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謎の広告

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 そのころ、晴夏達は電車の中にいた。電車の中では、女子高生くらいの3人が楽しそうにお喋りをしている。

 そのうちのショートヘアの娘が中刷り広告を指差し「見てみて、奥までずっと同じ広告だよ!」と言った。久野は思わず指に釣られて広告に目をやると『本当だ、朝見た新聞の求人欄と同じ内容の広告が並んでいる……』と思った。

 ショートヘアの娘が「間も無く世界に大きな変化が訪れるだって、映画の宣伝かな? ヤバくね?」と言った。するとショートヘアの娘の左にいるロングヘアの娘が「何言ってんの? 何処にそんなこと書いてあるのよ! バーゲンて書いてあるじゃん!」と言った。

 ロングヘアの娘がもう1人の茶髪の娘に「どう見てもバーゲンの広告だよね」と同意を求めた。

 茶髪の娘はショートヘアの娘に「寝ぼけてんじゃね?」と言うと、ショートヘアの娘が「え~」とふくれっ面をした。茶髪の娘が「お前の方がヤバいって!」と言うと、ショートヘアの娘が「またまた~ 2人してからかってるんでしょ~」と言った。

 すると茶髪の娘は「はいはい……」と言いながらショートヘアの娘の髪をクシャクシャっとして、直ぐに違う話題ではしゃぎだした。

 久野は『ショートヘアの娘は嘘言ってないのに…… 他の2人には違う広告に見えるのか?』と思い「あれ何の広告ですか?」と晴夏に聞くと「おもいっきりスパークリングセールって書いてありますけど……」と答えた。

 久野が「私には、間も無く世界に大きな変化が訪れる。我らが同胞は啓明結社に集えと書いてるようにしか見えないんです……」と言うと、晴夏は「え? 啓明結社って……」と言って口ごもった。

 久野は「そう、お父さんを拉致したかもしれない啓明結社です。この広告は、見る人によって違って見えるらしい、恐らく1部の見える人達を集うメッセージみたいなものかと……」と言った。晴夏は少し怯えた表情で「世界に大きな変化が訪れるって…… 私達の知らないところで何が起きてるの?」と言った。
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