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第3章ガレオン帝国奪還編

6.反撃開始

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それぞれの役割が決まり、馬車で移動を開始する、ガーロンド達は囮として、最短距離で帝都近くの村に行ってもらう、その後はそこで野営しながら、近くの村を周り魔物を間引いていく。

一方俺達は少し遠回りをして、帝都に近付き強襲する予定だ、問題は……

「食料が少ないな、帝都まで持つのか?」

「おそらく持たないな、だから途中にある商業都市ノーランドに寄る予定だ」

途中に村もあるが、そちらでは十分な補給は望めないそうだ、なのでまずはノーランドに向かう。

「無事だといいんだがな」

「補給ができなかったら、本当にスープだけの行軍になりそうだもんね」

「それだけは、勘弁願いたいね」

ノーランドには遠回りして馬車で3日かかる、さらにそこから帝都まで2日、食料は4日分しか積んでいない、最悪1日飲まず食わずで移動をする事になる。

さて、馬車の旅、俺達の馬車には澪達とエレナ姫、ダイアが乗っており、行者はクロエが担当している、ここである問題に気づく。

「なぁダイア、ノーランドに着くまでに3日掛かるんだよな?」

「うん?あぁそうだな、何事もなければ、3日で着く」

「その間、野営する事になるんだよな?」

「あぁ、そうだ、それがどうした?」

「テント、足りるのか?」

現在、俺達の馬車には三人用のテントが二つのみだ、つまりクロエ含め八人いる現状では、寝床が足りない。

「ふむ、一緒に来ている兵士たちも、テントに余裕は無いと言っていたな、仕方ない誰か二人馬車で寝よう」

「いや、兵士さん達に頼んで、テントを譲って貰おう」

「待て明、お前はアタシに部下に苦労を押し付けろと言うのか?」

「そうしないと後悔する事になる!ここは、恥を忍んでテントを譲って貰うべきだ!」

「お、おう、なんだ?その勢いは?」

俺は、知っている、狂信者の恐怖をあれから毎夜、祈りを捧げ夜な夜な自慰行為をしていることを、ナビさんによると祈りがエスカレートしてしまったらしい、俺その内襲われるんじゃないか?

〈行為の後、後悔に苛まれている内は平気でしょう〉

そうなの?なら安心……

〈しかし、最近その背徳感に興奮を覚え始めているのも事実です〉

安心できなかった!?

「私も、テントをお借りすることに賛成です!絶対!」

「エレナ嬢ちゃんもかい?一帯何があるんだよ?」

「い、いえ、それは……」

この反応ひょっとして、エレナ姫も?

〈ハイ、一度クロエに用事があり訪ねた際に、遭遇しています〉

あぁ、仲間がいた事への安心感と、エレナ姫ってなんか、微妙に不幸度が高いよねっていう残念感が一緒に来たわ。

「仕方ないな、テントを一つこちらに何とか回してもらえるよう頼んでみよう」

「ぜひお願いします!」



その後の馬車での旅は思った以上に順調だった、いや、順調過ぎるくらいだ。

「変だな、もっと妨害して来るか、魔物に襲われると思ったが……」

「確かに、何度か魔物に襲われたが、そこまで脅威では無いな」

夜、一日目の移動を終え野営をしている時、今日の移動の様子について話し合う。

「囮がちゃんと、機能しているって事じゃないの?」

「いや、それならいいんだが、上手く行きすぎてる」

「考えたって仕方ないさ、今はノーランドにたどり着く事だけ考えよう」

ダイアが話をくくると、ちょうどクロエが食事を持ってくる、そして案の定、俺の前に膝間付く。

「どうぞ、明様」

「あぁ、ありがとうクロエ」

「明もだいぶ馴れてきたね」

「あぁ、司達もな」

「そりゃ、何回も見てたらね」

「うむ、慣れとは怖いものだな」

「あ、でもダイアさんは初めてだから驚いてるね」

「あ、あぁ、どうゆう状況なんだ、これは?」

「ハイ、いろいろありまして……」

「それより、食べよ!あたしお腹すいちゃったよ!」

鈴が急かすので食事をする、その後、明日も早いという事で、テントで休む事になるが、やはりクロエは馬車で寝るそうだ、俺とエレナ姫は理由を知っているので触れないように、そそくさとテントに入る。


次の日、皆で朝食を食べていると顔色の良くない人が一名。

「どうした、ダイア?」

「あ、あのメイドは何なんだ?」

「あ~なるほど、見てしまった訳か」

「忘れる事をお勧めします」

ダイアも覗いてしまったらしい、ナニを見たのかは知らないが、相当恐怖を感じたのだろう。

ちなみに、俺がこの話をしてる時は、クロエは終始顔色を紅くし、足をもじもじさせている。

さぁ、早くノーランドに行こう。
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