50 / 106
聖女の守り人
しおりを挟む
すぐに聖女の旅の準備が行われ、神剣を求めて新たな旅が始まった……
「聖女様、このような馬車で不便はありませんか」
「おいおい、エルレーン、このようなとは言ってくれるな、これでも王室用の高級馬車だぞ」
「あっ、ごめんデミリア……」
「不便はないぞ、窮屈な大聖堂院より何倍かマシじゃ」
聖女様がそう言うと、隣の守り人がすぐにこう言う。
「窮屈だったのですか、ラルーラ……そうなら言ってくれればいいのに」
「ベルドと二人っきりの時は窮屈ではない、心地よいから安心しろ」
二人のやりとりから、守り人と聖女以上の関係が見える……失礼だがそれを聞いてみた。
「妾とベルドの仲じゃと……まあ、一般的には夫婦の関係じゃが……」
「夫婦なんですか」
「何を驚いておる、聖女の守り人は、その性質上、夫が勤めるのが決まりじゃぞ」
「しかし……確か聖女は生涯を通して処女であると聞き及んでいますので……」
「その通りじゃ、聖女の処女膜は魔王の封印の一つじゃからこれを破ることはできぬ」
「では……その……夫婦の夜の方は……」
「ズケズケ聞く奴じゃな、口や手など男を喜ばせる方法は他にもあろう」
夫婦なのにセックスできないんだ……どうもこの話に食いついてるのは私だけで、アリナたちはそれを知っていたようだ……
「それで聖女様……」
「その聖女様はもう辞めにせぬか、せっかくなので今は聖女ではなく、ラルーラとして旅を楽しみたいのじゃ」
あっ、なるほど、この聖女様、だから簡単にこちらの要求を飲んだんだ……外に出たかったのね……
「ではラルーラ、盗まれた神剣はどこにあるんですか」
「それほど遠くではない、ここから北にそうだな……馬車でなら五日もあれば到着するじゃろ」
北となると、私たちが来た道を戻ることになる……
その日は、ラルーラを無理をさせないと言うことで、早めに宿泊をすることになった。
「妾はベルドと同室にしてくれ、あとは好きにするがよい」
ラルーラの要望通りに、二人を同室にして、他はそれぞれ個室となった……シュヴァルツとラーオークがいるので、ラルーラの貞操を心配するとこだけど、ベルドがいるから流石に大丈夫だと思う。
「これは美味いな……これをもう一皿所望するぞ」
ラルーラが美味しいと言ったのは変哲もない一般的なグラタン料理だ……どうやら大聖堂院の食事はあまり美味しくはないと思われる。
「ラルーラ、酒は飲めるのか」
ラーオークが酒瓶を持ってそう聞く。
「飲めるかどうかもわからん」
「じゃあ、試してみろよ」
そう言って酒を注いだ……ラルーラは恐る恐るそれに口をつけた……
「うむ……飲めるようじゃな……しかし、あまり美味しいとは思うわぬぞ」
「酒は飲めば飲むど美味くなるんだ、ほら、もう一杯」
そう言ってさらに酒を勧められた……
「ベルドは飲まないの?」
私がそう聞くと、彼は真面目な表情でこう言った。
「俺はラルーラを守る為にここにるからな、酒で鈍るのは良しとしない」
「今日は平気じゃない、ここには六英雄が四人もいるのよ」
アリナがそう言葉をかけてきた。
「それは俺には関係ない、誰がいようと全力で守るだけだ」
その固い意志に敬意を払いながら、私はお酒を少しいただいた。
「聖女様、このような馬車で不便はありませんか」
「おいおい、エルレーン、このようなとは言ってくれるな、これでも王室用の高級馬車だぞ」
「あっ、ごめんデミリア……」
「不便はないぞ、窮屈な大聖堂院より何倍かマシじゃ」
聖女様がそう言うと、隣の守り人がすぐにこう言う。
「窮屈だったのですか、ラルーラ……そうなら言ってくれればいいのに」
「ベルドと二人っきりの時は窮屈ではない、心地よいから安心しろ」
二人のやりとりから、守り人と聖女以上の関係が見える……失礼だがそれを聞いてみた。
「妾とベルドの仲じゃと……まあ、一般的には夫婦の関係じゃが……」
「夫婦なんですか」
「何を驚いておる、聖女の守り人は、その性質上、夫が勤めるのが決まりじゃぞ」
「しかし……確か聖女は生涯を通して処女であると聞き及んでいますので……」
「その通りじゃ、聖女の処女膜は魔王の封印の一つじゃからこれを破ることはできぬ」
「では……その……夫婦の夜の方は……」
「ズケズケ聞く奴じゃな、口や手など男を喜ばせる方法は他にもあろう」
夫婦なのにセックスできないんだ……どうもこの話に食いついてるのは私だけで、アリナたちはそれを知っていたようだ……
「それで聖女様……」
「その聖女様はもう辞めにせぬか、せっかくなので今は聖女ではなく、ラルーラとして旅を楽しみたいのじゃ」
あっ、なるほど、この聖女様、だから簡単にこちらの要求を飲んだんだ……外に出たかったのね……
「ではラルーラ、盗まれた神剣はどこにあるんですか」
「それほど遠くではない、ここから北にそうだな……馬車でなら五日もあれば到着するじゃろ」
北となると、私たちが来た道を戻ることになる……
その日は、ラルーラを無理をさせないと言うことで、早めに宿泊をすることになった。
「妾はベルドと同室にしてくれ、あとは好きにするがよい」
ラルーラの要望通りに、二人を同室にして、他はそれぞれ個室となった……シュヴァルツとラーオークがいるので、ラルーラの貞操を心配するとこだけど、ベルドがいるから流石に大丈夫だと思う。
「これは美味いな……これをもう一皿所望するぞ」
ラルーラが美味しいと言ったのは変哲もない一般的なグラタン料理だ……どうやら大聖堂院の食事はあまり美味しくはないと思われる。
「ラルーラ、酒は飲めるのか」
ラーオークが酒瓶を持ってそう聞く。
「飲めるかどうかもわからん」
「じゃあ、試してみろよ」
そう言って酒を注いだ……ラルーラは恐る恐るそれに口をつけた……
「うむ……飲めるようじゃな……しかし、あまり美味しいとは思うわぬぞ」
「酒は飲めば飲むど美味くなるんだ、ほら、もう一杯」
そう言ってさらに酒を勧められた……
「ベルドは飲まないの?」
私がそう聞くと、彼は真面目な表情でこう言った。
「俺はラルーラを守る為にここにるからな、酒で鈍るのは良しとしない」
「今日は平気じゃない、ここには六英雄が四人もいるのよ」
アリナがそう言葉をかけてきた。
「それは俺には関係ない、誰がいようと全力で守るだけだ」
その固い意志に敬意を払いながら、私はお酒を少しいただいた。
0
お気に入りに追加
363
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。



イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる