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惚れっぽい男(2)
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「いつまで泣いてるんだ。それ急ぎだろ? あとで泣きついてきても知らねーぞ」
口ではつれない事を言いつつもハンカチを差し出してやる。
「はい!」
相模はそれを嬉しそうに受け取って、涙を拭かずに大事に鞄にしまってしまう。
いつもの事なので、「をいをい」と思うが何も言わない。
こうやって俺のハンカチが何枚も返ってこないのだが……どういう訳なのか未だに分からない。
「へへ。頑張ります!」
涙はどこへいったのかと思うが、相模が嬉しそうに笑うからまぁいいかと思う。
本当俺の『好き』は厄介だ。
一度告白されて以来何も無いのに。
頼られると嬉しいと思ってしまう。
さっきの峰さんに告白した理由からしたら、『ハンカチを貸す』これだって立派な告白案件じゃねーのかよ。
と、あれ以来告白してこない事に少しだけイラっとするんだからどうしようもない。
ま、いざ告白されてもこいつの好きを信じる事が出来ないのに何を考えているんだか。
自分でも分かってはいるが支離滅裂で、随分と自分勝手だ。
俺は気持ちを誤魔化すようにガシガシと頭を掻きため息をついた。
そして、何事もなかったかのようにキーボードを打ち続けた。
口ではつれない事を言いつつもハンカチを差し出してやる。
「はい!」
相模はそれを嬉しそうに受け取って、涙を拭かずに大事に鞄にしまってしまう。
いつもの事なので、「をいをい」と思うが何も言わない。
こうやって俺のハンカチが何枚も返ってこないのだが……どういう訳なのか未だに分からない。
「へへ。頑張ります!」
涙はどこへいったのかと思うが、相模が嬉しそうに笑うからまぁいいかと思う。
本当俺の『好き』は厄介だ。
一度告白されて以来何も無いのに。
頼られると嬉しいと思ってしまう。
さっきの峰さんに告白した理由からしたら、『ハンカチを貸す』これだって立派な告白案件じゃねーのかよ。
と、あれ以来告白してこない事に少しだけイラっとするんだからどうしようもない。
ま、いざ告白されてもこいつの好きを信じる事が出来ないのに何を考えているんだか。
自分でも分かってはいるが支離滅裂で、随分と自分勝手だ。
俺は気持ちを誤魔化すようにガシガシと頭を掻きため息をついた。
そして、何事もなかったかのようにキーボードを打ち続けた。
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