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幼馴染との

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店はアリナに任せ、俺は道具を作成する材料を手に入れる為に素材屋へと訪れていた。

「ヒュレル、今日は何買いにきたのよ」
「なんだよその言い方、俺は客だぞ、もっと丁寧に接客しろ」
「何が客よ、安い素材ばっかり買って……たまにはドラゴンのウロコでも買ってよね」
「ドラゴンのウロコなんて必要ねえからな、いらない物買ってどうするんだよ」
「ふん……まあ、いいけど、それで何にするの」
こいつは俺の幼馴染でこの店の2代目であるルーリエ、まだ独身で男に縁がなく、俺の情報では未だに生娘だ。

「カタワタ二つと鋼石を少しもらえるか」
「はい、200ゴルダね」
「……ちょっと高いな……」
「仕方ないでしょ、鋼石の相場が少し上がってるのよ」
「そうか……なら仕方ない、ほら200ゴルダだ」
「まいど、他に必要なものはないの」
「大丈夫だ、これで新商品が作れる」
「新商品? またロクでもないの作ろうとしてるんでしょ……」
「ふっ……今度のはすごいぞ、火がなくても料理が作れる鍋だ」
「……うわ……また失敗しそ……」
「またとはなんだ、またとは」
「あまり変なのばっかり作って、アリナに心配かけないのよ」
「ふっ、アリナは俺を一番理解しているから大丈夫だ」
「もう……本当にそうだから何も言えないわよ……」


素材屋を後にすると、帰りに花屋でアリナのお土産にバルの花束を購入する──こういう気遣いができるのが良い夫だと思っているのだが、ルーリエにはそんな行動を気持ち悪いと感想を言われた。幼い頃の俺を知っているだけあって、キザな行動は気持ち悪く見えるようだ。

店に戻ると、いつものように戦士のキルドが店内をウロウロしている……俺が帰ってきたのを見たキルドはコソコソと店から出て行った。どうやら安いポーションを購入したようだけど、目的は間違いなくアリナだろう。

「アリナ、どうした、胸のボタンが外れてるぞ」
アリナのシャツの胸元のボタンが一つ外れているのを見てそう言うと、アリナは慌ててボタンを付け直す。
「本当だ……やだ……もしかしたらキルドさんに胸、見られてたかも……」
「おいおい……安いポーション一つでそんなサービスする必要ないんだぞ」
「うん……気をつけるね……」

ボタンを閉め忘れるなんて不注意な奴だな──
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