上 下
19 / 66

第19話 隠し部屋で待っているのは

しおりを挟む
 転移の光に包まれて一瞬の浮遊感の後に周囲の景色が実体化してくる。

 ドスドスン

 ダンジョン内での転移に慣れている聡史と桜は何事もなかったかの表情で床に立っているが、このような経験は初めてであった美鈴と明日香ちゃんは尻もちをついて目から火花が飛び散っている。


「痛たたたた、お尻が痛いですよ~」

「はぁ~、ビックリしたわ。あら、どんな恐ろしい場に行くのかと思っていたら意外と普通の場所なのね」

 周囲を見回している美鈴の目に飛び込んできた景色は赤茶色のレンガが敷き詰められている床と壁に囲まれたバスケットコート2面分程の空間。特にこれといった目ぼしい物はないが、唯一空間の最も奥まった箇所には祭壇を模しているかのような木組みのテーブル状の台が置かれている。


「お兄さん、桜ちゃん、元の場所に早く戻りましょうよ~」

「明日香ちゃん、どこに出口があるんですか?」

「あれ? そう言われてみると、どこにも出口が見当たりませんねぇ。どうしましょうか?」

 桜の指摘に明日香ちゃんは不安げな表情を浮かべている。この空間は確かに出入りする通路がどこにも繋がっていない不思議な場所のように思えてくる。自分が置かれた状況をようやく自覚してどうやって元に場所に戻ればよいのか… お花畑の住人である明日香ちゃんも不安を覚えたよう。

 その時…


「あれは何かしら?」

 祭壇の手前に黒い靄のように魔力が集まり、何かを形作るかのように蠢き始める。そして次第に薄い影が実体化するように輪郭がはっきりとしてくる。


「ま、まさかあれは。オーク?」

 美鈴がその方向を指さして声を上げてから慌てて口を押える。学院の生徒はオークを倒すほどの実力を持っている者はいない。もしダンジョンでオークに出会ったら「武器を放り出してでもその場から逃げ出せ」と、口を酸っぱくして教えられている。5階層までに出現する最強の魔物こそがオークなのは紛れもない事実。


「や、やっぱり普通の場所じゃなかったですよ~」

 明日香ちゃんはそう叫ぶと、ヘナヘナと床に崩れ落ちて白目を剥いて気を失う。よくもまあこんな性根で魔法少女を目指せるものだと兄妹は呆れ顔。それはともかく、聡史は冷静な表情のまま告げる。


「美鈴、あれはオークではないな。上位種のオークジェネラルだ」

「ええぇぇぇ!」

 聡史からさらなる絶望的な宣告が下されると美鈴の顔は真っ青になる。だが桜の反応は美鈴の考えの斜め上をブッチギッている。


「美鈴ちゃん、そんなに怖がる必要はありませんわ。あそこにいるのは単なる肉ですの」

「えっ? 桜ちゃんは何をわけのわからないことを言っているの」

「美鈴ちゃんも心配症が過ぎますわ。あそこにいるのは単なる肉ですからどうぞご安心を。お兄様、ひと思いに全滅させてきます」

 そう言い残すと桜はオークジェネラルに向かって突進を開始する。その後ろ姿に向かって何らかの考えがあるのか聡史が声を掛ける。


「桜、2体仕留めて1体はこちらに回してくれ。美鈴はファイアーボールを準備しろ」

「お兄様、承知いたしましたわ」

「聡史君、わ、私がやるの?」

「ああ、美鈴の魔法に期待しているぞ」

 聡史に励まされて、美鈴は教えられた通りにファイアーボールの術式を準備する。その間に桜はと言えば…


「観念して、肉になりなさいませ」

 無鉄砲にも単身で3体のオークジェネラルに向かって突っ込んでいく。

 桜を迎え撃とうとするオークジェネラルは身長が2メートル強。イノシシを擬人化したようなフォルムで筋骨隆々としたその体は通常のオークよりも一回り大きい。さらに全身を包む革鎧と革製の兜、右手にはロングソード、左手には革を張った盾を構えている。このような強敵に対して桜は臆することなく真正面から突っ込んでいく。

 直進してくる桜の体はオークジェネラルの目の前。飛び込んでこようとする獲物に向けて3体が一斉にロングソードを振り上げる。

 だがその瞬間、桜の姿がオークジェネラルの目の前から消え失せた。真っ直ぐに突っ込むと見せかけて直前で左側にカットアウトすると、3体の中で左に立っている1体の真横に瞬時に移動している。

 桜の目の前にはがら空きのオークジェネラルの脇腹。当然のように手加減なしのストレートが目に捉えられない速度で放たれる。

 ブモオォォ!

 僅か1発のパンチでオークジェネラルの肋骨は粉砕され、内臓や心臓、肺までが破裂する。有り余るパンチの勢いはそれだけに止まらずに、その個体を吹き飛ばしてミサイルのような勢いで隣の個体に衝突させる。


 ブモーォ!

 更に玉突きになって、そのまた隣の個体にもぶつかる。

 ブモー!

 こうして僅か1発の桜によるパンチで3体のオークジェネラルは折り重なるように倒れ込む。こうなると逆にその巨体が災いして中々起き上がれなくってしまう。まだ息のあるオークジェネラルはなんとかして起き上がろうと地面でもがき合うが、そんな隙だらけの様子を桜は絶対に見逃さない。


「やはり肉になる運命でしたわね」

 動きを止めている最初の1体の下敷きとなって、なんとか抜け出そうと足掻いている個体の首に踵を落とす。

 ブモオォォォ!

 断末魔の叫びを上げるとオークジェネラルは息絶えていく。聡史の指示通りに2体を仕留めた桜はそのまま気配を消してオークの後ろ側に佇む。ひとたび彼女がこうして気配を絶つと、そこに居るのかどうかすらわからなくなる高度な気配の消し方だ。

 地面に転がされた3体のうちで、最も右側にいた個体は比較的ダメージが軽かったよう。訳が分からぬ間に自らをこのような目に遭わせた相手を探そうと周囲を見回すが、気配を絶った桜をその目で発見できない。だが前を向けば三人の人間がいる。しかもそのうちのひとりは倒れたままで抵抗できない様子が窺える。絶好の獲物を発見したとばかりに再び床を踏みしめて立ち上がる。体は若干フラ付いてはいるが、闘争本能はいまだ健在のよう。


「美鈴、魔法だ」

「は、はい」

 美鈴の右手からはスタンバイを完了していたファイアーボールが飛び出していき、オークジェネラルの胴体のど真ん中に着弾する。

 ドーン!

 閉ざされた空間に爆発音が響き、直撃を受けたオークジェネラルはその衝撃で後方に飛ばされる。


「やったわ」

 美鈴の表情は魔法が無事に命中した安堵感に包まれる。だが…

 ブモオォォ!

 オークジェネラルは剣を手に立ち上がる。雄叫びを上げたその姿は湧き上がってくる怒りに身を震わせているかのよう。オークジェネラルは確かに魔法の直撃を受けていた。だが革鎧越しであったために致命傷となるようなダメージではない。元々オーク種は生命力が強いうえに、分厚い皮下脂肪と有り余る筋肉が体を覆っているので見た目通りに頑丈。だからこそ学院生の手にを得ない魔物に指定されている。

 復活の雄叫びを上げるオークジェネラルの姿を見た美鈴は全身が硬直して身動きひとつできない。魔法の効果が無かったショックとオークジェネラルの本能的に恐怖を呼び起こす姿に精神が負けてしまっている。


「仕方がないな」

 その小さな呟き声を残して美鈴の隣から黒い影が疾走する。右手はミスリル製のロングソードに持ち替えて雄叫びを上げるオークジェネラルに音もなく接近していく。


「悪いな、死んでくれ」

 その言葉とともにミスリルの剣を一閃すると、オークジェネラルの首が体からズルリとズレる。次第にそのズレが大きくなって頭が体から転がり落ちると同時に、オークジェネラルの巨体は真後ろに倒れていく。

 この光景を見届けた聡史はゆっくりと美鈴に振り返る。


「美鈴、魔法が当たったからといって油断すると命取りに繋がるからな」

「は、はい、聡史くん、ありがとう。助かったわ」

 美鈴はこのオークジェネラルとの一戦で大きな教訓を学んでいる。最後のトドメを刺すまでは絶対に油断できないのが魔物との戦いなのだと。そして白目を剥いて倒れている明日香ちゃんはご想像通り何も学んでいない。


「お兄様、肉をゲットですわ」

 桜がホクホクして木の皮に包まれたオーク肉のブロックを抱えてくる。その他に魔石を3個、気絶している明日香ちゃんに代わって迅速に回収を終える。


「聡史君、魔物の肉なんて本当に食べられるのかしら?」

「ああ、高級黒豚と遜色ない味だぞ」

「美鈴ちゃん、特にトンカツにするととっても美味しいですわ」

 兄妹が力強くその肉の美味しさを説くが、美鈴にはどうにも半信半疑な様子。異世界ではオーク肉というのは定番中の定番ではあるが、日本においては馴染みが無いのは当然。


「それよりも、そろそろ明日香ちゃんを起こしてやらないのか?」

「そうでした、すっかり忘れるところでした」

 桜はオーク肉をアイテムボックスにしまうと、続いて小ビンを取り出して中の液体を明日香ちゃんの口に流し込む。


「桜ちゃん、まさかそれは」

「美鈴ちゃん、魔法の液体ですから苦さで目が覚めますわ」

 揺すって起こせばよさそうなものだが、桜はわざわざ明日香ちゃんにポーションを飲ませている。実に友達思いの性格。やがて明日香ちゃんの喉がゴクリと音を鳴らすと…


「うへぇぇ、苦いですよ~」

 ポーションには気付け薬としての作用はない、明日香ちゃんは、えも言えないその味に我慢できずに目を覚ましただけ。

 ようやく立ち上がった明日香ちゃんは相変わらずポーションの苦さに顔をしかめっ放し。だがいつまでもグズグズしていられないので、この空間で唯一の手掛かりとなりそうな祭壇に向かって四人は歩き出す。

 近付いててわかったのだが、その上には長細い木箱が置いてある。


「特に罠が仕掛けてある様子もないですわね~」
 
 桜が無造作にその箱を開けると、中にはネジくれた木の頭の部分をくり抜いて黒い石を嵌め込んだ杖が出てくる。


「まるで仙人が用いるような杖ですわ」

 桜はその杖を手に取ると興味なさげに聡史に渡す。受け取った聡史は一旦アイテムボックスに仕舞い込む。


「聡史君、さっきから色んな物を出したり仕舞ったりしているけど、どういう仕組みなのかしら?」

「ああ、これはアイテムボックスだ。スキルのひとつだな」

「なんだか便利なスキルね」

 美鈴の言葉通り非常に便利なスキル。何でも放り込んで持ち運べるうえに、アイテムボックスの内部は時間が停止しているので、生ものでもいつまでも保存がきく。更にインデックス機能が付いており、仕舞った物品の名称がわかる。さすがに鑑定スキルのように用途までは調べられないが、インデックスに〔ミスリルの剣〕といった具合に表示される。


「わかったぞ、どうやらこの杖は〔黒曜石の杖〕という名称のアイテムだ。おそらく魔法に関係のあるアイテムだと思うが、あとでゆっくりと調べてみよう。それまでは俺が預かっておく」

 こうしている間に何もなかった空間の床に魔法陣が現れる。どうやらこの杖を手に入れると出現する仕組みのよう。


「オーク肉が手に入りましたしお宝もゲットしましたわ。それでは戻りましょうか」

「桜ちゃんのおかげで酷い目に遭いましたよ~」

 こうしていまだにボヤキが止まらない明日香ちゃんを励ましながら、四人は魔法陣の中へと消えていくのだった。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「面白かった」

「続きが気になる」

「早く投稿して!」

と感じていただいた方は是非とも【お気に入り登録】や【いいねボタン】などをポチッとしていただくと作者のモチベーションに繋がります! 皆様の応援を心よりお待ちしております。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

クラスごと異世界に召喚されたんだけど別ルートで転移した俺は気の合う女子たちととある目的のために冒険者生活 勇者が困っていようが助けてやらない

枕崎 削節
ファンタジー
安西タクミ18歳、事情があって他の生徒よりも2年遅れで某高校の1学年に学期の途中で編入することになった。ところが編入初日に一歩教室に足を踏み入れた途端に部屋全体が白い光に包まれる。 「おい、このクソ神! 日本に戻ってきて2週間しか経ってないのにまた召喚かよ! いくらんでも人使いが荒すぎるぞ!」 とまあ文句を言ってみたものの、彼は否応なく異世界に飛ばされる。だがその途中でタクミだけが見慣れた神様のいる場所に途中下車して今回の召喚の目的を知る。実は過去2回の異世界召喚はあくまでもタクミを鍛えるための修行の一環であって、実は3度目の今回こそが本来彼が果たすべき使命だった。 単なる召喚と思いきや、その裏には宇宙規模の侵略が潜んでおり、タクミは地球の未来を守るために3度目の異世界行きを余儀なくされる。 自己紹介もしないうちに召喚された彼と行動を共にしてくれるクラスメートはいるのだろうか? そして本当に地球の運命なんて大そうなモノが彼の肩に懸かっているという重圧を撥ね退けて使命を果たせるのか? 剣と魔法が何よりも物を言う世界で地球と銀河の運命を賭けた一大叙事詩がここからスタートする。

倒したモンスターをカード化!~二重取りスキルで報酬倍増! デミゴッドが行く異世界旅~

乃神レンガ
ファンタジー
 謎の白い空間で、神から異世界に送られることになった主人公。  二重取りの神授スキルを与えられ、その効果により追加でカード召喚術の神授スキルを手に入れる。  更にキャラクターメイキングのポイントも、二重取りによって他の人よりも倍手に入れることができた。  それにより主人公は、本来ポイント不足で選択できないデミゴッドの種族を選び、ジンという名前で異世界へと降り立つ。  異世界でジンは倒したモンスターをカード化して、最強の軍団を作ることを目標に、世界を放浪し始めた。  しかし次第に世界のルールを知り、争いへと巻き込まれていく。  国境門が数カ月に一度ランダムに他国と繋がる世界で、ジンは様々な選択を迫られるのであった。  果たしてジンの行きつく先は魔王か神か、それとも別の何かであろうか。  現在毎日更新中。  ※この作品は『カクヨム』『ノベルアップ+』にも投稿されています。

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす

黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。 4年前に書いたものをリライトして載せてみます。

Another World〜自衛隊 まだ見ぬ世界へ〜

華厳 秋
ファンタジー
───2025年1月1日  この日、日本国は大きな歴史の転換点を迎えた。  札幌、渋谷、博多の3箇所に突如として『異界への門』──アナザーゲート──が出現した。  渋谷に現れた『門』から、異界の軍勢が押し寄せ、無抵抗の民間人を虐殺。緊急出動した自衛隊が到着した頃には、敵軍の姿はもうなく、スクランブル交差点は無惨に殺された民間人の亡骸と血で赤く染まっていた。  この緊急事態に、日本政府は『門』内部を調査するべく自衛隊を『異界』──アナザーワールド──へと派遣する事となった。  一方地球では、日本の急激な軍備拡大や『異界』内部の資源を巡って、極東での緊張感は日に日に増して行く。  そして、自衛隊は国や国民の安全のため『門』内外問わず奮闘するのであった。 この作品は、小説家になろう様カクヨム様にも投稿しています。 この作品はフィクションです。 実在する国、団体、人物とは関係ありません。ご注意ください。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー

黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた! あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。 さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。 この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。 さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。

元勇者のデブ男が愛されハーレムを築くまで

あれい
ファンタジー
田代学はデブ男である。家族には冷たくされ、学校ではいじめを受けてきた。高校入学を前に一人暮らしをするが、高校に行くのが憂鬱だ。引っ越し初日、学は異世界に勇者召喚され、魔王と戦うことになる。そして7年後、学は無事、魔王討伐を成し遂げ、異世界から帰還することになる。だが、学を召喚した女神アイリスは元の世界ではなく、男女比が1:20のパラレルワールドへの帰還を勧めてきて……。

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

処理中です...