちに鍵をかけた。
ごめんなさい...ごめんなさい。謝っても許されないことだわ。
部屋に戻ってから涙が枯れるんじゃないかと思うくらい泣いた。
次の日には目が信じられないくらいに腫れていて酷い顔になっていた。
私はこのことを背負って生きていくのでしょう。でも、願うならもう一度彼と
幸せな時間を...
はじめまして~初投稿になります!ちょっと衝動的にこういう物語が書きたくなったので書いてみました(笑)内容とか設定はすっかすかです。拙い文章を読んでくれた方ありがとうございます!一応これで終わってるのですが、続きが読みたいなーって思う人がいたら書きます。でも書きたくなったら書きます(笑)
読んでくれた方本当にありがとうございました!
学園での卒業パーティーの最中に彼、ルドベキア・フォン・グラジオラス王太子殿下は言い放った。
誰にかって?勿論わたくしにです。
あー、お決まりのテンプレ茶番ですね(笑)と心では思ったもののそれを表情にださないのが淑女ですわ。
あ、申し遅れました。わたくし先ほど名前を呼ばれたアザレア・ライラックと申します。転生者ですわ。
記憶を思い出したのは6歳の時、熱をだしたときでしたわ。熱で苦しんでいるときに行きなり頭に膨大な記憶が入ってきてついに死を覚悟したときでしたね、あれは。
まぁ、そんなことより今の状況ですね、馬鹿なんですか、あの方は?
わたくしと殿下は記憶が戻った後に婚約をし、まぁ、それほど仲が悪いわけではなかったですね。むしろ良かったです。会える日には時間を忘れて遊んでいましたわ。そして、わたくしも慕っていたと思います。
ですが、今のこの状況はなんでしょう?学園に入るまではきちんと常識も通じる殿下だったのに、あの殿下の隣にいらっしゃるなんでしたっけ?ロベリア様?と婚約を結ぶだのほざいて...はぁ...
私達の婚約は陛下直々に決めたものであって、殿下一人に覆せるものではないのに。
「聞いているのか、アザレア!」
「はい、聞いておりますよ?」
「皆も聞け!今からアザレアがしたロベリアへの数々の嫌がらせを!まず、頭から水をかけ、教科書を破き挙げ句の果てにはカッターで怪我をさせようとしたらしいな!なんて卑劣なんだ!」
いやいやいや、わたくしそんなことしてませんよ?まず会ったのも初めてですし!
「わたくしはやっておりません。まず、証拠はどこにあるのでしょうか?」
「ロベリアが泣きながら水をかけられた姿や破かれた教科書を見たものが複数いる!それが証拠だ!」
...馬鹿ですわ...ものすごく馬鹿ですわ。
「それは証拠にはなりませんわ、殿下。それらは自作自演もできます。」
「ロベリアが嘘をついているといいたいのか!」
「はい、そうですわ。」
「自分の罪を認めず、挙げ句にロベリアに罪をなすりつける...この悪女め!貴様は未来の王妃に害をなそうとした!よって国外追放にする!」
「はぁ...そんなことはやっておりませんが、こうなった以上は仕方ありません。
わかりました。では、すみやかにここから退場致しますわ。皆様不快な思いをさせて申し訳ありませんでしたわ。どうぞごゆっくりお楽しみくださいませ。」
淑女の礼をとり、外で待たせていた馬車に乗りこんだ。
「アザレア?どうしたんだこんなはやくに。」
家に着くとお父様が驚いた顔でわたくしを見た。
「どうやら、婚約を破棄されたようでして...」
「そうか...やはりあの馬鹿には私のアザレアは似合わないしな、よかったな!」
お父様...それ不敬罪ですよ...っとまぁ、お父様はわたくしのことを溺愛しているので勘当だ!ということには絶対になりません。あ、ちなみにお母様はわたくしが小さい頃に病気にかかり亡くなってしまいました。だからですかね、お父様の溺愛がすごいのは。
「あ、そして、国外追放?になったらしくて...どうしましょう。」
「よし!隣国に行くか!丁度頃合いだと思っていたんだ!」
「えぇぇぇぇ?!あの、いいのですか?」
「あぁ、言っていなかったがこの国はそろそろ終わる。早めに逃げるぞ。」
「そ、そんな!領民の方達はどうしますの!」
「その件は大丈夫だ!しっかり、手を打ってある!」
「お父様...」
何が何でも準備早すぎですよ...
まぁ、仕方ないですね。早めに準備をして隣国に行きましょうか。
ただ、あの昔の殿下の目を見たかったと思うのは未練でしょうか...
終わったことですし、忘れた方がよいのでしょうね。
~一年後~
お父様から国が滅んだことを聞いたのは一年と少したった頃だった。
わたくしはそうですか、としか言えなかった。冷たいとは思うが今の生活が充実しているし仕方ない。ですが、王族の方々は処刑されたと聞いて少し残念に思った。いまだに、殿下の昔の頃を思い出してしまうときがあるから...
ふと夢を見た。
あの卒業パーティーの日の出来事だ。
あの時退場するとき見たときの殿下の目は...私が映っていた。とても綺麗に。
そして、小さく声にはでず、だけど確かに
「ごめんね。」
「っ!...涙...?」
殿下が謝っていた...?何故?どうして...
そればかりが頭を巡る。だからお父様に聞くことにした。
改めて考えてみると、おかしい。何故あんなに早く国が滅びたの?
「お父様!聞きたいことがあるのですが?」
「グラジオラス王国のことだろう?」
「はい。聞かなければならないと思ったのです。」
「わかった、この手紙でわかるだろう。ルドベキア殿下からの手紙だ。」
「!ルドベキア殿下からの?」
「アザレアへ
君がこの手紙を読んでいると言うことは無事に生きているというとこだね。本当によかった。単刀直入に言うと僕はグラジオラス王国が滅ぶことを知っていた。
そして知る頃にはもう手遅れだった。裏切り者がいたんだ。そして敵国のスパイも。そして君のお父様、ライラック公爵にも話して安全な場所に行ってもらうことにしたんだ。僕は王族だから、この国を愛しているからグラジオラス王国と一緒に眠ることにするよ。ほんとはね、君が誰よりも好きなんだ。愛している。あんなに浮気しといてなにを行ってるのかと思うだろうね。僕でも思う。でもね君の仕草や声些細なところでも愛しいと思うんだ。君の名前のアザレアの華のように美しい君を愛している。だから幸せに絶対になって。これが僕の我が儘だよ。
さようなら、レア
ルドベキアより」
「お父様...スパイというのはロベリア・タンジーという方ですか?」
「そうだよ。」
...馬鹿なルド...ほんとに馬鹿。私だって愛していたのよ。初めてあった時から、アザレアの華をくれた時から、私は、私は!
この人と幸せになりたいって思ってたのよ...
でも学園で、運命じゃなかったから、と逃げて自分の気持ちに鍵をかけた。
ごめんなさい...ごめんなさい。謝っても許されないことだわ。
部屋に戻ってから涙が枯れるんじゃないかと思うくらい泣いた。
次の日には目が信じられないくらいに腫れていて酷い顔になっていた。
私はこのことを背負って生きていくのでしょう。でも、願うならもう一度彼と
幸せな時間を...
はじめまして~初投稿になります!ちょっと衝動的にこういう物語が書きたくなったので書いてみました(笑)内容とか設定はすっかすかです。拙い文章を読んでくれた方ありがとうございます!一応これで終わってるのですが、続きが読みたいなーって思う人がいたら書きます。でも書きたくなったら書きます(笑)
読んでくれた方本当にありがとうございました!
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