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39. リリアside 邪魔されたから⑤
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「どういうことが説明しろ。リリアはずっと屋敷に居たんだぞ。
人殺しなんて出来るわけがない」
オズワルド様もおかしいと思ってくれたのね。
突き出された剣をものともしないで、そう声を上げてくれた。
「潔白を証明するのでしたら、ご同行願います。もしも我々の要求に従わなかった場合、反逆罪が適用されます」
「……わかった。リリア、今は大人しく従おう」
騎士団も酷いのね!
わたしみたいに可愛い令嬢を脅して連れていこうとするだなんて、犯罪組織と同じじゃない!
「わたし、連れていかれたくないですわ」
「どうやっても無理だ。ここは大人しく従った方が良い」
「オズワルド様まで酷いことを言うのね!」
今は誰も頼れないみたい。
だから、わたしは逃げようとした。
でも、上手くいかなくて、そのまま腕を掴まれてしまったの。
それからはあっという間だったわ。
どんなに反論しても、全部わたしが悪いことにされて、あの女を庇うの。
わたしは直接殺したりして無いのに、信じられないわ。
何も手を出さなくても死刑になるだなんて!
「これより、罪人リリアの処刑を執り行う。
罪人よ、跪け」
「わたしは悪くないのに……。全員、呪われれば良いのよ!」
抵抗していたら、頭を掴まれて、勢いよく断頭台に押し付けられた。
か弱い令嬢に対する扱いがこれなら、女性には絶対気に入られないわよ?
「罪人リリアは王家の血を引き、癒しの力を持つお方を嫉妬から殺めた。
証拠は揃っており、言い逃れの余地は無い。よって、この死刑は正当なものである!」
断頭台のささくれがチクチクして、すっごく不快。
わたしはやり直しできるから死刑は気にならないけど、こんな風にたくさんの人の前で惨めな姿を晒すのは最悪の気分なの。
だから早く一思いに斬って欲しいのに!
「では、死刑を執行します」
そんな風に思っていたら、鈍い音がした。
ようやく斬られたのね……。
処刑されたと自覚したのは、次に目が覚めた時だったけれど。
死ねばやり直し出来る。
だから失敗しても、何度だって復讐できるみたい。
でも、オズワルド様は私を裏切るからダメね。
もっとたくさんの味方を着けなくちゃ。
そう思ったから、巻き戻った日のうちにオズワルド様や他の男の人達に声をかけていった。
わたし、やっぱり魅力的みたいだから、少し笑顔を浮かべたりするだけで言うことを聞いてもらえるの。
女に必要なのはやっぱり愛想よね!
サーシャみたいに笑顔が少ないと、みんなに嫌われちゃうのよ?
他の令嬢達も、わたしを睨んでないで笑顔を浮かべた方が良いと思うの!
少しだけ、そんなことも思ったけど、わたしの目的はずっと同じ。
わたしが苦しまされたお返しに、苦しみながら死んでもらうの。
だから色々な手を試したわ。
でも、全部失敗した。
いつも死ぬのはわたしだけ。
剣で胸を貫かれて生きているだなんて、化け物よ! 魔物としか思えないわ!
毒を使った時は誰にも気付かれずに殺せたと思ったわ。
それなのにサーシャには何も起きていなかった。
きっと気付かれなかったのね。
そう思ったのに、いつ呼んだのか分からない騎士団に囲まれていたの。
未遂だと死刑にならないから、困ったわ。
だから、飛び降りて死ぬことにした。
死刑じゃなくても巻き戻れるはずだもの。
でも……次に目を覚ました時、わたしは牢に入れられていた。
こうなってしまったら、無罪になるようにするしかないわ。
だから、わたしは騎士達にお願いして、証拠を消してもらうことにした。
上目づかいで瞳をうるうるさせたら、みんなお願いを聞いてくれたの。
頭を打ったお陰かしら? わたしは男の人を従順に出来る力にも目覚めたわ。
だから、捕まってしまったけど無罪になるはずなの。
そう思っていたのに……。
どうして、檻に入れられているの?
どうして、蔑む目でたくさんの人に見られているの?
「なんでこんな危ないものを近付けられなきゃいけないのよ!?」
「処刑よりは良いだろう? 大人しくしろ」
「いやよ! こんな惨めな思いをするくらいなら処刑された方がマシよ!」
こんな嫌な気持ちになるなら、今すぐ死んでやり直したいわ。
そうだわ。
この変な石を砕いたら、刃物の代わりになるかしら?
人殺しなんて出来るわけがない」
オズワルド様もおかしいと思ってくれたのね。
突き出された剣をものともしないで、そう声を上げてくれた。
「潔白を証明するのでしたら、ご同行願います。もしも我々の要求に従わなかった場合、反逆罪が適用されます」
「……わかった。リリア、今は大人しく従おう」
騎士団も酷いのね!
わたしみたいに可愛い令嬢を脅して連れていこうとするだなんて、犯罪組織と同じじゃない!
「わたし、連れていかれたくないですわ」
「どうやっても無理だ。ここは大人しく従った方が良い」
「オズワルド様まで酷いことを言うのね!」
今は誰も頼れないみたい。
だから、わたしは逃げようとした。
でも、上手くいかなくて、そのまま腕を掴まれてしまったの。
それからはあっという間だったわ。
どんなに反論しても、全部わたしが悪いことにされて、あの女を庇うの。
わたしは直接殺したりして無いのに、信じられないわ。
何も手を出さなくても死刑になるだなんて!
「これより、罪人リリアの処刑を執り行う。
罪人よ、跪け」
「わたしは悪くないのに……。全員、呪われれば良いのよ!」
抵抗していたら、頭を掴まれて、勢いよく断頭台に押し付けられた。
か弱い令嬢に対する扱いがこれなら、女性には絶対気に入られないわよ?
「罪人リリアは王家の血を引き、癒しの力を持つお方を嫉妬から殺めた。
証拠は揃っており、言い逃れの余地は無い。よって、この死刑は正当なものである!」
断頭台のささくれがチクチクして、すっごく不快。
わたしはやり直しできるから死刑は気にならないけど、こんな風にたくさんの人の前で惨めな姿を晒すのは最悪の気分なの。
だから早く一思いに斬って欲しいのに!
「では、死刑を執行します」
そんな風に思っていたら、鈍い音がした。
ようやく斬られたのね……。
処刑されたと自覚したのは、次に目が覚めた時だったけれど。
死ねばやり直し出来る。
だから失敗しても、何度だって復讐できるみたい。
でも、オズワルド様は私を裏切るからダメね。
もっとたくさんの味方を着けなくちゃ。
そう思ったから、巻き戻った日のうちにオズワルド様や他の男の人達に声をかけていった。
わたし、やっぱり魅力的みたいだから、少し笑顔を浮かべたりするだけで言うことを聞いてもらえるの。
女に必要なのはやっぱり愛想よね!
サーシャみたいに笑顔が少ないと、みんなに嫌われちゃうのよ?
他の令嬢達も、わたしを睨んでないで笑顔を浮かべた方が良いと思うの!
少しだけ、そんなことも思ったけど、わたしの目的はずっと同じ。
わたしが苦しまされたお返しに、苦しみながら死んでもらうの。
だから色々な手を試したわ。
でも、全部失敗した。
いつも死ぬのはわたしだけ。
剣で胸を貫かれて生きているだなんて、化け物よ! 魔物としか思えないわ!
毒を使った時は誰にも気付かれずに殺せたと思ったわ。
それなのにサーシャには何も起きていなかった。
きっと気付かれなかったのね。
そう思ったのに、いつ呼んだのか分からない騎士団に囲まれていたの。
未遂だと死刑にならないから、困ったわ。
だから、飛び降りて死ぬことにした。
死刑じゃなくても巻き戻れるはずだもの。
でも……次に目を覚ました時、わたしは牢に入れられていた。
こうなってしまったら、無罪になるようにするしかないわ。
だから、わたしは騎士達にお願いして、証拠を消してもらうことにした。
上目づかいで瞳をうるうるさせたら、みんなお願いを聞いてくれたの。
頭を打ったお陰かしら? わたしは男の人を従順に出来る力にも目覚めたわ。
だから、捕まってしまったけど無罪になるはずなの。
そう思っていたのに……。
どうして、檻に入れられているの?
どうして、蔑む目でたくさんの人に見られているの?
「なんでこんな危ないものを近付けられなきゃいけないのよ!?」
「処刑よりは良いだろう? 大人しくしろ」
「いやよ! こんな惨めな思いをするくらいなら処刑された方がマシよ!」
こんな嫌な気持ちになるなら、今すぐ死んでやり直したいわ。
そうだわ。
この変な石を砕いたら、刃物の代わりになるかしら?
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