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休暇

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 その頃、アニムスでは幹部のラングストーンが頭を抱えていた。

 ラングストーンは「あんな新兵器を隠してたとは…… いくら青龍と言えど、あの新兵器には…… また計画の立て直しだ……」と言った。

 するとルシフェルが「あれは3体が融合した鳳凰、3体が揃わなければ」と言った。ラングストーンは「何か策が?」と聞いた。

 ルシフェルは「トリニティを従える者の1人でも暗殺出来れば、鳳凰の発動は無くなります。試作機の青龍の成果から見ても、残る2体であれば、互角以上に戦えるでしょう」と言った。

 ラングストーンは「しかし青龍を乗りこなすだけの能力者も、暗殺をまかせられるほどの能力者もアニムスには……」と言うと、ルシフェルは「それは私にお任せください、心あたりがあります」と言った。

 翌朝、ヘリオス、アレス、ティアの3人はICUに集まっていた。そこへカミール中尉が来て「医師の話しでは、峠は越して病状は安定してるそうよ」と言った。

 そして「どうせあなた達寝てないんでしょ? 今日は待機しなくて良いから休んで。昨日の今日で襲撃は無いかと思うけど、もし襲撃があれば直ぐに呼ぶから」と言った。

 3人は少しほっとして「良かった……」とつぶやいた。

 アレスは「それではマレスの事、お願いします」と立ち上がった。ティアとヘリオスもマレスに続くように立ち上がると、3人はICUを後にした。

 その後、3人は食堂にいた。マレスが「安心したら腹減った」と言うと、ヘリオスが「だったら食堂でも寄ってく?」との話しになった。

 食堂でティアは「アレスごめん、私のせいで……」と言うと、ヘリオスが「それを言うなら、俺がちゃんと敵に集中出来ていなかったから……」と言った。

 アレスは「本当2人ともしっかりしてくれよ! でもマレスも助かったことだし」と言った。ティアは「ホント良かった……」と涙ぐむ。

 ヘリオスは「そう言えば何故白虎にアレスが?」と聞いた。

 アレスは「あぁ、ティアが飛び去ったあと、地面を見たらマレスのトリニティが転がってたんだ。それを拾い、トリニティが外れたって事は、マレスは死んだんだと思った。そう考えたら何も出来ない自分が悔しくて、ヘリオス達と一緒に戦いたい、マレスの仇を取りたいと思ったんだ。だから白虎に頼んだ、今回だけで良いから俺に力を貸してくれ、そう願うと、トリニティが光だし気が付いたら白虎の中にいた。そして白虎が言ってくれたんだ、一緒にマレスの仇を取ろうと」と説明した。
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