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② @大輔
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そんな事があった日、珍しく職場の飲み会で先生の帰りが遅くなった。
いつも夜はオレから電話したりしていたけど、流石に迷惑だと思い今日は早目に寝ようとベッドに入ったところだった。
マナーモードにしていたスマホが着信を知らせ震えた。
23時過ぎに珍しくかかってきたセンセーからの電話。
酔っぱらっているのか少し呂律が回っておらず、話してる内容も支離滅裂なところがあった。だけど、センセーの話の中に出て来た『1LDK』。オレはこれを聞いて昼間聞いたセンセーと元彼の話を思い出していた。
センセーが愛すのはオレが高校生でいる間だけ。
昼間の話がなければオレの方が卒業したら捨てられるって思っていたかもしれない。だけど、多分違う。センセーが捨てられるって思ってるんだ。
オレの気持ちがセンセーにちっとも届いていなかった事が寂しくて、それと同時にそんな事を考えなくちゃいけなかったセンセーの気持ちを思うと胸が痛くて痛くて堪らなかった。
数日後、センセーの様子が少しおかしいと感じた。
オレがいつものようにセンセーの所に行くと、どこかその瞳は濡れていて、だけど身体は強張っているような、そんな感じだ。
訊いても教えてはくれない事は分かっていたから、気づかないフリでセンセーの出方を見る事にした。
素知らぬ顔でソファーに座ると、センセーはそっとオレにしなだれかかってきて、誘うようにオレの事を見た。
こないだ昔の話を聞いたばかりだけど、そんな姿を見てもやっぱりセンセーがビッチだなんて思えなかった。
センセーの身体が僅かに震えていたからだ。
何で急にそんな事をするのか、何に対して震えているのか、分からなくて戸惑ったけどオレはセンセーの事を愛したいと思ったから、センセーがそれを望むなら、とこくりと頷いた。
それはセンセーのリードで始まった。
キス自体初めてなのに大人のキスに息ができなくて苦しい。
センセーには翻弄されっぱなしだ。だけどオレだってやられっぱなしではいなかった。
センセーの傷ついた心を癒してあげたい。
センセーの中をオレでいっぱいにして嫌な事全部忘れさせてあげたい。
そんな想いを込めて大事な宝物を扱うように優しく触れた。
聞こえてくるセンセーの色っぽい吐息に自分の欲を優先させてしまいそうになるけど、必死に我慢してセンセーに優しく触れ続けた。
途中くすぐったかったのかセンセーが笑ったので、オレは少しだけ拗ねて口を尖らせた。
真剣なのにすぐ子ども扱いする……ひどいや。
「もっと触って? 気持ちいいよ……」
拗ねるオレの手を取って指先に唇を寄せた。
センセーのオレを見る瞳が優しくて、色っぽくて。
気を取り直して続きをする。
センセーの硬く閉ざされた後ろを執拗に解し、猛りまくって限界に近いモノを挿入れようとして、少し入ったところでセンセーが「痛い……」って小さく啼いたんだ。
オレはその声を聞いて、まだ半分も挿入っていなかったけどオレのモノは完全に力を失った。
感じからして多分これはオレのモノが痛かったわけじゃなさそうだった。
きっとこれはセンセーの心の痛み。
センセーは本当はオレとこういう事したいって思っていなかった?
センセーはオレのモノが復活の兆しもないのを見て、慌てて何度も「痛くないよ。大丈夫だから」って言ったけど、今のセンセーに本当に必要なのはコレじゃないって思えたから、オレは黙ってセンセーの事を抱きしめ続けた。
センセ、好きだよ。愛してる。
――――だからお願い。オレの事……捨てないで……。
いつも夜はオレから電話したりしていたけど、流石に迷惑だと思い今日は早目に寝ようとベッドに入ったところだった。
マナーモードにしていたスマホが着信を知らせ震えた。
23時過ぎに珍しくかかってきたセンセーからの電話。
酔っぱらっているのか少し呂律が回っておらず、話してる内容も支離滅裂なところがあった。だけど、センセーの話の中に出て来た『1LDK』。オレはこれを聞いて昼間聞いたセンセーと元彼の話を思い出していた。
センセーが愛すのはオレが高校生でいる間だけ。
昼間の話がなければオレの方が卒業したら捨てられるって思っていたかもしれない。だけど、多分違う。センセーが捨てられるって思ってるんだ。
オレの気持ちがセンセーにちっとも届いていなかった事が寂しくて、それと同時にそんな事を考えなくちゃいけなかったセンセーの気持ちを思うと胸が痛くて痛くて堪らなかった。
数日後、センセーの様子が少しおかしいと感じた。
オレがいつものようにセンセーの所に行くと、どこかその瞳は濡れていて、だけど身体は強張っているような、そんな感じだ。
訊いても教えてはくれない事は分かっていたから、気づかないフリでセンセーの出方を見る事にした。
素知らぬ顔でソファーに座ると、センセーはそっとオレにしなだれかかってきて、誘うようにオレの事を見た。
こないだ昔の話を聞いたばかりだけど、そんな姿を見てもやっぱりセンセーがビッチだなんて思えなかった。
センセーの身体が僅かに震えていたからだ。
何で急にそんな事をするのか、何に対して震えているのか、分からなくて戸惑ったけどオレはセンセーの事を愛したいと思ったから、センセーがそれを望むなら、とこくりと頷いた。
それはセンセーのリードで始まった。
キス自体初めてなのに大人のキスに息ができなくて苦しい。
センセーには翻弄されっぱなしだ。だけどオレだってやられっぱなしではいなかった。
センセーの傷ついた心を癒してあげたい。
センセーの中をオレでいっぱいにして嫌な事全部忘れさせてあげたい。
そんな想いを込めて大事な宝物を扱うように優しく触れた。
聞こえてくるセンセーの色っぽい吐息に自分の欲を優先させてしまいそうになるけど、必死に我慢してセンセーに優しく触れ続けた。
途中くすぐったかったのかセンセーが笑ったので、オレは少しだけ拗ねて口を尖らせた。
真剣なのにすぐ子ども扱いする……ひどいや。
「もっと触って? 気持ちいいよ……」
拗ねるオレの手を取って指先に唇を寄せた。
センセーのオレを見る瞳が優しくて、色っぽくて。
気を取り直して続きをする。
センセーの硬く閉ざされた後ろを執拗に解し、猛りまくって限界に近いモノを挿入れようとして、少し入ったところでセンセーが「痛い……」って小さく啼いたんだ。
オレはその声を聞いて、まだ半分も挿入っていなかったけどオレのモノは完全に力を失った。
感じからして多分これはオレのモノが痛かったわけじゃなさそうだった。
きっとこれはセンセーの心の痛み。
センセーは本当はオレとこういう事したいって思っていなかった?
センセーはオレのモノが復活の兆しもないのを見て、慌てて何度も「痛くないよ。大丈夫だから」って言ったけど、今のセンセーに本当に必要なのはコレじゃないって思えたから、オレは黙ってセンセーの事を抱きしめ続けた。
センセ、好きだよ。愛してる。
――――だからお願い。オレの事……捨てないで……。
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