4 / 21
決断
しおりを挟む
チョコも残り少なくなり、吉野の容態も悪くなる一方だった。吉野の折れた足は凍傷により、どす黒く変色していた。新居の足も凍傷で腫れ上がり、吉野の看病のため雪を溶かした手にも凍傷が広がっていた。
新居は気力も体力も限界を感じていた。新居は吉野に「このまま待っていても助けは来ないかもしれない…… 今出来る最善の事をしたい、信じてくれるか?」と言った。吉野が「どうするんですか?」と聞くと、新居は「これから助けを呼びに行こうと思う」と言った。
吉野は「まだ天候が回復してないのに、自殺行為ですよ!」と言った。新居は「このまま助けが来なければどの道助からない、行くなら体力が残っている今しか無いんだ」と言った。答えが出せないでいる吉野に、新居は「信じて待っていてくれ!」と言って、残っているチョコを全て吉野に渡した。
吉野が「これは新居さんの分じゃないですか!」と言うと、新居は「俺は救助隊に合流すれば大丈夫だから」と言った。吉野は新居を信じる覚悟を決め「新居さんを信じて待ちます、だから絶対戻って来てください」と言った。新居は残っていた衣類を吉野に被せ、岩穴を後にした。
新居は歩き出したが、足を出す度に激痛が新居を襲った。視界は悪く、どの方角に進めば良いか分からない状態だった。風が容赦なく新居の体温を奪い、やがて新居の足は歩むのを止めた。
新居は仰向(あおむ)けに倒れて荒く息を吐き「ここで俺の人生は終わりなのか……」と呟(つぶや)いた。新居の目からは涙が溢(こぼ)れ落ちた。新居は岩穴に残して来た吉野を思い「約束守れなくて済まない…… せめて生きているうちに救助隊が見つけくれれば……」と呟いた。そして残して行く家族の事を考え「済まない……」と呟いた。
新居が「夢だったエベレストに挑戦も出来ずに俺は死ぬのか……」と考えていると、先ほどまで荒れていた天気が嘘の様にはれ、空には満天の星が姿を現した。新居が「これで吉野君は助かるかも?」と考えた瞬間、大きな流れ星が目に飛び込んだ。新居は「自分が夢を叶えられなかった分、息子の夢は叶います様に!」と強く星に願った。
新居は気力も体力も限界を感じていた。新居は吉野に「このまま待っていても助けは来ないかもしれない…… 今出来る最善の事をしたい、信じてくれるか?」と言った。吉野が「どうするんですか?」と聞くと、新居は「これから助けを呼びに行こうと思う」と言った。
吉野は「まだ天候が回復してないのに、自殺行為ですよ!」と言った。新居は「このまま助けが来なければどの道助からない、行くなら体力が残っている今しか無いんだ」と言った。答えが出せないでいる吉野に、新居は「信じて待っていてくれ!」と言って、残っているチョコを全て吉野に渡した。
吉野が「これは新居さんの分じゃないですか!」と言うと、新居は「俺は救助隊に合流すれば大丈夫だから」と言った。吉野は新居を信じる覚悟を決め「新居さんを信じて待ちます、だから絶対戻って来てください」と言った。新居は残っていた衣類を吉野に被せ、岩穴を後にした。
新居は歩き出したが、足を出す度に激痛が新居を襲った。視界は悪く、どの方角に進めば良いか分からない状態だった。風が容赦なく新居の体温を奪い、やがて新居の足は歩むのを止めた。
新居は仰向(あおむ)けに倒れて荒く息を吐き「ここで俺の人生は終わりなのか……」と呟(つぶや)いた。新居の目からは涙が溢(こぼ)れ落ちた。新居は岩穴に残して来た吉野を思い「約束守れなくて済まない…… せめて生きているうちに救助隊が見つけくれれば……」と呟いた。そして残して行く家族の事を考え「済まない……」と呟いた。
新居が「夢だったエベレストに挑戦も出来ずに俺は死ぬのか……」と考えていると、先ほどまで荒れていた天気が嘘の様にはれ、空には満天の星が姿を現した。新居が「これで吉野君は助かるかも?」と考えた瞬間、大きな流れ星が目に飛び込んだ。新居は「自分が夢を叶えられなかった分、息子の夢は叶います様に!」と強く星に願った。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
ちょいダン? ~仕事帰り、ちょいとダンジョンに寄っていかない?~
テツみン
SF
東京、大手町の地下に突如現れたダンジョン。通称、『ちょいダン』。そこは、仕事帰りに『ちょい』と冒険を楽しむ場所。
大手町周辺の企業で働く若手サラリーマンたちが『ダンジョン』という娯楽を手に入れ、新たなライフスタイルを生み出していく――
これは、そんな日々を綴った物語。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ジジイボム
PES
SF
時は20XX年、超高齢化社会がより進行し日本の7割が高齢者ならびに超高齢者で充たされていた。それに伴い日本の自衛隊や警察の力は衰退して行き、各国から侵略の的にされはじめていた。
自衛隊は『日本軍』と名称を変え、闘える若い兵隊は前線に駆り出され、他国に抵抗するも、そもそもの人手不足に相まって他国の最新鋭の兵器の導入により、日本の劣勢は目に見えてわかるものだった。
また警察は高齢者による車両の誤運転や認知症における犯罪の対処で手いっぱいであった。
自身の保身を最優先にしか考えれない高齢者の集団はそんな中ですらしっかりした年金を受け取り、己の手を汚さず「もっと強い武器を作ればいい」「もっと若い奴がしっかりしろ」と叫ぶ者、認知症を理由に犯罪を重ねる者で溢れる日々であった。
選挙に立候補をして若者および高齢者の待遇改善を公約に上げた者や若者の投票は2倍の価値、もしくは高齢者の投票は0.5倍の価値という風に選挙の制度の見直しを掲げた者も現れた。だが自身の保身を手放したくない高齢者の絶対数に若者の投票はただの紙切れ同然であった。『高齢者の高齢者による高齢者の為の政治』が確立されていた。
日本の未来への絶望を大きく感じる若者達はなす術がなかった。
そんな中で軍の基地にある一人の天才と言われる若き学者が招かれた。
少し薄暗い部屋には迷彩服を着た人間が三人、白いテーブルを囲っていた。偉そうな帽子を被った小太りでチョビヒゲを生やした30代前後の男が一人、肩くらいまでのショートカットで綺麗な黒髪ストレートで髪には少し不似合いな青いフレームのメガネをかけた成人しているかわからないくらいの童顔な女が一人、見るからに軍人ですと言わんばかりの筋肉が印象的なスキンヘッドの20代半ばの男が一人、開いた扉の先に立つ天才と言われる学者へチョビヒゲがおもむろに声をかけた。
「君はこの国を救えるのかね?」
「侍や忍者、神風特攻隊のようにクレイジーと恐れられていた日本を今各国へアピールできればまだ日本に明るい未来はあると思うんですが・・・」天才は答える。
「具体的な案はあるの?」青メガネロリが言う。
「はい、もし実現すればクレイジーと恐れられていた日本の称号を再び輝かすことができ、さらに若者に大きく負担を強いる高齢者の数を激減することが可能です」と若き学者は自信に満ちた顔をしながら小さく答えた。
「そんなことが可能なのか?それは一体どんなものなんだ?」THE軍人は少し興奮気味に問う。
天才はまたさらに自信に満ちた顔で先ほどより少し大きい声で「ジジイボムです」と答えた。
チョビヒゲが少し首をかしげて聞き返す「GGボム?」
「違いますよ、『ジジイボム』です」天才は少し食い気味な口調で言い放つ。 つづく
序章の一部を紹介しました、気になる方は読んでみてください
機械仕掛けのヴィーゲンリート
mitokami
SF
何かが[じんわり]来る作品を目指しました。
もしも、人間の介護を出来る人間の様な機械人形が生まれ…、人工知能が介護現場等で活躍できる程の知能を得て活動する様に成ったら……。な設定。
人間の代用品として、子育てや介護をする機械人形。一つの人工知能から分岐した心と、育てられたり介護されたりした人間の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる