10 / 33
聖女の悩み 咲良視点
しおりを挟む
「疲れた顔してるよ……大丈夫かい?」
部屋に戻ると、ジェルドが心配そうにそう声をかけてくれた。
「大丈夫じゃない……もう嫌……修行したくない」
「そうか……だったらサボっちゃえば」
「サボる……そんなことできるの?」
「できるよ、ここはそんなに厳しいとこじゃないからね」
「だったらサボる! どうしたらいいの」
「じゃあ、明日サボるとして、ここを抜け出して俺がどっか連れてってあげるよ」
「え、本当? それは嬉しいけど……後で怒られない?」
「平気、平気、俺が無理やり連れてったてことにすれば問題ないよ」
嬉しかった……ここでは修行しかすることがなかったけど、抜け出せば他に何かがあると期待している……
朝、早くにジェルドが私を迎えにきた。
「よし、咲良、これに着替えるといいよ」
「これは?」
「一般的な町娘の服だな、今の咲良の格好は目立つから……」
私がその服に着替えると、ジェルドはニコニコと笑顔で私を見る。
「似合ってるよ、咲良、かなり可愛いよ」
「もう……そんなことよりどうやってここを抜け出すの」
「普通に外に出るんだよ、別に監禁されてるわけじゃないからね」
「えええ! それで大丈夫なの?」
「平気、平気、堂々と出れば、誰も何も言わないって」
本当に大丈夫かと心配したけど、ジェルドの言うように、誰にも何も言われないで、私たちはそのまま外に出ることができた……
「まずはどこ行く?」
「町に行きたい」
「よし、じゃあ、近くに小さいけど町があるからそこに行こう」
私たちは歩いて30分ほどで、小さい町に到着した。
「すごい……この世界の町はこんな感じなんだ……」
よくゲームとかで見るファンタジー世界の街並みを少し近代的にしたような感じだろうか……あまり違和感は感じられない。
「あっ、私、あれ食べたい」
「ソフリムクールだね、ちょっと待って買ってくるから」
そう言って小走りで買いに行ってくれる……本当にジェルドは優しくていい人だな……
それで私たちはそのフルリムクールとやらを、見晴らしの良い展望スペースで食べた。
「冷たくて美味しい……」
「冷却魔法を使用して作ってるからね」
「ヘェ~そうなんだ……てっよくわからないけど……」
「はははっ、まあ、わからなくていいんじゃ無い」
フルリムクールを食べ終わると、私たちはその展望台で風景を見ながらお話をした……
「やっぱりこの世界って……いや、あの神殿ってちょっと変わってるよね」
「う~ん、俺たちはあれが普通だと思ってるから変わってるって言われてもね……実はよくわからないんだよね」
そうか……そもそもこの世界の常識が違うから非常識の概念が違うんだ……アクーラも悪気があって私にあんなことさせてるわけじゃないのよね……
「でも……やっぱり修行は恥ずかしいよ……」
「そうなんだ……でも、恥ずかしいって女の子には大事な事だってよく言うよ」
「ええ~そうなの?」
「男に見られて何も感じなくなったらダメじゃないかな」
「確かにそれはそうかも……」
「咲良が大勢の男に見られるのが辛いなら、俺が一人で見てやろうか?」
「えええ! それも恥ずかしいよ……」
「知らない大勢より、俺一人のがよくない?」
「確かにその方が遥かにいいけど……」
「よし、じゃあアクーラには俺から話してあげるよ」
「うん……」
どうしたんだろ……ちょっと修行を想像したらドキドキしてきた……
部屋に戻ると、ジェルドが心配そうにそう声をかけてくれた。
「大丈夫じゃない……もう嫌……修行したくない」
「そうか……だったらサボっちゃえば」
「サボる……そんなことできるの?」
「できるよ、ここはそんなに厳しいとこじゃないからね」
「だったらサボる! どうしたらいいの」
「じゃあ、明日サボるとして、ここを抜け出して俺がどっか連れてってあげるよ」
「え、本当? それは嬉しいけど……後で怒られない?」
「平気、平気、俺が無理やり連れてったてことにすれば問題ないよ」
嬉しかった……ここでは修行しかすることがなかったけど、抜け出せば他に何かがあると期待している……
朝、早くにジェルドが私を迎えにきた。
「よし、咲良、これに着替えるといいよ」
「これは?」
「一般的な町娘の服だな、今の咲良の格好は目立つから……」
私がその服に着替えると、ジェルドはニコニコと笑顔で私を見る。
「似合ってるよ、咲良、かなり可愛いよ」
「もう……そんなことよりどうやってここを抜け出すの」
「普通に外に出るんだよ、別に監禁されてるわけじゃないからね」
「えええ! それで大丈夫なの?」
「平気、平気、堂々と出れば、誰も何も言わないって」
本当に大丈夫かと心配したけど、ジェルドの言うように、誰にも何も言われないで、私たちはそのまま外に出ることができた……
「まずはどこ行く?」
「町に行きたい」
「よし、じゃあ、近くに小さいけど町があるからそこに行こう」
私たちは歩いて30分ほどで、小さい町に到着した。
「すごい……この世界の町はこんな感じなんだ……」
よくゲームとかで見るファンタジー世界の街並みを少し近代的にしたような感じだろうか……あまり違和感は感じられない。
「あっ、私、あれ食べたい」
「ソフリムクールだね、ちょっと待って買ってくるから」
そう言って小走りで買いに行ってくれる……本当にジェルドは優しくていい人だな……
それで私たちはそのフルリムクールとやらを、見晴らしの良い展望スペースで食べた。
「冷たくて美味しい……」
「冷却魔法を使用して作ってるからね」
「ヘェ~そうなんだ……てっよくわからないけど……」
「はははっ、まあ、わからなくていいんじゃ無い」
フルリムクールを食べ終わると、私たちはその展望台で風景を見ながらお話をした……
「やっぱりこの世界って……いや、あの神殿ってちょっと変わってるよね」
「う~ん、俺たちはあれが普通だと思ってるから変わってるって言われてもね……実はよくわからないんだよね」
そうか……そもそもこの世界の常識が違うから非常識の概念が違うんだ……アクーラも悪気があって私にあんなことさせてるわけじゃないのよね……
「でも……やっぱり修行は恥ずかしいよ……」
「そうなんだ……でも、恥ずかしいって女の子には大事な事だってよく言うよ」
「ええ~そうなの?」
「男に見られて何も感じなくなったらダメじゃないかな」
「確かにそれはそうかも……」
「咲良が大勢の男に見られるのが辛いなら、俺が一人で見てやろうか?」
「えええ! それも恥ずかしいよ……」
「知らない大勢より、俺一人のがよくない?」
「確かにその方が遥かにいいけど……」
「よし、じゃあアクーラには俺から話してあげるよ」
「うん……」
どうしたんだろ……ちょっと修行を想像したらドキドキしてきた……
0
お気に入りに追加
97
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる