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第56話 全学年トーナメント 3

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 全学年トーナメントは初日に2回戦まで終了して、近接戦闘部門では明日香ちゃんとカレンは残念ながら1回戦で姿を消したものの、聡史と桜の兄妹が力差を見せて勝ち上がっている。

 また魔法部門では、美鈴が鉄壁の魔法シールドの防御力をいかんなく発揮して安定の勝利を収めて勝ち残っている。たとえ上級生といえども美鈴の魔法シールドを破るような威力のある魔法は扱えないよう。この流れが続く限りは、魔法部門の優勝は美鈴で確実と大方の外野は見ている。



 そしていよいよ迎えた模擬戦週間最終日、ついに今年の学院全生徒の頂点が決まる。

 ベスト4に残っているのはシードされていた4選手で、準決勝は〔桜対3年生準優勝者〕と〔聡史対近藤勇人〕という組み合わせとなっている。

 第1試合は、桜が開始30秒で相手の腹にブローを叩き込んで決着がつく。そして第2試合ではスタンドの生徒全員が注目する対戦となる。

 聡史はここまで派手さはないが一切付け入るスキを与えない万全の勝ち方で相手を下してきている。対して勇人は1回戦で明日香ちゃんとの対戦こそ引き分けたものの、続く2回戦は2年生のトーナメント優勝者を一方的に破って準決勝にコマを進めている。


「準決勝に出場する選手が入場します」

 アナウンスが流れると場内に緊張感が走る。これまで学院最強の名を欲しい侭にしていた勇人と突然編入してきて各方面に反響を及ぼしている特待生のどちらが強いのか、ついのこの場ではっきりとするのだから無理もない。

 だが中には聡史の力は学院生の範疇に収まらないと知っている人間もいる。それは大山ダンジョンで発生したゴブリンの異常発生に直接巻き込まれた生徒たち。


「あの時の特待生の活躍を考えたら、近藤といえども太刀打ちできないだろうな」

「あいつはバケモノだ! ゴブリンを剣で斬りながら、反対の手で頭を掴んで壁に投げて叩き潰していたからな」

「一刀でゴブリンを10体まとめて斬っていたぞ!」

 通常では考えられない聡史の戦い方を直接目撃した彼らは、全員が聡史にベットしているよう。

 会場の盛り上がりはともかくとして、入場してきた聡史と勇人は、友好的な表情をうかべつつ開始線上で向かい合う。


「楢崎、ゴブリン騒動では世話になったな。だが、それとこれは別の話だ。あの時に目の前で恐るべき力を見せつけられて俺も歯を食いしばって腕を磨いてきた。こうして対戦する日を楽しみにしていたぞ」

「お手柔らかにお願いします。対人戦はあまり得意ではないので」

 聡史の返事には省略されている部分がある。「対人戦で手加減するのがあまり得意でない」というのがより正確な表現となっている。桜も同様であるが、異世界では命の値段が安すぎる。敵対者は基本的に後腐れなく殺しておくのが基本というか、自分が生き残るための最低限のルールとなっていた。

 だがこの場は殺し合いをするための対戦ではない。あくまでも学院生として模擬戦に臨んでいる。その証拠に聡史の瞳には敵対者に向ける殺意ではなくて、落ち着いた穏やかな光が宿っている。


「両者とも準備はいいか?」

 審判が注意を行ってから双方に最後の確認をしている。聡史と勇人が頷くと審判は右手を上に掲げる。


「試合開始ぃぃ!」

 勇人が手にするのは体格に合わせた大振りの両手剣。対する聡史はやや細身の片手剣を右手に持っている。もちろん学院が用意した刃を潰してある模造剣なのは言うまでもない。

 聡史は普段から片手剣を使用しており、魔剣オルバースは片手持ちも両手持ちも可能な中間サイズの中型剣。元々聡史は魔法剣士であったため、剣で戦いながらもう一方の手から魔法を放つ戦法を得意としている。もちろん剣自体の強度で比較すれば刀身が厚い両手剣のほうが上であるが聡史は敢えて自分のスタイルを崩さずに片手剣を用いている。

 勇人はドッシリと正面を向いた構えで聡史の出方を窺う。対する聡史は半身に構えてこちらも不動の姿勢。様子見の時間が過ぎると、勇人のほうから動き出す。その目がキラリと光って、巨体とは思えぬ滑らかな動きで聡史との距離を縮めて正眼から振り上げた剣を聡史に向かって振り下ろす。

 ガキーン!

 だが聡史が片手で軽く差し上げた剣は勇人の剛腕から繰り出された一撃をあっさりと受け止めている。予想通り聡史に軽くいなされた勇人は素早く剣を引いて角度をつけた袈裟斬りを放ってくるが、それも聡史に止められる。聡史は軽く右手を動かしているだけで、いまだに開始から一歩も動いてはいない。

 最初の攻勢がまったく効果がないと見るや、勇人は素早く距離を取って聡史の隙を探る。


「こうして実際に剣を打ち合ってみると想像以上の腕前だな。とても俺の剣が通用するとは思えないぞ!」

「謙遜しなくてもいいですよ。どうせ何か秘策を用意しているんでしょうから」

「バレていたか! それでは、遠慮なく使わせてもらうぞ。身体強化ぁぁ!」

 勇人の体から魔力が溢れると、その体を包み込むようにして魔力の皮膜が覆っていく。勇人は対聡史戦のためのこれまで温存していた切り札を発動している。明日香ちゃんにあれだけ手を焼いても、この聡史との一戦のために残しておいた彼にとってはまさに乾坤一擲のスキル。近接戦闘戦で魔法の使用は基本的に禁じられているが、この身体強化だけは例外として認められている。


「さすがですね。体力と防御力が5割増しといったところですか? 普通の生徒ではここまで性能が高い身体強化は扱えないでしょう」

「冷静だな。まあ言葉で説明してもわからないだろうから一撃食ってみろ。いくぞ!」

 先程とは比べ物にならない勢いで勇人が踏み込んでくる。聡史はその動きに合わせて一歩だけ右足を前に出して迎え撃つ。

 グワッキーーン!

 耳をつんざくような金属音がフィールドに響き渡る。スタンドの生徒たち全員がその高音によって耳の奥に軽い異常を感じている。

 上から大剣を振り下ろした勇人と斜め下から剣を振り上げた聡史の力が一瞬だけ拮抗する。上から押し潰そうと力を込める勇人に対して、聡史は相変わらず片手でその圧力に抗している。


「ここからが始まりだ!」

 どうやら聡史を力尽くで打ち破るのは困難と判断した勇人は、再び剣を引いて横薙ぎからの連続攻撃を開始する。

 袈裟斬り、下段からの足払い、胴突き、再び上段からの振り下ろしと、勇人のパワーにスピードが加わった攻撃は一たび食らってしまえば明らかに勝敗を決める威力がある。

 右から勇人の剣が迫る。風を切り裂きながら唸りを上げて飛んでくる一撃を聡史の片手剣が打ち返す。火花が飛び散る剣と剣のぶつかり合い。その攻防はさながら動画を早送りするかのよう。フィールドから離れたスタンドの生徒たちの眼には両者の剣の先端がブレて見えている。

 正面からの胴突きに対して聡史は人間の限界を超えた反応を見せる。素早く体を開くと正面から体に向かってくる剣を避けて、さらに上から剣を落としていく。避けられたと悟った勇人は、素早く剣を引いて半身になっている聡史の背後に剣を振り向けて斜めに振り下ろす。剣を下に向けている聡史の背中側から勇人の大剣が迫る…

 だがここでも聡史の反応が勇人を上回る。下に向けた剣を一瞬で反転させると、その勢いを生かして腕の振りだけで勇人の剣を弾き返していく。仕留めたと思ったのに聡史からの反撃を受けた勇人はやや驚いた表情をしながらもさらに弾かれた剣を強引に押さえ付けて、そのまま首を一閃する軌道で横に振っていく。それは仮に真剣であれば、易々と聡史の首を切り落とせる危険な軌道を描いている。

 ガキーン! 

 だが聡史も予期はしている。上に向けて振り上げた剣を体の正面に戻して対処する。聡史は軽く右手を動かすだけで勇人の攻撃を全て撥ね返していく。その動きの正確さはまるでマジックを見せられているかのような恐るべき反応速度。

 あまりに正確な聡史の剣捌きに勇人は舌を巻いて攻勢を一旦中断して数歩下がっていく。聡史はそのまま追撃はせずに勇人が下がるままに任せる。


「これは参ったな。俺の攻撃がここまで簡単に撥ね返されるとは思わなかった。もうちょっと通用すると考えていたんだが… まるでガキの頃に師匠を相手にして剣術の稽古をしていたあの時のような気分だ」

「近藤先輩、でも楽しいでしょう? 俺は今心から楽しんでいますよ!」

「ああ、俺も楽しんでいる! できればこの時間はもっと長続きするといいな」

「制限時間がありますから、そういうわけにもいかないでしょう。さあ、続きを始めますよ」

 聡史にしては珍しく言葉数が多い。久しぶりにこうしてまともに打ち合える相手に出会って、聡史は模擬戦であるのを忘れたかのようにこの打ち合いを楽しんでいる。

 勇人の剣の腕は異世界に例えるとC~Dランクの冒険者に相当する。もちろん本気を出した聡史に対して、この程度の腕では秒殺されるのがオチだろう。だがこうして模擬戦という形で用意された舞台の上で聡史は勇人という相手に対して敬意を持って相対している。勇人が身に着けている剣技を全て受け切ろうと考えているよう。

 
「よし、俺も思いっ切り楽しんでやるぞ。覚悟しろ!」

 再び勇人の踏み込みで新たな打ち合いが再開する。両者とも真剣な中にも晴れ晴れとした表情で剣を交えている。

 そのまましばらく打ち合っていると、勇人の剣がこれまでよりもより正確に素早く聡史を捉えに掛かるようになっていることに気付く。

(どうやら近藤先輩の剣術スキルが上がったようだな)

 スキルランクはレベルの上昇以外にも何かのきっかけで稀に獲得できるケースがある。格上の相手と対戦する機会でも場合によっては今回のように上昇する。

 勇人本人はまだ気づいていないようだが、繰り出してくる剣の切っ先の動きが鋭くなったのを見て取った聡史は心の中でニンマリしている。この対戦の楽しみが少しだけ大きくなった手応えを感じているのだろう。


 そのまま聡史と勇人の攻防は続いていく。スタンドの生徒たちはまるで剣術のお手本をこの場で目にしているかのごとくに、二人の動きを一瞬でも見逃さないように声も出さずに集中している。それほどスピード、パワー、技術が、存分に生かされた両者の立ち合いがこの場で繰り広げられていく。心・技・体の全てを尽くして限界まで絞り出した技の数々をその目にしている生徒は恐らくいずれは自らの剣に生かしていくことであろう。是非ともそうあってもらいたいと教員一同が願うほど、見学している生徒のためにもなる試合といえる。


 長らく続いた熱い試合は残り時間2分を切ってこれまでとは全く違う様相を呈し始める。勇人の剣を受けて捌き続けていた聡史が一転して攻勢に出始めたよう。

 10分以上積極的な攻撃を封印してひたすら勇人の剣を受けていた聡史… だが一たび攻勢に出ると決めたその剣はまさに圧倒的。

 一切の反撃を許さずに確実に急所を狙って放たれる剣はあたかも詰め将棋のように着実に勇人を追い込んでいく。


「クソォォォ!」

 勇人が苦し紛れに剣を振り上げる。だがそれこそ聡史が待っていた瞬間に他ならない。勇人が反応できない速度で聡史は踏み込んでいくと、ガラ空きの胴に向かって横薙ぎの剣を一閃!

 
「ガアァァァァ!」

 たまらずに勇人が膝を付くと、審判が高らかに宣言する。


「そこまでぇぇ! 勝者、赤!」

 時計は14分50秒を指している。残り時間10秒という際どいタイミングであったが、この勝負は聡史がものにしている。

 もちろん聡史が手加減したので、勇人は痛みを堪えつつも何とか立ち上がる。


「最後は楢崎に格負けした。本当に大した男だ!」

「ありがとうございました。近藤先輩とは今後とも時々打ち合いをしたいと考えていますが、いかがでしょうか?」

「俺のほうから頼みたいくらいだ! ぜひとも頼む!」

 こうして両者が握手をすると、初めてスタンドが沸き上がる。熱戦に呆気に取られて拍手するのも忘れていて見入っていたよう。

 こうして久しぶりの手応えを感じる対戦を終えた聡史はスタンドで観戦している桜やカレン、ブルーホライズンに手を振りながら控室へと戻っていくのだった。



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