［完結］異世界美少女の奴隷になった件

交渉

「ティナさん、お話があります」

　風呂上がり、僕はテーブルに座っていたティナと向かい合って座り、話を切り出した。

「どうしたの？改まって」
「僕をクエストに連れて行っていただけませんでしょうか？」
「ダメよ。あなたを危険な目にあわせるわけにはいかないもの」

　ティナの青い瞳を見つめて真剣にお願いしたが、あっさり断られてしまった。

「でも、魔女リースから成長促進の加護を授かったんだよ？」

　それでも僕は何とか食い下がろうとする。

「魔女リースの事だったら私も聞いたことがあるわ。強力な魔力をその身に宿し、あらゆる魔法を使いこなすことができる。それゆえに最強の魔女だと。でも、リースの成長促進の加護を得ても危険なことには変わりないと思うわ。慣れない内は特にね」

　真面目な表情でそう言った後、ティナは小声でもう一言付け加えた。

「キミは私にとってかけがえのない性奴隷そんざいなんだから……」

　頬を赤らめて、もじもじしているティナ。その様子と相まってドキッとするセリフだったように思うが、存在のニュアンスがなんか変だった気がする。
　結局、僕の要望は聞き入れられることなく話は終わってしまった。そして翌日もティナはミアとクエストに出掛けて行き、僕は一人で留守番をすることになった。