14 / 23
一年生
宿泊学習のご用意
しおりを挟む
さっきから私の胸はワクワクしっぱなしだ。
今日の授業の終わりに先生に配られた用紙をベッドに寝転がって見つめる。
『宿泊学習の予定』
森の中にある二十体以上もの石像、それはメドゥーサが歴史上の英雄を石化させたというもので、その森に住んでいる羊飼いがメドゥーサに追われ、羊飼いは隠れたが彼を誘き寄せようとメドゥーサが羊を襲おうとしたときに、羊を逃がそうとその英雄たちの石像に隠れて羊を引率するための笛を吹くと、英雄たちが目を覚ましメドゥーサを森の奥深くに追い払ったという伝説が残っている場所へ行く。
その場所へ行ったとき感想を発表しないといけないらしいから事前学習したり、することは沢山ある。
でも泊まりだなんてめちゃくちゃ楽しみだ。
あー早く来ないかなーと窓から見える三日月に目を細めた。
○○○○○○○○○○
消灯二時間前。
「うっわ。メドゥーサ怖すぎ」
私、リリーは図書館でメドゥーサに関する本を読み漁っていた。
オレンジの光が白色の紙を照らす。
もうカーテンは閉まっているから、この照明だけが頼りだ。
「ラズベリーさん。まだ本読んでるのかい?」
「うわっ」
思いがけず聞こえた声に肩が揺れた。
「あ・・・・・・ルナール先生」
「ごめん、驚かせたかな」
「いえ、大丈夫です」
そっか。と言いながら彼はイスを引いて私の横へ座る。
ルナール先生。
このセビラ魔法学校火属性教師がどんな人かと聞くと十人中十人、百人中百人がイケメンだと答える。
涼しげな切れ長の目にひとつに纏めた色素の薄い髪。白いスーツが似合うこの先生は、ミステリアスな雰囲気からお年頃の少女たちはもちろん、授業の面白さから少年たち、人当たりの良さから他の教員や保護者にまで幅広い人気を得ていた。
フィンさんが属する火魔法を担当していて、他にも一般魔法で火魔法を私たちの学年に教えてくれている。
赤ぶちメガネをかけていてそれもクールでかっこいい。のだとか。世界ってイケメンには優しいよね。
「ふーん。メドゥーサか」
「はい。今度英雄の窟に行くので」
なるほどねーとルナール先生は本をパラパラとめくる。
「メドゥーサは悪魔とされることが多いんだ」
「そうなんです。三姉妹のうち唯一不死身じゃないらしくて。でも私が悪魔って聞いたらやっぱり・・・・・・」
「やっぱり?」
「“赫の悪魔”を思い出しちゃうんですよね。・・・・・・先生?」
「ん? 何かあったかい」
「あ、いえ、なにも」
それより、と先生は言葉を続けた。
「赫の悪魔ってなんだい?」
知らないんですかと聞けば肯定された。ルナール先生はここの出身じゃないらしい。
「先生どこ出身ですか?」
「結構な田舎だよ」
田舎でこんな顔の良い男が産まれるか、神様はだいぶ気分屋だ。
「じゃあ話を戻して、赫の悪魔は、千年以上生きている古代の大悪魔です。悪さも数えきれないほどで、呪師に血の呪いをかけられるっていうのが有名ですかね」
「へーえ。その悪魔は今どこに?」
「さあ。死んではいないとされています。血の呪いは“十万人の助けをすること”それが達成されるまで、死ぬことはできないとも。もしかしたら私たちのすぐ近くにいるかもしれないですね」
「確かにそうかも」
もう遅いしおやすみと言われ、時計を見たら消灯一時間前。
メドゥーサの本や、英雄の窟についての本を借りて部屋に戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
久しぶり~のとうーこう~🎶
みんな忘れてないか心配する桜井あこです。
新章ということもあってみなさんが期待しているようなものじゃないのではとも緊張しています。(こんな腐ったゴミ箱みたいなやつが何言ってんだよって話ですよね)そして、リンダとフランメが私たちを出さんかいと怒っているので、今度彼女たちについて書こうと思います(*^^*)
今日の授業の終わりに先生に配られた用紙をベッドに寝転がって見つめる。
『宿泊学習の予定』
森の中にある二十体以上もの石像、それはメドゥーサが歴史上の英雄を石化させたというもので、その森に住んでいる羊飼いがメドゥーサに追われ、羊飼いは隠れたが彼を誘き寄せようとメドゥーサが羊を襲おうとしたときに、羊を逃がそうとその英雄たちの石像に隠れて羊を引率するための笛を吹くと、英雄たちが目を覚ましメドゥーサを森の奥深くに追い払ったという伝説が残っている場所へ行く。
その場所へ行ったとき感想を発表しないといけないらしいから事前学習したり、することは沢山ある。
でも泊まりだなんてめちゃくちゃ楽しみだ。
あー早く来ないかなーと窓から見える三日月に目を細めた。
○○○○○○○○○○
消灯二時間前。
「うっわ。メドゥーサ怖すぎ」
私、リリーは図書館でメドゥーサに関する本を読み漁っていた。
オレンジの光が白色の紙を照らす。
もうカーテンは閉まっているから、この照明だけが頼りだ。
「ラズベリーさん。まだ本読んでるのかい?」
「うわっ」
思いがけず聞こえた声に肩が揺れた。
「あ・・・・・・ルナール先生」
「ごめん、驚かせたかな」
「いえ、大丈夫です」
そっか。と言いながら彼はイスを引いて私の横へ座る。
ルナール先生。
このセビラ魔法学校火属性教師がどんな人かと聞くと十人中十人、百人中百人がイケメンだと答える。
涼しげな切れ長の目にひとつに纏めた色素の薄い髪。白いスーツが似合うこの先生は、ミステリアスな雰囲気からお年頃の少女たちはもちろん、授業の面白さから少年たち、人当たりの良さから他の教員や保護者にまで幅広い人気を得ていた。
フィンさんが属する火魔法を担当していて、他にも一般魔法で火魔法を私たちの学年に教えてくれている。
赤ぶちメガネをかけていてそれもクールでかっこいい。のだとか。世界ってイケメンには優しいよね。
「ふーん。メドゥーサか」
「はい。今度英雄の窟に行くので」
なるほどねーとルナール先生は本をパラパラとめくる。
「メドゥーサは悪魔とされることが多いんだ」
「そうなんです。三姉妹のうち唯一不死身じゃないらしくて。でも私が悪魔って聞いたらやっぱり・・・・・・」
「やっぱり?」
「“赫の悪魔”を思い出しちゃうんですよね。・・・・・・先生?」
「ん? 何かあったかい」
「あ、いえ、なにも」
それより、と先生は言葉を続けた。
「赫の悪魔ってなんだい?」
知らないんですかと聞けば肯定された。ルナール先生はここの出身じゃないらしい。
「先生どこ出身ですか?」
「結構な田舎だよ」
田舎でこんな顔の良い男が産まれるか、神様はだいぶ気分屋だ。
「じゃあ話を戻して、赫の悪魔は、千年以上生きている古代の大悪魔です。悪さも数えきれないほどで、呪師に血の呪いをかけられるっていうのが有名ですかね」
「へーえ。その悪魔は今どこに?」
「さあ。死んではいないとされています。血の呪いは“十万人の助けをすること”それが達成されるまで、死ぬことはできないとも。もしかしたら私たちのすぐ近くにいるかもしれないですね」
「確かにそうかも」
もう遅いしおやすみと言われ、時計を見たら消灯一時間前。
メドゥーサの本や、英雄の窟についての本を借りて部屋に戻った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
久しぶり~のとうーこう~🎶
みんな忘れてないか心配する桜井あこです。
新章ということもあってみなさんが期待しているようなものじゃないのではとも緊張しています。(こんな腐ったゴミ箱みたいなやつが何言ってんだよって話ですよね)そして、リンダとフランメが私たちを出さんかいと怒っているので、今度彼女たちについて書こうと思います(*^^*)
1
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
この世界で唯一『スキル合成』の能力を持っていた件
なかの
ファンタジー
異世界に転生した僕。
そこで与えられたのは、この世界ただ一人だけが持つ、ユニークスキル『スキル合成 - シンセサイズ』だった。
このユニークスキルを武器にこの世界を無双していく。
【web累計100万PV突破!】
著/イラスト なかの
Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~
神城弥生
ファンタジー
なろう小説サイトにて「HJ文庫2018」一次審査突破しました!!
皆様のおかげでなろうサイトで120万pv達成しました!
ありがとうございます!
VRMMOを造った山下グループの最高傑作「Another Of Life Game」。
山下哲二が、死ぬ間際に完成させたこのゲームに込めた思いとは・・・?
それでは皆様、AOLの世界をお楽しみ下さい!
毎週土曜日更新(偶に休み)
病弱だったから異世界で元気に生活する。(仮)
椎茸大使
ファンタジー
病弱だった青年が異世界へと召喚される。そこで彼は初めて自身が病弱だった理由を知る。
そして異世界へと降り立った青年は何をするのか。
これはそんな青年の異世界妖怪使役ファンタジー(仮)である。
※ノリと勢いで書いた物です。メインが微ユニなのでこちらの投稿は不定期になります。
僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~
SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。
ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。
『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』
『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』
そんな感じ。
『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。
隔週日曜日に更新予定。
Crystal of Latir
鳳
ファンタジー
西暦2011年、大都市晃京に無数の悪魔が現れ
人々は混迷に覆われてしまう。
夜間の内に23区周辺は封鎖。
都内在住の高校生、神来杜聖夜は奇襲を受ける寸前
3人の同級生に助けられ、原因とされる結晶
アンジェラスクリスタルを各地で回収するよう依頼。
街を解放するために協力を頼まれた。
だが、脅威は外だけでなく、内からによる事象も顕在。
人々は人知を超えた異質なる価値に魅入られ、
呼びかけられる何処の塊に囚われてゆく。
太陽と月の交わりが訪れる暦までに。
今作品は2019年9月より執筆開始したものです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、
実在のものとは関係ありません。
追われる身にもなってくれ!
文月つらら
ファンタジー
身に覚えがないのに指名手配犯として追われるようになった主人公。捕まれば処刑台送りの運命から逃れるべく、いつの間にか勝手に増えた仲間とともに行き当たりばったりの逃避行へ。どこかおかしい仲間と主人公のドタバタ冒険ファンタジー小説。
くじ引きで決められた転生者 ~スローライフを楽しんでって言ったのに邪神を討伐してほしいってどゆこと!?~
はなとすず
ファンタジー
僕の名前は高橋 悠真(たかはし ゆうま)
神々がくじ引きで決めた転生者。
「あなたは通り魔に襲われた7歳の女の子を庇い、亡くなりました。我々はその魂の清らかさに惹かれました。あなたはこの先どのような選択をし、どのように生きるのか知りたくなってしまったのです。ですがあなたは地球では消えてしまった存在。ですので異世界へ転生してください。我々はあなたに試練など与える気はありません。どうぞ、スローライフを楽しんで下さい」
って言ったのに!なんで邪神を討伐しないといけなくなったんだろう…
まぁ、早く邪神を討伐して残りの人生はスローライフを楽しめばいいか
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる