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4章ルクレア法国侵入編
4.暇潰しの時間
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手を叩いたら現れた五人の人影、彼女達は一体誰なのか?
「クロエ、この人達は誰だ?」
「わたくしと同じメイドです」
同じメイド?いや、確かにメイド服は着ているが……てゆーかメイド服で膝間付いているから中が見えているし、一人に至っては履いていないのか肌色が見えているし、この娘達には羞恥心はないのか?
「よ、よく見たら、貴女達は城のメイドじゃないですか!?」
「ん?城のって事はベアトリスの?」
「御言葉ですがエレナ様、元ベアトリス女王国のメイドです」
「元?」
「はい、今は違いますが」
「へえー、うん?一番端の娘、確か蟲人の時に居た、リイエだったか?」
「は、はい!覚えていただいて光栄でしゅ!」
おう、盛大に噛んだな、でも、なんかこの反応クロエに……いや、まさかな、まさか同じってそうゆう?
「一つ聞きたいんだがいいか?」
「はい!明様の御心のままに!」
質問する前に答えが出てしまった、何故こんなに純粋そうな少女が?
リイエは十歳位の少女場合によっては幼女に見える、そんな子がクロエと同じような陶酔しきった目をしているのだ、いったい彼女に何があったのやら……いや、俺は知っている、純粋故に失敗した澪と言う存在を!
「君達は今何のために?……」
「もちろん、信仰に身を捧げています!」
そう言うやいなや、クロエ含め全員が俺に祈りを捧げる、やっぱりか……
全員狂信者だ
一通り祈り終わった六人は立ち上がり、改めて俺の前に整列する。
「さて、明様が暇をしています、わたくし達はそれを何とかしなければなりません、皆よろしいですね?」
『はい、命に代えても!』
ただの暇潰しが物騒なものになった。
大丈夫だよな?
〈マスターに楽しんでいただけなかったら、自害も異とはないでしょう〉
何が何でも楽しまなくてはいけなくなった。
「まずは、私達サリーと!」
「ミリーです!」
そう言って、サリーとミリーの双子は腕を組ぐるぐると回り出す。
『さぁ、どっちがミリーでしょう!』
双子あるある!だけどこう言うのって……
「いや、ごめん、正直どっちでもいい」
がくりと、項垂れる二人。
「てゆーかこの世界で、双子って珍しいのか?」
「はい、かなり珍しい分類だと思います、ですので大抵の人はこれをやると驚くのですが……」
へぇ~元の世界じゃあそんなに珍しく無いと思うけど、双子がいっぱい居る町とか海外にあるらしいし。
その後も、メイド部隊による暇潰しの一発芸は続いた、ジャグリング、駒回し、歌、即興劇と色々やってくれたが、どれも微妙な出来だ。
なんだろうな、初めての社員旅行で新入社員が宴会芸を披露して駄々滑りしてるのを永遠に見せられている気分だ、ちなみに一番はリイエだった、カミカミの歌で聞けたものではなかったのだが、一生懸命噛みながら歌う姿に萌えた。
「くっ、わたくし達では明様を楽しませることができない!斯くなる上は、この命で償いを!」
「わぁ~!ち、ちょっと待ってください!」
「ふむ、そうだな、お前達はいろんな国に行った事があるか?」
「はい、諜報活動をしていたので……」
「なら、何か面白い話はないか?」
吟遊詩人のように良い話が聞けるかも知れない。
「そ、そうですね……」
「何でもいいぞ?」
「では、国を抜け出し亡命を謀っている勇者の話などいかがですか?」
「ほう、中々面白そうな話だな?」
「ハイ、その者はあろうことか、自分より優れている、それこそ本物の勇者といっても過言ではない方を蔑み、周りにも偽りの事を吹聴し、陥れようとしていました」
ん?何処かで聞いたような?
「しかし、その真の勇者、いえ、神よりの使いがその力を示し!皆の心に光を灯したのです!」
うん?だんだんクロエの語りに力が入り始めたな?
「そして、偽りの勇者は多くの者から信用を失い、ついには真の勇者が居ない隙に亡命を企て国から逃げるようになったのです!」
「ちょっと待て、クロエそれはいつの時代の話だ?」
「現代です!」
「その亡命した勇者ってのは?」
「日野です!」
「一大事じゃないですか!?」
何してんのあいつ?いや、でも………
「……日野だったら良くね?」
「ダメですよ!腐っても勇者なんですから!」
腐ってたら捨てるべきでは?
〈マスターご報告があります〉
ホイホイ、ナビさんどうした?
〈日野の向かったのはルクレア法国のようです〉
どこそれ?
〈ガレオン帝国とは、反対側に位置するベアトリス女王国の隣国です〉
ふむふむ、その法国に何かあるのか?
〈人間の住む国で唯一魔王の脅威に曝されていません〉
ほう、何で?
〈可能性としては二つ、一つは強力な結界に護られており近付けないこと、もう一つは既に魔王の手に堕ちているかです〉
え?じゃあなに、その国、魔王に支配されてんの?
〈その可能性は十分にあります〉
その国に日野が亡命をしようとしてると、トラブルの予感しかしない……
「やっぱり、ほっとかない?」
「ダメですぅ!」
「はぁ、ルクレア法国ってどうやって行くの?」
「ルクレア法国ですか?」
「流石です明様、もうそこまでご存じとは」
「え?え?どうゆう事ですか?」
「日野は現在ルクレア法国に向かってるらしい」
「えぇぇ!?よりによってですか……」
「というと?」
「現在ルクレア法国は鎖国と言っていい状況です」
「以前はとても友好的で、カティえっと、カトリア王女もよくベアトリスに遊びに来てくれて………」
「そのカトリア王女は友達だったのか?」
「……ハイ、小さい時からの、言わば幼馴染みですかね」
「そうか……行ってみるか?ルクレア法国に」
「よろしいのですか?」
確かに以前は友好的で今は鎖国状況、何かあるとしか思えない、しかし……
「気になるしな、行くしかないだろ」
「ありがとうございます」
「善は急げだ、さっそくダイアに言ってベアトリスに一度戻ろう」
こうして、緊急帰国が決まった。
「クロエ、この人達は誰だ?」
「わたくしと同じメイドです」
同じメイド?いや、確かにメイド服は着ているが……てゆーかメイド服で膝間付いているから中が見えているし、一人に至っては履いていないのか肌色が見えているし、この娘達には羞恥心はないのか?
「よ、よく見たら、貴女達は城のメイドじゃないですか!?」
「ん?城のって事はベアトリスの?」
「御言葉ですがエレナ様、元ベアトリス女王国のメイドです」
「元?」
「はい、今は違いますが」
「へえー、うん?一番端の娘、確か蟲人の時に居た、リイエだったか?」
「は、はい!覚えていただいて光栄でしゅ!」
おう、盛大に噛んだな、でも、なんかこの反応クロエに……いや、まさかな、まさか同じってそうゆう?
「一つ聞きたいんだがいいか?」
「はい!明様の御心のままに!」
質問する前に答えが出てしまった、何故こんなに純粋そうな少女が?
リイエは十歳位の少女場合によっては幼女に見える、そんな子がクロエと同じような陶酔しきった目をしているのだ、いったい彼女に何があったのやら……いや、俺は知っている、純粋故に失敗した澪と言う存在を!
「君達は今何のために?……」
「もちろん、信仰に身を捧げています!」
そう言うやいなや、クロエ含め全員が俺に祈りを捧げる、やっぱりか……
全員狂信者だ
一通り祈り終わった六人は立ち上がり、改めて俺の前に整列する。
「さて、明様が暇をしています、わたくし達はそれを何とかしなければなりません、皆よろしいですね?」
『はい、命に代えても!』
ただの暇潰しが物騒なものになった。
大丈夫だよな?
〈マスターに楽しんでいただけなかったら、自害も異とはないでしょう〉
何が何でも楽しまなくてはいけなくなった。
「まずは、私達サリーと!」
「ミリーです!」
そう言って、サリーとミリーの双子は腕を組ぐるぐると回り出す。
『さぁ、どっちがミリーでしょう!』
双子あるある!だけどこう言うのって……
「いや、ごめん、正直どっちでもいい」
がくりと、項垂れる二人。
「てゆーかこの世界で、双子って珍しいのか?」
「はい、かなり珍しい分類だと思います、ですので大抵の人はこれをやると驚くのですが……」
へぇ~元の世界じゃあそんなに珍しく無いと思うけど、双子がいっぱい居る町とか海外にあるらしいし。
その後も、メイド部隊による暇潰しの一発芸は続いた、ジャグリング、駒回し、歌、即興劇と色々やってくれたが、どれも微妙な出来だ。
なんだろうな、初めての社員旅行で新入社員が宴会芸を披露して駄々滑りしてるのを永遠に見せられている気分だ、ちなみに一番はリイエだった、カミカミの歌で聞けたものではなかったのだが、一生懸命噛みながら歌う姿に萌えた。
「くっ、わたくし達では明様を楽しませることができない!斯くなる上は、この命で償いを!」
「わぁ~!ち、ちょっと待ってください!」
「ふむ、そうだな、お前達はいろんな国に行った事があるか?」
「はい、諜報活動をしていたので……」
「なら、何か面白い話はないか?」
吟遊詩人のように良い話が聞けるかも知れない。
「そ、そうですね……」
「何でもいいぞ?」
「では、国を抜け出し亡命を謀っている勇者の話などいかがですか?」
「ほう、中々面白そうな話だな?」
「ハイ、その者はあろうことか、自分より優れている、それこそ本物の勇者といっても過言ではない方を蔑み、周りにも偽りの事を吹聴し、陥れようとしていました」
ん?何処かで聞いたような?
「しかし、その真の勇者、いえ、神よりの使いがその力を示し!皆の心に光を灯したのです!」
うん?だんだんクロエの語りに力が入り始めたな?
「そして、偽りの勇者は多くの者から信用を失い、ついには真の勇者が居ない隙に亡命を企て国から逃げるようになったのです!」
「ちょっと待て、クロエそれはいつの時代の話だ?」
「現代です!」
「その亡命した勇者ってのは?」
「日野です!」
「一大事じゃないですか!?」
何してんのあいつ?いや、でも………
「……日野だったら良くね?」
「ダメですよ!腐っても勇者なんですから!」
腐ってたら捨てるべきでは?
〈マスターご報告があります〉
ホイホイ、ナビさんどうした?
〈日野の向かったのはルクレア法国のようです〉
どこそれ?
〈ガレオン帝国とは、反対側に位置するベアトリス女王国の隣国です〉
ふむふむ、その法国に何かあるのか?
〈人間の住む国で唯一魔王の脅威に曝されていません〉
ほう、何で?
〈可能性としては二つ、一つは強力な結界に護られており近付けないこと、もう一つは既に魔王の手に堕ちているかです〉
え?じゃあなに、その国、魔王に支配されてんの?
〈その可能性は十分にあります〉
その国に日野が亡命をしようとしてると、トラブルの予感しかしない……
「やっぱり、ほっとかない?」
「ダメですぅ!」
「はぁ、ルクレア法国ってどうやって行くの?」
「ルクレア法国ですか?」
「流石です明様、もうそこまでご存じとは」
「え?え?どうゆう事ですか?」
「日野は現在ルクレア法国に向かってるらしい」
「えぇぇ!?よりによってですか……」
「というと?」
「現在ルクレア法国は鎖国と言っていい状況です」
「以前はとても友好的で、カティえっと、カトリア王女もよくベアトリスに遊びに来てくれて………」
「そのカトリア王女は友達だったのか?」
「……ハイ、小さい時からの、言わば幼馴染みですかね」
「そうか……行ってみるか?ルクレア法国に」
「よろしいのですか?」
確かに以前は友好的で今は鎖国状況、何かあるとしか思えない、しかし……
「気になるしな、行くしかないだろ」
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「善は急げだ、さっそくダイアに言ってベアトリスに一度戻ろう」
こうして、緊急帰国が決まった。
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