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六英雄の訪問
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昨日の夜は、なんとか体にも触れることなく終わったけど、次に同じようなことがあったら自身がない……すでに俺はルーリエを女としてみてしまっていた。
そんな幼馴染との関係性に変化が訪れたタイミングで、俺の人生を大きく変えるような人物が訪ねてきた。
「いらっしゃいませ~」
店に入ってきたのは恐ろしくレベルの高そうな装備に身を包んだ、スラッと高身長のイケメン剣士であった。
「こちら六英雄のアリナの家だと伺ってきたのだが、アリナはご在宅かな」
「はぁ…確かにアリナは俺の妻ですけど……今は北の神殿に出かけて留守にしています」
「なんと……少し遅かったか……」
「あの……どちら様でしょうか……」
「あっ、申し遅れた、私は六英雄が一人、ジアーノン、アリナとは昔からの知り合いです」
「あの光剣のジアーノンさん……話はアリナから聞いてます、こんなところではなんなので、どうぞこちらにお上りください」
ジアーノンは確か聖騎士時代の先輩で、アリナがお世話になったと聞いている、なので警戒することもなく家にあげる。
「先ほど少し遅かったかと言ってましたけど、何かあったんですか」
ちょっと気になったのでそう尋ねると、言うか言わないか悩んだ末、こう話をしてくれた。
「実は北の神殿でのトラブルは、全て仕組まれた罠だとの情報を、私が別の案件で壊滅させた組織から入手したんです」
「罠! そんな……それじゃ、アリナは罠にハマりに北の神殿に向かったんですか!」
「そうなります……まだ出発していなければ伝えるつもりでこちらにお伺いしたのですが……」
「しかし、罠と言ってもアリナは六英雄です、罠だとしてもそんなの叩き潰すだけの力はあるんじゃないんですか」
「普通であれば、そうなのですが……まあ、あなたはアリナの旦那さんで無関係ではないので話をしますが、その罠を仕掛けたのは六英雄の一人だとの情報もあるのです」
「なんだって! ちょっと待ってください、だとすればアリナは……」
「いくらアリナでもかなり危険な状況にあるのは間違いないでしょう……」
なんてことだ……アリナに危険などないなんて考えていたけど……こんなことなら土下座してでも引き止めておくんだった……
「それで……その罠を仕掛けた六英雄とは誰なんですか」
「……まだ、確定したわけではありませんが……私の予想ではゼロスではないかと思っています」
黒炎竜ゼロス……確かにいい噂なんて聞かない六英雄の面汚しだ。
「それでジアーノンさんはこれからどうするんですか……」
「北の神殿に向かいます。私が加勢すればなんとかなると思いますので……」
それだけ自分に自信があるのだろう……くそっ! 俺も何かできないのか……
「それでは、急ぎ北の神殿へ向かいますので」
そう言って去ろうとしたジアーノンさんに俺は思わずこう言っていた。
「待ってください! 俺も……俺も一緒に連れて行ってくれませんか!」
俺の言葉に、ジアーノンさんは驚き困っているようだった──
そんな幼馴染との関係性に変化が訪れたタイミングで、俺の人生を大きく変えるような人物が訪ねてきた。
「いらっしゃいませ~」
店に入ってきたのは恐ろしくレベルの高そうな装備に身を包んだ、スラッと高身長のイケメン剣士であった。
「こちら六英雄のアリナの家だと伺ってきたのだが、アリナはご在宅かな」
「はぁ…確かにアリナは俺の妻ですけど……今は北の神殿に出かけて留守にしています」
「なんと……少し遅かったか……」
「あの……どちら様でしょうか……」
「あっ、申し遅れた、私は六英雄が一人、ジアーノン、アリナとは昔からの知り合いです」
「あの光剣のジアーノンさん……話はアリナから聞いてます、こんなところではなんなので、どうぞこちらにお上りください」
ジアーノンは確か聖騎士時代の先輩で、アリナがお世話になったと聞いている、なので警戒することもなく家にあげる。
「先ほど少し遅かったかと言ってましたけど、何かあったんですか」
ちょっと気になったのでそう尋ねると、言うか言わないか悩んだ末、こう話をしてくれた。
「実は北の神殿でのトラブルは、全て仕組まれた罠だとの情報を、私が別の案件で壊滅させた組織から入手したんです」
「罠! そんな……それじゃ、アリナは罠にハマりに北の神殿に向かったんですか!」
「そうなります……まだ出発していなければ伝えるつもりでこちらにお伺いしたのですが……」
「しかし、罠と言ってもアリナは六英雄です、罠だとしてもそんなの叩き潰すだけの力はあるんじゃないんですか」
「普通であれば、そうなのですが……まあ、あなたはアリナの旦那さんで無関係ではないので話をしますが、その罠を仕掛けたのは六英雄の一人だとの情報もあるのです」
「なんだって! ちょっと待ってください、だとすればアリナは……」
「いくらアリナでもかなり危険な状況にあるのは間違いないでしょう……」
なんてことだ……アリナに危険などないなんて考えていたけど……こんなことなら土下座してでも引き止めておくんだった……
「それで……その罠を仕掛けた六英雄とは誰なんですか」
「……まだ、確定したわけではありませんが……私の予想ではゼロスではないかと思っています」
黒炎竜ゼロス……確かにいい噂なんて聞かない六英雄の面汚しだ。
「それでジアーノンさんはこれからどうするんですか……」
「北の神殿に向かいます。私が加勢すればなんとかなると思いますので……」
それだけ自分に自信があるのだろう……くそっ! 俺も何かできないのか……
「それでは、急ぎ北の神殿へ向かいますので」
そう言って去ろうとしたジアーノンさんに俺は思わずこう言っていた。
「待ってください! 俺も……俺も一緒に連れて行ってくれませんか!」
俺の言葉に、ジアーノンさんは驚き困っているようだった──
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