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一年生
美味しいご飯
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うわあやばい。これはやばい。
「こっこれが・・・・・・」
「甘い誘惑・・・・・・」
薄いガラスの向こうにある宝石のように太陽の光を反射させる果物。
レディの天敵であるケーキ、マカロン、生クリーム・・・・・・。
ああ、よだれが垂れてくる。
女子はほとんど全員ショーウィンドウに張り付いていた。
「確かにおいしそうだけど、そこまでなる?」
リリーが半歩下がって私たちを見る。
「なるわよ! 値段も安いしなにより可愛いし!」
「みんなここで休憩しましょうよ」
おお・・・・・・フランメとリンダの熱が強い。
やっぱりオシャレな子は食べるものもオシャレなんだね(偏見)。
「構わないけど・・・・・・」
「店の雰囲気が俺たちにあうか、だな」
「何言ってるんですか! あうに決まってるでしょ!」
フランメがぐいぐいと二人の背中を押して店に入っていく。
「ちょ、二人とも」
「そこでご飯食べるの? 甘いものしかないと思うんだけど~」
あっという間に消えていった彼女たちを、私たちは急いで追った。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
白いフリルをふんだんにあしらった丈の短いふわっと膨らむスカート。なんだかピンクの世界観。
出迎えてくれた店員さんに席を案内され、メニュー表をもらう。
「ご注文がお決まり次第お呼びください」
「はい!」
「ありがとうございます」
男子二人女子三人で横並びになり、三人でひとつのメニューを覗き込む。
「ふわふわパンケーキだって」
「脂質多そう・・・・・・」
リリーが顔を青くする。
健康に気をつけているリリーにとっては判断に困るようだ。
「その分運動すればいいじゃない」
「こんなときぐらいハメ外さなきゃ!」
もー二人元気。
これはデザートでしょ・・・・・・。とつぶやきながらリリーはペラペラとめくっていく。
「あ」
あ?
彼女が手をとめたところを見ると、そこは主食の食べ物が載っていた。
この店は女の子向けだから甘いものが多いしそれが中心だけども、しっかりと料理もあった。
確かにね、そうじゃなきゃね。
よく見るとオシャレ~な雰囲気の男性もちらほらいる。
写真を撮っている男女二人組も見えるので、デートしているのか否か。気になるところだ。
「どれにする?」
「やっぱり名物でしょ」
「私はご飯食べたい~」
「私も」
「王子どれにします?」
「俺はそうだなーー。オムライスにでもするか」
「ブフォ!」
「? なんだリリー」
「っ、なんでもないですなんでも」
お気になさらず。とリリーが口元を拭きながら言った。
多分一国の王子がオムライス頼むとか言って反射で吹いたんだろうな。
年相応に見える。やっぱ同い年だ。
しかしーー。
二人を見るとなんかキラキラしたベールが彼らを纏っているように錯覚する。
服装でなんとか少年と認識できるがリリーが着ている服をフィンさんが着たら絶対女子にしか見えない。少女のような美しさも備えているなんて、羨ましい。
王子は王子でフィンさんより男な感じだけれどもこの店の雰囲気に合わないわけではない。席の同じ年齢層の子は頬を赤らめてチラチラと彼らを見て、フィンさんを女子だと間違えている男子も少し見ている。罪作りだし、イケメンはさすがだ。
「ではごゆっくり」
店員さんが軽く頭を下げて厨房に戻る。
お皿には色とりどりの野菜が配色良く盛られていて、大きいお肉が薄く切られて並んでいた。
ソースがかかっていてこれだけで美味しそうなのがわかる。
これを頼んだのはリリーで、『ローストビーフと季節の野菜の盛り合わせ定食』という料理名だ。
私は『濃厚ソースのパスタ』を頼み、フランメとリンダは『女子のためのスペシャルご飯』。
王子は宣言通りオムライスを頼み、フィンさんはビーフシチューを頼んでいた。
料理を店員さんが運んでくれたとき、小さなケーキも運ばれてきた。
これ間違っていますよと言ったが店員さんは頬を赤つつ「そちらのお二人に・・・・・・」ともじもじ。
目線の先には王子とフィンさん。私たちの視線に二人は苦笑していた。
「リリーって結構食いしん坊?」
「違うわ。これが美味しそうだと思ったの」
リリーがもぐもぐと口を動かす。
私も食べよっと。
フォークでひと巻きして食べたら、失礼ではあるけれども店の雰囲気と違ってちゃんと美味しい。
ぺちゃくちゃしゃべっていたらあっという間に食べ終わりお会計を済ます。
こっそり厨房を見たらものすごくイカついおっさんが大きな鍋を片腕で振るっていたというのは墓場まで持っていくつもりだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
えー、はい、皆さまお久しぶりです桜井あこです。
前回のこのスペースを何となく見たら次はこんなに間を空けずに出す的なことをわたくしはほざいておりました(ヽ´ω`)
今度はリナたちに凍らされても文句は言えません。
と、とりあえず明後日に英雄の窟に行く予定ですので
ぜひ・・・・・・みなさま・・・・・・読んでね・・・・・・。
「こっこれが・・・・・・」
「甘い誘惑・・・・・・」
薄いガラスの向こうにある宝石のように太陽の光を反射させる果物。
レディの天敵であるケーキ、マカロン、生クリーム・・・・・・。
ああ、よだれが垂れてくる。
女子はほとんど全員ショーウィンドウに張り付いていた。
「確かにおいしそうだけど、そこまでなる?」
リリーが半歩下がって私たちを見る。
「なるわよ! 値段も安いしなにより可愛いし!」
「みんなここで休憩しましょうよ」
おお・・・・・・フランメとリンダの熱が強い。
やっぱりオシャレな子は食べるものもオシャレなんだね(偏見)。
「構わないけど・・・・・・」
「店の雰囲気が俺たちにあうか、だな」
「何言ってるんですか! あうに決まってるでしょ!」
フランメがぐいぐいと二人の背中を押して店に入っていく。
「ちょ、二人とも」
「そこでご飯食べるの? 甘いものしかないと思うんだけど~」
あっという間に消えていった彼女たちを、私たちは急いで追った。
◯◯◯◯◯◯◯◯◯◯
白いフリルをふんだんにあしらった丈の短いふわっと膨らむスカート。なんだかピンクの世界観。
出迎えてくれた店員さんに席を案内され、メニュー表をもらう。
「ご注文がお決まり次第お呼びください」
「はい!」
「ありがとうございます」
男子二人女子三人で横並びになり、三人でひとつのメニューを覗き込む。
「ふわふわパンケーキだって」
「脂質多そう・・・・・・」
リリーが顔を青くする。
健康に気をつけているリリーにとっては判断に困るようだ。
「その分運動すればいいじゃない」
「こんなときぐらいハメ外さなきゃ!」
もー二人元気。
これはデザートでしょ・・・・・・。とつぶやきながらリリーはペラペラとめくっていく。
「あ」
あ?
彼女が手をとめたところを見ると、そこは主食の食べ物が載っていた。
この店は女の子向けだから甘いものが多いしそれが中心だけども、しっかりと料理もあった。
確かにね、そうじゃなきゃね。
よく見るとオシャレ~な雰囲気の男性もちらほらいる。
写真を撮っている男女二人組も見えるので、デートしているのか否か。気になるところだ。
「どれにする?」
「やっぱり名物でしょ」
「私はご飯食べたい~」
「私も」
「王子どれにします?」
「俺はそうだなーー。オムライスにでもするか」
「ブフォ!」
「? なんだリリー」
「っ、なんでもないですなんでも」
お気になさらず。とリリーが口元を拭きながら言った。
多分一国の王子がオムライス頼むとか言って反射で吹いたんだろうな。
年相応に見える。やっぱ同い年だ。
しかしーー。
二人を見るとなんかキラキラしたベールが彼らを纏っているように錯覚する。
服装でなんとか少年と認識できるがリリーが着ている服をフィンさんが着たら絶対女子にしか見えない。少女のような美しさも備えているなんて、羨ましい。
王子は王子でフィンさんより男な感じだけれどもこの店の雰囲気に合わないわけではない。席の同じ年齢層の子は頬を赤らめてチラチラと彼らを見て、フィンさんを女子だと間違えている男子も少し見ている。罪作りだし、イケメンはさすがだ。
「ではごゆっくり」
店員さんが軽く頭を下げて厨房に戻る。
お皿には色とりどりの野菜が配色良く盛られていて、大きいお肉が薄く切られて並んでいた。
ソースがかかっていてこれだけで美味しそうなのがわかる。
これを頼んだのはリリーで、『ローストビーフと季節の野菜の盛り合わせ定食』という料理名だ。
私は『濃厚ソースのパスタ』を頼み、フランメとリンダは『女子のためのスペシャルご飯』。
王子は宣言通りオムライスを頼み、フィンさんはビーフシチューを頼んでいた。
料理を店員さんが運んでくれたとき、小さなケーキも運ばれてきた。
これ間違っていますよと言ったが店員さんは頬を赤つつ「そちらのお二人に・・・・・・」ともじもじ。
目線の先には王子とフィンさん。私たちの視線に二人は苦笑していた。
「リリーって結構食いしん坊?」
「違うわ。これが美味しそうだと思ったの」
リリーがもぐもぐと口を動かす。
私も食べよっと。
フォークでひと巻きして食べたら、失礼ではあるけれども店の雰囲気と違ってちゃんと美味しい。
ぺちゃくちゃしゃべっていたらあっという間に食べ終わりお会計を済ます。
こっそり厨房を見たらものすごくイカついおっさんが大きな鍋を片腕で振るっていたというのは墓場まで持っていくつもりだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
えー、はい、皆さまお久しぶりです桜井あこです。
前回のこのスペースを何となく見たら次はこんなに間を空けずに出す的なことをわたくしはほざいておりました(ヽ´ω`)
今度はリナたちに凍らされても文句は言えません。
と、とりあえず明後日に英雄の窟に行く予定ですので
ぜひ・・・・・・みなさま・・・・・・読んでね・・・・・・。
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