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42. デートのようです②
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「どうでしょうか……?」
アドルフ様から渡されたアクセサリーを全部身に着け終えて、声をかる私。
一方のアドルフ様はというと、私が渡したイヤリングを着けるのに苦戦していた。
ちなみに、私達が暮らす王国では、殿方もイヤリングや首飾りの類を身に着けることは普通になっている。
もちろん、その辺りは自由になっているから、女性も男性も着ける人と着けない人に分かれる。
アドルフ様は着けない側だから、苦戦しているのね……。
「ちょっと待って欲しい」
「私が着けましょうか?」
「すまない。お願いしたい」
私が提案すると、すんなりと受け入れられた。
こういう時、プライドから頑なに手伝わせてくれない殿方も居るそうなのだけど、アドルフ様は出来ないことは割り切るタイプらしい。
今まで微妙な距離だったからかしら?
こうして一緒に過ごしていると、今まで知らなかったことを知れて、距離が縮んでいるように感じてしまう。
「はい、出来ました。すごく似合ってますわ」
「ありがとう。こんなにも早く着けられるものなのだな」
「ええ。少し練習すれば出来るようになりますわ」
そんなことをお話ししながら、2人で姿見の前に立ってみる。
お互いに似たデザインのものを選んでいたから、雰囲気も似ているように見えた。
……雰囲気が似ているように見えたのは気のせいよね。
「お二人とも、お似合いですよ」
「ありがとうございます」
「新婚なのですか?」
「いえ、まだ結婚までは……」
どう見たら私達が夫婦に見えるのよ!?
咄嗟に心の中で叫んでしまったけれど、政略結婚の時は今の私とアドルフ様の距離よりも離れていることの方が多いから、夫婦に見えてしまったのかもしれないわ。
喜ばしいことなのは分かっているけれど、誤解される訳にはいかないから、すぐに否定した。
「婚約者同士だったのですね。
仲が良いようでしたので、勘違いをしてしまいました」
「仲が良いように見えるのか?」
「ええ。私にはそのように見えています」
「そうなのか……良かった」
安心したように呟くアドルフ様。
でも、女性が苦手なのは相変わらずみたいで、店員さんから距離を置いている。
そのことに店員さんも気が付いたみたいで、私も距離を置かれることになってしまった。
アドルフ様がずっと隣に居るから。
「サーシャ、気に入ったかな?」
「ええ。アドルフ様は気に入られましたか?」
「もちろんだ。
今試したもの全て購入します。手配をお願いします」
「畏まりました」
店員さんがカウンターの向こうに移動するところを横目に、慌てた私はアドルフ様のすぐ隣に移動して、こんな問いかけをした。
「本当に全部プレゼントして頂けるのですか……? 財政が傾いたりしませんか?」
「もちろん、全部プレゼントするつもりで来ている。この程度で財政が傾くほど俺の家は弱くないから、心配しなくても大丈夫だ」
「そうなのですね……。
これ、どこに置いてありましたか?」
試着していた見本を戻そうと思って問いかける私。
すると、アドルフ様は表情を変えずに、一際目立つ装飾が施されている場所を指さしてくれた。
この耳飾りって、こんなにお高いのね……!
私が持っている装飾品をかき集めてようやく5個買えるくらいの値段だから、本当にプレゼントなのか疑問に思ってしまうわ。
子爵家と侯爵家とでは、こんなにも差があるのね……。
私が驚いている間にアドルフ様は購入の手続きを済ませたみたいで、爽やかな笑顔と共に手を引かれた。
「次はあのカフェに行こう」
「ええ。楽しみですわ」
手を繋いで道を渡る私達。
まだ少しだけ緊張するけれど、私達の関係は一歩くらい前進している気がした。
アドルフ様から渡されたアクセサリーを全部身に着け終えて、声をかる私。
一方のアドルフ様はというと、私が渡したイヤリングを着けるのに苦戦していた。
ちなみに、私達が暮らす王国では、殿方もイヤリングや首飾りの類を身に着けることは普通になっている。
もちろん、その辺りは自由になっているから、女性も男性も着ける人と着けない人に分かれる。
アドルフ様は着けない側だから、苦戦しているのね……。
「ちょっと待って欲しい」
「私が着けましょうか?」
「すまない。お願いしたい」
私が提案すると、すんなりと受け入れられた。
こういう時、プライドから頑なに手伝わせてくれない殿方も居るそうなのだけど、アドルフ様は出来ないことは割り切るタイプらしい。
今まで微妙な距離だったからかしら?
こうして一緒に過ごしていると、今まで知らなかったことを知れて、距離が縮んでいるように感じてしまう。
「はい、出来ました。すごく似合ってますわ」
「ありがとう。こんなにも早く着けられるものなのだな」
「ええ。少し練習すれば出来るようになりますわ」
そんなことをお話ししながら、2人で姿見の前に立ってみる。
お互いに似たデザインのものを選んでいたから、雰囲気も似ているように見えた。
……雰囲気が似ているように見えたのは気のせいよね。
「お二人とも、お似合いですよ」
「ありがとうございます」
「新婚なのですか?」
「いえ、まだ結婚までは……」
どう見たら私達が夫婦に見えるのよ!?
咄嗟に心の中で叫んでしまったけれど、政略結婚の時は今の私とアドルフ様の距離よりも離れていることの方が多いから、夫婦に見えてしまったのかもしれないわ。
喜ばしいことなのは分かっているけれど、誤解される訳にはいかないから、すぐに否定した。
「婚約者同士だったのですね。
仲が良いようでしたので、勘違いをしてしまいました」
「仲が良いように見えるのか?」
「ええ。私にはそのように見えています」
「そうなのか……良かった」
安心したように呟くアドルフ様。
でも、女性が苦手なのは相変わらずみたいで、店員さんから距離を置いている。
そのことに店員さんも気が付いたみたいで、私も距離を置かれることになってしまった。
アドルフ様がずっと隣に居るから。
「サーシャ、気に入ったかな?」
「ええ。アドルフ様は気に入られましたか?」
「もちろんだ。
今試したもの全て購入します。手配をお願いします」
「畏まりました」
店員さんがカウンターの向こうに移動するところを横目に、慌てた私はアドルフ様のすぐ隣に移動して、こんな問いかけをした。
「本当に全部プレゼントして頂けるのですか……? 財政が傾いたりしませんか?」
「もちろん、全部プレゼントするつもりで来ている。この程度で財政が傾くほど俺の家は弱くないから、心配しなくても大丈夫だ」
「そうなのですね……。
これ、どこに置いてありましたか?」
試着していた見本を戻そうと思って問いかける私。
すると、アドルフ様は表情を変えずに、一際目立つ装飾が施されている場所を指さしてくれた。
この耳飾りって、こんなにお高いのね……!
私が持っている装飾品をかき集めてようやく5個買えるくらいの値段だから、本当にプレゼントなのか疑問に思ってしまうわ。
子爵家と侯爵家とでは、こんなにも差があるのね……。
私が驚いている間にアドルフ様は購入の手続きを済ませたみたいで、爽やかな笑顔と共に手を引かれた。
「次はあのカフェに行こう」
「ええ。楽しみですわ」
手を繋いで道を渡る私達。
まだ少しだけ緊張するけれど、私達の関係は一歩くらい前進している気がした。
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