1LDKの恋

ハリネズミ

文字の大きさ
上 下
5 / 9

4 大輔 二年生

しおりを挟む
 二年生になった大輔は少し幼さは残すものの男の子から大人の男性へと成長する途中で、より男性へと近づいていた。
 時折見せる男らしい仕草に少しだけドキリとする。

 僕は計画を進める事にした。
 僕から大輔にしなだれかかり、セックスに誘ってみた。
 大輔は戸惑いながらもこくりと頷いた。
 そりゃあそうだ。彼らの目的は最初からセックスなのだから。
 そう考えれば一年もの間キスもなしでよく耐えたものだ。

 僕のリードで始まる。
 唇を重ね。舌を割りいれ、恐らく大輔にとっては初めてのキス。
 その事に悦びを感じながらも、どうせお前もと同じだと身体は熱くなるのに心が冷えていくのを感じた。

 大輔は拙いながらも一生懸命僕の事を気持ちよくさせようとしてくれた。
 恐る恐る、まるで壊れ物でも扱うように優しく触れた。
 久しぶりの事で気持ちいいというよりはくすぐったかった。
 僕がくすぐったくて笑うと大輔は拗ねたように口を尖らせたけど、

「もっと触って? 気持ちいいよ……」

 僕の一言に嬉しそうに笑って愛撫を続けた。
 いつものキラキラの瞳には雄の欲が宿っていた。

 硬く閉ざされた後ろを細い指で念入りに解す。
 どこから知識を入れて来たのか――。ああ時間はたっぷりあったな。
 一年もあれば色々と調べる事はできる。ヤリ目にしても後で面倒にならないようにこのくらいの事はするか。
 僕の中で蠢く指。

 ――――気持ち悪い。

 大輔が、じゃない。
 自分の事が堪らなく気持ち悪いと感じていた。
 それでも止める事はできなかった。

 僕はいちいち声を上げ感じているフリをした。
 そして大輔のモノが挿入はいってきて、僕は小さく「痛い……」と啼いた。
 成長途中の大輔のモノは大きすぎるという事はないし、久しぶりだったから圧迫感はあったが痛いという程でもない。それにこれでもかってくらい解してくれたから痛いはずはなかった。
 それなのになぜか「痛い」という言葉が口をついて出た。
 僕の声にヤル事しか頭にないはずの大輔の動きが止まった。
 僕の痛みを訴える声を聞き、中折れしてしまったのだ。
 ぎょっとして何度も「痛くないよ。大丈夫だから」って言ったけど、大輔のモノは復活する事はなかった。


 どうせなら僕が泣こうが喚こうが好きに抱いてくれたらよかったのに――。
 それからの僕たちは時々キスはするようになったけど、それ以上はする事はなかった。



 大輔が卒業するまであと1年――――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】相談する相手を、間違えました

ryon*
BL
長い間片想いしていた幼なじみの結婚を知らされ、30歳の誕生日前日に失恋した大晴。 自棄になり訪れた結婚相談所で、高校時代の同級生にして学内のカースト最上位に君臨していた男、早乙女 遼河と再会して・・・ *** 執着系美形攻めに、あっさりカラダから堕とされる自称平凡地味陰キャ受けを書きたかった。 ただ、それだけです。 *** 他サイトにも、掲載しています。 てんぱる1様の、フリー素材を表紙にお借りしています。 *** エブリスタで2022/5/6~5/11、BLトレンドランキング1位を獲得しました。 ありがとうございました。 *** 閲覧への感謝の気持ちをこめて、5/8 遼河視点のSSを追加しました。 ちょっと闇深い感じですが、楽しんで頂けたら幸いです(*´ω`*) *** 2022/5/14 エブリスタで保存したデータが飛ぶという不具合が出ているみたいで、ちょっとこわいのであちらに置いていたSSを念のためこちらにも転載しておきます。

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

彼は罰ゲームでおれと付き合った

和泉奏
BL
「全部嘘だったなんて、知りたくなかった」

例え何度戻ろうとも僕は悪役だ…

東間
BL
ゲームの世界に転生した留木原 夜は悪役の役目を全うした…愛した者の手によって殺害される事で…… だが、次目が覚めて鏡を見るとそこには悪役の幼い姿が…?! ゲームの世界で再び悪役を演じる夜は最後に何を手に? 攻略者したいNO1の悪魔系王子と無自覚天使系悪役公爵のすれ違い小説!

愛しているかもしれない 傷心富豪アルファ×ずぶ濡れ家出オメガ ~君の心に降る雨も、いつかは必ず上がる~

大波小波
BL
 第二性がアルファの平 雅貴(たいら まさき)は、30代の若さで名門・平家の当主だ。  ある日、車で移動中に、雨の中ずぶ濡れでうずくまっている少年を拾う。  白沢 藍(しらさわ あい)と名乗るオメガの少年は、やつれてみすぼらしい。  雅貴は藍を屋敷に招き、健康を取り戻すまで滞在するよう勧める。  藍は雅貴をミステリアスと感じ、雅貴は藍を訳ありと思う。  心に深い傷を負った雅貴と、悲惨な身の上の藍。  少しずつ距離を縮めていく、二人の生活が始まる……。

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

好きな男が他の女と結婚する

和泉奏
BL
俺達は、ずっと友達で、同級生で、…男同士で、 だから…「好き」だなんて感情、言葉にできるはずもなかった。 社会人×社会人

それ以上近づかないでください。

ぽぽ
BL
「誰がお前のことなんか好きになると思うの?」 地味で冴えない小鳥遊凪は、ある日、憧れの人である蓮見馨に不意に告白をしてしまい、2人は付き合うことになった。 まるで夢のような時間――しかし、その恋はある出来事をきっかけに儚くも終わりを迎える。 転校を機に、馨のことを全てを忘れようと決意した凪。もう二度と彼と会うことはないはずだった。 ところが、あることがきっかけで馨と再会することになる。 「本当に可愛い。」 「凪、俺以外のやつと話していいんだっけ?」 かつてとはまるで別人のような馨の様子に戸惑う凪。 「お願いだから、僕にもう近づかないで」

処理中です...