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32. 取り調べです①
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朝食を終えた私はダリアと一緒に馬車に乗って、王都にある騎士団に向かった。
途中まではお母様達も同じ道を行くけれど、今日は別々の馬車で移動した。
侍女達も同行させているから、単純に乗り切れないのよね……。
「やっと着いたわね。どんな扱いを受けるのかしら?」
「サーシャ様は被害者ですから、悪い扱いにはならないと思いますよ?」
そんなことをお話しながら建物に入って、受付に声をかける私。
ちなみに、騎士団の本部は貴族と騎士以外の立ち入りが許されていないから、他の来訪者も数人しかいないみたい。
「オーフィリア様、お待ちしておりました。お部屋へとご案内しても宜しいでしょうか?」
「ええ、お願いしますわ」
学院では家名よりも名前で呼ばれることが多いから、一瞬だけ戸惑ってしまった。
それを悟られないように頷くと、今日の担当らしい女性の騎士さんが応接室に案内してくれた。
ここには取り調べ室もあるけれど、そこに入れられるのは罪人だけらしい。
「どうぞおかけください」
「ありがとうございます」
お礼を言って、騎士さんの向かい側に腰を下ろす私。
私の斜め後ろに立っているダリアにも椅子を用意してくれていたみたいで、騎士さんが座るように促してくれた。
私に目配せしていたから、私さえ良ければ……という意味らしい。
もちろん、手で合図を出してダリアにも座ってもらった。
「配慮してくださってありがとうございます」
「いえいえ。長くなることも考えられますので、楽にしていてください」
そんな言葉を交わしてから、取り調べが始まった。
「では、最初に毒を盛られた時の状況を教えて頂きたいと思います」
「はい。昼食中、荷物をロッカーに居れた状態で昼食に行っていました。
その間に毒を入れられたのだと思っていますわ」
「ありがとうございます。ロッカーにリリアの新しい指紋が残っていたので、間違いなさそうですね。
では、この手袋に見覚えはありますか?」
そんな言葉と共に、透明な袋に包まれた白い手袋を見せられる。
似た手袋は持っているけれど、この大きさだと私の手は入らないと思う。
ダリアに視線を送ってみたけれど、やっぱり見覚えは無いみたいで首を振っていた。
「私のものではないと思います」
「そうですか。しかし、この手袋からサーシャ様の魔力の気配がしています。
この魔力の気配は、本人が触れないと残らないものです。学院で好成績を残しているオーフィリア様はご存じだとは思いますが、念のため」
「ええ、分かっていますわ。だから不思議に思っていますの。
確かにこの手袋からは私の魔力の気配がします。でも、魔力の気配がするのはこの面だけですわ」
もしも手袋を掴んでいたら、普通は内側からも外側からも魔力の気配がするはず。
それなのに、外側の片面からしか気配がしないだなんて、不自然なのよね。
この感じ、知らない間に触れさせられたのかもしれないわね……。
「オーフィリア様のような魔力の扱いに長けている方が見ると、そこまで分かるものなんですね。
貴女が言っていることが正しければ、誰かが自殺に見せかけようと謀った可能性があります」
「この手袋はどこで見つかりましたの?」
「オーフィリア様が使っているロッカーから毒物と一緒に見つかりました。
男性だけで捜査を行っていた時は、オーフィリア様が誰かに毒を盛った可能性も囁かれたほどです」
「そんなことになっていましたのね……」
予想もしていなかった情報に、困惑しながらも言葉を返す。
このくらいの細工で私が疑われるほど、騎士団の判断力は鈍ってしまったのかしら?
それとも、どこかから圧力がかけられているのかしら?
色々な可能性が頭に浮かんできてしまった。
途中まではお母様達も同じ道を行くけれど、今日は別々の馬車で移動した。
侍女達も同行させているから、単純に乗り切れないのよね……。
「やっと着いたわね。どんな扱いを受けるのかしら?」
「サーシャ様は被害者ですから、悪い扱いにはならないと思いますよ?」
そんなことをお話しながら建物に入って、受付に声をかける私。
ちなみに、騎士団の本部は貴族と騎士以外の立ち入りが許されていないから、他の来訪者も数人しかいないみたい。
「オーフィリア様、お待ちしておりました。お部屋へとご案内しても宜しいでしょうか?」
「ええ、お願いしますわ」
学院では家名よりも名前で呼ばれることが多いから、一瞬だけ戸惑ってしまった。
それを悟られないように頷くと、今日の担当らしい女性の騎士さんが応接室に案内してくれた。
ここには取り調べ室もあるけれど、そこに入れられるのは罪人だけらしい。
「どうぞおかけください」
「ありがとうございます」
お礼を言って、騎士さんの向かい側に腰を下ろす私。
私の斜め後ろに立っているダリアにも椅子を用意してくれていたみたいで、騎士さんが座るように促してくれた。
私に目配せしていたから、私さえ良ければ……という意味らしい。
もちろん、手で合図を出してダリアにも座ってもらった。
「配慮してくださってありがとうございます」
「いえいえ。長くなることも考えられますので、楽にしていてください」
そんな言葉を交わしてから、取り調べが始まった。
「では、最初に毒を盛られた時の状況を教えて頂きたいと思います」
「はい。昼食中、荷物をロッカーに居れた状態で昼食に行っていました。
その間に毒を入れられたのだと思っていますわ」
「ありがとうございます。ロッカーにリリアの新しい指紋が残っていたので、間違いなさそうですね。
では、この手袋に見覚えはありますか?」
そんな言葉と共に、透明な袋に包まれた白い手袋を見せられる。
似た手袋は持っているけれど、この大きさだと私の手は入らないと思う。
ダリアに視線を送ってみたけれど、やっぱり見覚えは無いみたいで首を振っていた。
「私のものではないと思います」
「そうですか。しかし、この手袋からサーシャ様の魔力の気配がしています。
この魔力の気配は、本人が触れないと残らないものです。学院で好成績を残しているオーフィリア様はご存じだとは思いますが、念のため」
「ええ、分かっていますわ。だから不思議に思っていますの。
確かにこの手袋からは私の魔力の気配がします。でも、魔力の気配がするのはこの面だけですわ」
もしも手袋を掴んでいたら、普通は内側からも外側からも魔力の気配がするはず。
それなのに、外側の片面からしか気配がしないだなんて、不自然なのよね。
この感じ、知らない間に触れさせられたのかもしれないわね……。
「オーフィリア様のような魔力の扱いに長けている方が見ると、そこまで分かるものなんですね。
貴女が言っていることが正しければ、誰かが自殺に見せかけようと謀った可能性があります」
「この手袋はどこで見つかりましたの?」
「オーフィリア様が使っているロッカーから毒物と一緒に見つかりました。
男性だけで捜査を行っていた時は、オーフィリア様が誰かに毒を盛った可能性も囁かれたほどです」
「そんなことになっていましたのね……」
予想もしていなかった情報に、困惑しながらも言葉を返す。
このくらいの細工で私が疑われるほど、騎士団の判断力は鈍ってしまったのかしら?
それとも、どこかから圧力がかけられているのかしら?
色々な可能性が頭に浮かんできてしまった。
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