8 / 8
初めての..
しおりを挟む
「ここ、詩織の横に座って..」
青ざめ放心状態の須藤に詩織は柔らかく声をかけた。
「ねぇ、どうしてそんなに焼きもちばかり焼くの?」
そりゃそうだろ、詩織みたいな女の子、男が放っておくわけないだろう!
日ごとに美しさを増し、成長していく詩織。毎日が気が気でない状態に陥っていた須藤は心の中で泣き叫び、崩れるように座り込んだ。
「暗い顔は嫌」
「...。」
「もう、黙ってばっかり、やきもち焼いてばっかりなんだから...」
「...。」
「須藤くん、キス..して?」
「え?」
「キス。して..」
心なしか詩織の頬が赤らみ、どこか恥ずかし気に潤んだ瞳は須藤の目をじっと見つめている。
「え?」
「して..須藤くん..」
長い睫毛を震わせ、詩織は瞳を閉じた。
...詩織の唇はとてつもなく柔らかかった。ぎこちなく顔を近づけ、閉じられた厚い唇にそっと触れただけであったが、甘く蕩ける感触に須藤の体は瞬く間に痺れた。
「ファーストキス。だよ?」
「詩織..」
照れを隠すように須藤の頬に触れ、誤魔化すように左頬にチュッっと口づけた詩織を、須藤は思わずぎゅっと抱き寄せ、きつく抱きしめた。
詩織の耳は真っ赤に染まっているようだった。
初めてのキスが須藤だったんだ...、おそらく須藤もそうに違いない。
この日初めて、人知れず勝手にフラれ、失恋という感覚を味わったように思えた。彼らたちとはまた違う胸の甘酸っぱさ、ほろ苦さにきゅっと僕の心は締め付けられた。
青ざめ放心状態の須藤に詩織は柔らかく声をかけた。
「ねぇ、どうしてそんなに焼きもちばかり焼くの?」
そりゃそうだろ、詩織みたいな女の子、男が放っておくわけないだろう!
日ごとに美しさを増し、成長していく詩織。毎日が気が気でない状態に陥っていた須藤は心の中で泣き叫び、崩れるように座り込んだ。
「暗い顔は嫌」
「...。」
「もう、黙ってばっかり、やきもち焼いてばっかりなんだから...」
「...。」
「須藤くん、キス..して?」
「え?」
「キス。して..」
心なしか詩織の頬が赤らみ、どこか恥ずかし気に潤んだ瞳は須藤の目をじっと見つめている。
「え?」
「して..須藤くん..」
長い睫毛を震わせ、詩織は瞳を閉じた。
...詩織の唇はとてつもなく柔らかかった。ぎこちなく顔を近づけ、閉じられた厚い唇にそっと触れただけであったが、甘く蕩ける感触に須藤の体は瞬く間に痺れた。
「ファーストキス。だよ?」
「詩織..」
照れを隠すように須藤の頬に触れ、誤魔化すように左頬にチュッっと口づけた詩織を、須藤は思わずぎゅっと抱き寄せ、きつく抱きしめた。
詩織の耳は真っ赤に染まっているようだった。
初めてのキスが須藤だったんだ...、おそらく須藤もそうに違いない。
この日初めて、人知れず勝手にフラれ、失恋という感覚を味わったように思えた。彼らたちとはまた違う胸の甘酸っぱさ、ほろ苦さにきゅっと僕の心は締め付けられた。
0
お気に入りに追加
6
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説


どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。




ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる