上 下
66 / 90

東へ向かへ

しおりを挟む
何かの情報を得たジアーノンさんが慌てて宿に戻ってきた。
「ヒュレル、残念だがアリナは西の神殿からさらに移動したそうだ」
「なんだって……それでどこに?」
「話では東の神殿に向かったようだけど……」
「それじゃ、俺たちも東に戻ろう」
「そうだな」

俺たちの目的はあくまでもアリナとの合流である……ルーリエのことも、昨日の話も、俺はこれ以上するつもりはない……確かにもうルーリエとはそんな行為をすることはないかもしれないけど、それでも大事な幼馴染であることは変わらないから……

すぐに東の神殿に向けて、馬車で向かった……昨日まで通ってきた道を戻る形で東へと向かう……

その日は深夜まで移動して、距離を稼いだ……そして遅くに宿に入ったのだけど……
「ヒュレル、もう取るのはふた部屋でいいから」
ルーリエがそう言ってくる。
「あ……そうか……」
「うん……私とジアーノンは同じ部屋で寝ることにしたから」
「わかった……」
「すまないねヒュレル……君はただの幼馴染だと聞いていたから、私はルーリエを愛してしまったんだよ……」
「いえ……俺にはアリナがいますから」
「そうだよね、アリナがいるのにルーリエともなんて贅沢なことだったよね……」
「はぁ……確かにそうです……」

ちょっと棘のある言い方に、いつものジアーノンさんとは違う何かを感じて、少しだけ怖くなった……

次の日、朝になってもなかなかジアーノンさんとルーリエが起きてこなかった……先を急ぎたいので俺は彼らの部屋に出向いた。
「あ……ごめん……昨日はすごく盛り上がっちゃって……さっきまでセックスしてたの……すぐに用意するから待ってて」
ルーリエは辱めもなくそう言った。

今日も深夜まで馬車を走らせてもらった……早くアリナに会いたい……もう……こんな旅、嫌だ……そう思い始めていた……

「ヒュレル、見るだけなら私とジアーノンのセックス見せてあげるけど、どうする?」
ルーリエが夜に俺の部屋にきてそう提案してきた……もちろんそんな話は断った……どうしたんだよルーリエ……変だよ……
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

少年神官系勇者―異世界から帰還する―

mono-zo
ファンタジー
幼くして異世界に消えた主人公、帰ってきたがそこは日本、家なし・金なし・免許なし・職歴なし・常識なし・そもそも未成年、無い無い尽くしでどう生きる? 別サイトにて無名から投稿開始して100日以内に100万PV達成感謝✨ この作品は「カクヨム」にも掲載しています。(先行) この作品は「小説家になろう」にも掲載しています。 この作品は「ノベルアップ+」にも掲載しています。 この作品は「エブリスタ」にも掲載しています。 この作品は「pixiv」にも掲載しています。

処理中です...