14 / 43
自殺の真相
しおりを挟む
慶福が「そして光智が自殺する前日、組織より転生者が解ったとの連絡があり、私達は駆けつけました。そこで光智が利休の転生者だと知らされたのです」と言うと、久野は『また突拍子も無いことを……』と思った。
「お父さんが利休?」晴夏は驚きのあまり声が大きくなる。慶福は「私も驚きました、学生時代からの友人が探していた転生者だったなんて……」と言った。
慶福は「それから、組織が用意した場所へ家族を連れて身を隠すように言われました。次の日、待ち合わせの時間になっても一向に光智が現れないので、家族の説得に時間が掛かっているのかと思い電話をしました。電話をしても留守電で、何かあったと思い駆けつけると家の回りにはパトカーが。長年付き合ってきた友人なのに…… 光智の考える事に気が付けなかった」と目を閉じて悔しそうに言った。
慶福は静かに目を開けると「恐らく完璧主義の光智は、自分が存在する限り不安は取り除けないだろうと。自分が生きている限り、家族が危険にさらされる、そう考えて自殺なんて行動に出たんだと思います光智が家族を思っての行動です、責めないでやって頂きたい」と慶福は言った。晴夏は、ここまでの話しを聞いて呆然としていた。
更に慶福は続けて「それよりも問題なのが、今現在光智の行方が解らないということです。八咫烏では、意識が戻った事も確認出来ていませんでした。この失踪に八咫烏が関与しているとは考えにくい…… だとすると、光智が自分の意志で失踪したか、あるいは…… 考えたくは無いが啓明結社に拉致された可能性があります」と言うと、晴夏は「そんな……」と言って泣き出してしまった。
「もし啓明結社から何らかの連絡があれば、お知らせ頂きたい」と慶福は言った。
晴夏が「拉致されてた場合、父はどうなるんです?」と聞いた。慶福は「保証は出来ませんが、光智がトリニティを握る鍵なので、乱暴な行動には出ないと思います」と言うと、そこで慶福の携帯が鳴った。
慶福は電話に出ると「今打ち合わせ中なので、後にして頂けますか? ……何? ニュースですか? ……はい、 ……はい、承知しました」と言って電話を切った慶福は、かなり動揺している様に見える。
慶福は急に「申し訳ないが急用が出来たので、今日のところは帰って頂きたい」と言った。
久野が「何かあったんですか? 光智さんに関係ある事ですか?」と聞くと慶福は「いや、兎に角光智の事は八咫烏が全力で探します。何か解ったことがあれば連絡しますので、また何かあればご連絡ください。
連絡先は、私の名刺に携帯番号とメールアドレスがありますので、後で連絡先を送っておいてください」と言った。
慶福は「見送りも出来なくて申し訳ないが、急ぐので……」と言って応接室を飛び出していった。
応接室に取り残された久野は『にわかには信じ難い話しだが、辻褄(つじつま)はあっているかぁ……』と考えながら左を見ると晴夏がまだ泣いている。久野は、晴夏の肩にそっと手をやると「帰りましょう……」と言った。
「お父さんが利休?」晴夏は驚きのあまり声が大きくなる。慶福は「私も驚きました、学生時代からの友人が探していた転生者だったなんて……」と言った。
慶福は「それから、組織が用意した場所へ家族を連れて身を隠すように言われました。次の日、待ち合わせの時間になっても一向に光智が現れないので、家族の説得に時間が掛かっているのかと思い電話をしました。電話をしても留守電で、何かあったと思い駆けつけると家の回りにはパトカーが。長年付き合ってきた友人なのに…… 光智の考える事に気が付けなかった」と目を閉じて悔しそうに言った。
慶福は静かに目を開けると「恐らく完璧主義の光智は、自分が存在する限り不安は取り除けないだろうと。自分が生きている限り、家族が危険にさらされる、そう考えて自殺なんて行動に出たんだと思います光智が家族を思っての行動です、責めないでやって頂きたい」と慶福は言った。晴夏は、ここまでの話しを聞いて呆然としていた。
更に慶福は続けて「それよりも問題なのが、今現在光智の行方が解らないということです。八咫烏では、意識が戻った事も確認出来ていませんでした。この失踪に八咫烏が関与しているとは考えにくい…… だとすると、光智が自分の意志で失踪したか、あるいは…… 考えたくは無いが啓明結社に拉致された可能性があります」と言うと、晴夏は「そんな……」と言って泣き出してしまった。
「もし啓明結社から何らかの連絡があれば、お知らせ頂きたい」と慶福は言った。
晴夏が「拉致されてた場合、父はどうなるんです?」と聞いた。慶福は「保証は出来ませんが、光智がトリニティを握る鍵なので、乱暴な行動には出ないと思います」と言うと、そこで慶福の携帯が鳴った。
慶福は電話に出ると「今打ち合わせ中なので、後にして頂けますか? ……何? ニュースですか? ……はい、 ……はい、承知しました」と言って電話を切った慶福は、かなり動揺している様に見える。
慶福は急に「申し訳ないが急用が出来たので、今日のところは帰って頂きたい」と言った。
久野が「何かあったんですか? 光智さんに関係ある事ですか?」と聞くと慶福は「いや、兎に角光智の事は八咫烏が全力で探します。何か解ったことがあれば連絡しますので、また何かあればご連絡ください。
連絡先は、私の名刺に携帯番号とメールアドレスがありますので、後で連絡先を送っておいてください」と言った。
慶福は「見送りも出来なくて申し訳ないが、急ぐので……」と言って応接室を飛び出していった。
応接室に取り残された久野は『にわかには信じ難い話しだが、辻褄(つじつま)はあっているかぁ……』と考えながら左を見ると晴夏がまだ泣いている。久野は、晴夏の肩にそっと手をやると「帰りましょう……」と言った。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる