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第二章 その一歩は何をもたらす

遊のハンバーグ

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「今日はハンバーグなんですね。美味しそう」

 僕とゆうさんが料理をテーブルに運んでいる最中。
 やってきた星寧あかねが嬉しそうに言って、運ぶのを手伝ってくれる。

「実はそのハンバーグ、遊さんが作ったものなのですよ」
「え! ホントに⁉」

 星寧が目を丸くして遊さんの方を見る。
 遊さんははにかみながらも首肯してみせる。 

「うんっ、遊がつくったんだよ~」
「美味しそうに出来てるよ。すごいじゃん」
「えへへ~。シューくんに教えてもらったんだっ」
「そうなんだ。私も教えてもらえばこんな風に作れるかな?」

 そんな言葉を交わしている間に料理を並べ終える。
 白いウサギの人形を抱きかかえた依乃よりのさんとあけぼのさんもやってきて席についた。

 皆でいただきますをして、各々食事にはしを伸ばす。

「わ、遊ちゃんが作ったハンバーグ、すごくジューシー!」
「肉汁すごいですね……」

 ハンバーグを切った星寧と曙さんが、期待通りのリアクションをしてくれる。
 実際、箸で切り分けると肉汁がたっぷりあふれ出してくるのだ。

 その反応を見て、遊さんは満足げに目を細める。

「おいしー!」

 その言葉を口にしたのは依乃さん。
 素直なめ言葉ゆえに、そこから得る満足感は絶大だ。
 
 遊さんは「良かったぁ」と安堵あんどし、今日一番の笑顔を浮かべた。
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