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王都にて アリナ視点

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今日のお昼、城から使者が来た……やはりと言うか、使命への志が低いゼロスは北の神殿への遠征を断ったらしい……それで私が行かなければ行かなくなった……

「ごめんヒュレル……やっぱり北の神殿に行かないといけなくなった……」

それを聞いたヒュレルは一瞬、すごく寂しそうな表情をするが、すぐに明るく振舞って了承してくれた。

行くとなったら封印の状態が心配なこともあり、私はすぐにでも北の神殿へと出発する事にした──相棒の神剣ジュランディアと聖なる鎧を地下の結界室から取り出して装備する。

私のいない間にヒュレルとルーリエが接近しないか少し心配だけど、ヒュレルが私を愛してくれてるのは間違いない、だからそんな事起こらないと思う……


ヒュレルに見送られ、私は北へと出発した──北の神殿に行く前に、詳細な話を聞く為に城へと立ち寄る……城ではいつもの面々が私を迎えた。

「王よ、ご無沙汰しております」
「うむ、アリナ、久しいな、健在でなりよりだ……今回はすまぬな、無理な願いを言って……」
「いえ、それが私の使命ですから……」
王はすまなそうに言葉を続ける。
「それでな、さらにすまぬが状況が少し変わってな……北の神殿にはこの者たちと一緒に行ってもらいたいのだ」
王がそう言うと、別室に待機していたであろう者たちが謁見室に入ってきた。

「よう、アリナ、久しぶりだな」
「ゼロス……あなたどうして……」
私と同じ六英雄の一人……傲慢で怠惰……私が最も嫌う男が目の前にいる……できれば顔を合わしたくない相手なのだが……

「北の神殿だが、どうやら封印を解いた組織が戦力を送ったと情報が入ってな、不測の事態が起こるやもしれんので、できる限りの備えでこちらも向かう事にしたのじゃ」
王がそう説明してくれるが、一度北の神殿への遠征を断っているゼロスがいるのが腑に落ちない。
「状況はわかりました、しかし、ゼロスは一度北の神殿への遠征を断っているのでは……なぜここにいるのですか」
「そうなのじゃが、アリナと一緒なら行っても良いと言うのでな……」

ゼロスと一緒では私が断ると知ってて事後通達にしたのか……王も食えない人だ……
「不満もあろうが、まあ、北の神殿にはそちらの三人も同行するので我慢してくれ」

王が言った三人とは、聖騎士の二人と、一人の神官であった──三人とも私とは顔見知りでよく知っている……確かにゼロスと二人っきりなど考えられないので助かるけど……

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