2 / 7
ゲーミング系メスガキ
しおりを挟む
「おかえり~」
仕事から帰ってきてまず最初に見えたのは、謎の少女だった。
ツインテールに、タンクトップ。少なくとも私の知り合いにこんな子はいない。
「えっと……誰ですか?」
「お姉さんが使ってるパソコンだよぉ~、忘れたの?」
パソ、コン?
「え、は?!」
「記憶力皆無www」
うん。いったん状況を整理しよう。
私は仕事から帰ってきた、家には、自分のパソコンを自称して煽ってくる子。
――――は?
「考えれば考えるほどわけわからなくなった……」
「え~これくらいで?メモリすっくなwww」
なんなんだよこの子。
「と、というか自分がパソコンって言うなら証拠出しなさいよ!証拠!」
私は声を荒げる。すると、彼女は手を差し出した。
「え?」
「これがしょ~こ」
すると、彼女の手が七色に光りだす。
「うぎゃ!?」
「ど~お?これで私がパソコンってわかってくれた?」
――――私は脳をフル回転させる。
そういえば、この発色はどこかで見たことがある。
どこかで、というか――――私がパソコンを使ってるときに。
「ほ、本当に、パソコン?」
「やっとわかったのwwwざこ理解力www」
なんじゃこいつ。
「これは夢……これは夢……」
そう呟きながら、私は水を一杯飲んだ。
◇◇◇
ピリリ、ピリリという音が鳴る。
「――――あ!」
今日は『あれ』の日だった。
「ん~?どこいくの?」
「ショッピングモール!」
「私も行く!」
――――は?
「おねーさんみたいな雑魚、私がいなきゃなにも出来ないと思うしwww」
もう殴っていいかな。
「つ、ついていくなら準備して!」
「おっけ~」
私は勢い良く玄関を飛び出した。
◇◇◇
「ふ~……よかった、ちゃんと手に入って」
私の手には、ゲームのパッケージが握られていた。
「なにそれ?」
「コンシューマーゲーム。今日特売なの」
この店はたま~にゲームをとんでもない安価で売っているんだ。
しかも、最新のを。
私はルンルン気分で道を歩く。
さぁ、今日は遊ぶぞ!
「ざこ脚力www」
横断歩道の向こうから煽ってくる彼女をしばきたい欲をこらえ、私は青信号を待った。
というかなんかスマホからあの子の声が聞こえてくるし、なんなの?
パソコンだからそういうことができるの?
そう思いつつ、私は信号を待つ。
ここ、車の速度が速くて怖いんだよなぁ。
そんなことを考えていた時だった。
「え?」
仕事終わりで疲れていたのか。私は――――バランスを崩した。
「嘘……」
車が突っ込んでくる。
まずい、このままじゃ――――。
「マスター!」
次の瞬間、私の目には――――スライディングする彼女が映っていた。
「え?!」
驚いている間に、彼女は私との距離を詰める。
そして、彼女は――――私を窮地から救い出した。
「だ、大丈夫?!」
冷や汗を流した彼女が私に尋ねる。
「だ、大丈夫」
「よ……よかった~」
彼女は表情を緩ませ、私に抱きついた。
「な、なんで私を助けられたの?」
彼女は微笑む。
「当たり前じゃない。ずっとあなたのプレイを見てきたのよ!」
――――そういえば、彼女のスライディングはFPSゲームのそれとよく似ていた。
「あ、ありがとう」
「……マスター、これからも、私と一緒にゲームしてくれる?」
彼女の質問に、私は困惑しながら答えた。
「も、もちろん」
彼女は静かにはにかんだ。
「今日からもよろしくね!マスター!」
彼女の体は、ほんのり暖かかった。
仕事から帰ってきてまず最初に見えたのは、謎の少女だった。
ツインテールに、タンクトップ。少なくとも私の知り合いにこんな子はいない。
「えっと……誰ですか?」
「お姉さんが使ってるパソコンだよぉ~、忘れたの?」
パソ、コン?
「え、は?!」
「記憶力皆無www」
うん。いったん状況を整理しよう。
私は仕事から帰ってきた、家には、自分のパソコンを自称して煽ってくる子。
――――は?
「考えれば考えるほどわけわからなくなった……」
「え~これくらいで?メモリすっくなwww」
なんなんだよこの子。
「と、というか自分がパソコンって言うなら証拠出しなさいよ!証拠!」
私は声を荒げる。すると、彼女は手を差し出した。
「え?」
「これがしょ~こ」
すると、彼女の手が七色に光りだす。
「うぎゃ!?」
「ど~お?これで私がパソコンってわかってくれた?」
――――私は脳をフル回転させる。
そういえば、この発色はどこかで見たことがある。
どこかで、というか――――私がパソコンを使ってるときに。
「ほ、本当に、パソコン?」
「やっとわかったのwwwざこ理解力www」
なんじゃこいつ。
「これは夢……これは夢……」
そう呟きながら、私は水を一杯飲んだ。
◇◇◇
ピリリ、ピリリという音が鳴る。
「――――あ!」
今日は『あれ』の日だった。
「ん~?どこいくの?」
「ショッピングモール!」
「私も行く!」
――――は?
「おねーさんみたいな雑魚、私がいなきゃなにも出来ないと思うしwww」
もう殴っていいかな。
「つ、ついていくなら準備して!」
「おっけ~」
私は勢い良く玄関を飛び出した。
◇◇◇
「ふ~……よかった、ちゃんと手に入って」
私の手には、ゲームのパッケージが握られていた。
「なにそれ?」
「コンシューマーゲーム。今日特売なの」
この店はたま~にゲームをとんでもない安価で売っているんだ。
しかも、最新のを。
私はルンルン気分で道を歩く。
さぁ、今日は遊ぶぞ!
「ざこ脚力www」
横断歩道の向こうから煽ってくる彼女をしばきたい欲をこらえ、私は青信号を待った。
というかなんかスマホからあの子の声が聞こえてくるし、なんなの?
パソコンだからそういうことができるの?
そう思いつつ、私は信号を待つ。
ここ、車の速度が速くて怖いんだよなぁ。
そんなことを考えていた時だった。
「え?」
仕事終わりで疲れていたのか。私は――――バランスを崩した。
「嘘……」
車が突っ込んでくる。
まずい、このままじゃ――――。
「マスター!」
次の瞬間、私の目には――――スライディングする彼女が映っていた。
「え?!」
驚いている間に、彼女は私との距離を詰める。
そして、彼女は――――私を窮地から救い出した。
「だ、大丈夫?!」
冷や汗を流した彼女が私に尋ねる。
「だ、大丈夫」
「よ……よかった~」
彼女は表情を緩ませ、私に抱きついた。
「な、なんで私を助けられたの?」
彼女は微笑む。
「当たり前じゃない。ずっとあなたのプレイを見てきたのよ!」
――――そういえば、彼女のスライディングはFPSゲームのそれとよく似ていた。
「あ、ありがとう」
「……マスター、これからも、私と一緒にゲームしてくれる?」
彼女の質問に、私は困惑しながら答えた。
「も、もちろん」
彼女は静かにはにかんだ。
「今日からもよろしくね!マスター!」
彼女の体は、ほんのり暖かかった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
【フリー台本】二人向け(ヤンデレ多め)
しゃどやま
恋愛
二人向けのフリー台本を集めたコーナーです。男女性転換や性別改変、アドリブはご自由に。
別名義しゃってんで投稿していた声劇アプリ(ボイコネ!)が終了したので、お気に入りの台本や未発表台本を投稿させていただきます。どこかに「作・しゃどやま」と記載の上、個人・商用、収益化、ご自由にお使いください。朗読、声劇、動画などにご利用して頂いた場合は感想などからURLを教えていただければ嬉しいのでこっそり見に行きます。※転載(本文をコピーして貼ること)はご遠慮ください。
片思い台本作品集(二人用声劇台本)
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
今まで投稿した事のある一人用の声劇台本を二人用に書き直してみました。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。タイトル変更も禁止です。
※こちらの作品は男女入れ替えNGとなりますのでご注意ください。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい
👨一人用声劇台本「寝落ち通話」
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
彼女のツイートを心配になった彼氏は彼女に電話をする。
続編「遊園地デート」もあり。
ジャンル:恋愛
所要時間:5分以内
男性一人用の声劇台本になります。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる