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第3章ガレオン帝国奪還編
1.狂信者ってこうやって出来るんだ
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ガレオン帝国との国境まで、馬車で三日間の道中、無駄に豪華な馬車に揺られる。
「ねぇねぇ、やっぱり何かおかしくない?」
「うん、王族のエレナちゃんを差し置いて、私達の馬車がこんななのは、変だよ」
「それに、気になるのは、エレナ姫達の疲れきった顔だね」
「あぁ、それにそれだけじゃない、クロエさんの、明を見る目が異常だった」
と、全員の意見が出そろった所で、俺を見てくる。
いや、俺も知らんよ?
「とりあえず、様子を見るしかないだろ?あと、休憩の時にでもエレナ姫に聞こう」
その後、馬車は進み休憩の地点に到着、直ぐにエレナ姫とアリシア団長を呼び出す。
「さて、一帯どういうことか、説明してもらおうか?」
「ハイ、実は……」
エレナ姫の話をまとめると昨日夜に突然、クロエが王城勤めをやめると言い出した、もちろんミレナ女王やエレナ姫が止めたが、決意は固く覆す事はできなかった。
「その時に退職理由を聞いたら、信仰に生きたいと言っていたので、てっきり教会でシスターになるのだと思っていたのですが……」
「今朝、馬車を持って城門の前に居り、工藤様御一行は、自分の馬車に乗せますと言って聞かないのです」
「ちょっと待って、あの馬車ってクロエさんの私物なの?」
「ハイ、元々クロエは私欲のためにお金を使わなかったので、給料もほとんど手付かずだったようです」
「なら、信仰って言うのは?」
「クロエは、ダークエルフと言う種族でして神に対して信仰心が篤く、それに加え、クロエは職業柄多くの死に立ち合っていたので……」
「信仰に生きると言っても、何ら不思議ではなかったと」
ここまで聞いて、俺の脳裏に一つの答えが出てきたが、認めたくない!
司達も同じ答えに辿り着いたのか、微妙な顔で俺を見てくる。
「ねえ、これって、まさか……」
「待て鈴!まだ、結論を出すのは早い!」
「いや、どう考えても…」
「とにかく、もう休憩も終わりだろう、結論は夜に出そうじゃないか」
そうだ、そんなことはない、そう自分に言い聞かせ、馬車に戻るが現実は残酷だった……
夜、夜営の準備をしたあと、夕食を摂るときクロエが作ってくれたのだが……
「どうぞ、明様御召し上がりください」
「あぁ、ありがとう、だが何故膝間付き、供物を捧げる見たいにしているんだ?」
「お気に為さらず、習慣みたいなものです」
気になるは!とは怖くて言えない、そして、司達には普通に配るのな?
そのあと食べようとしたら、後ろに食事を配り終えたクロエが立つ。
「何をしているんだ?クロエ」
「ハイ、明様に何かあった際、直ぐに対応できるようにそばに控えております、ご安心下さい」
安心できねぇ!むしろ気になるは!
そこで、とうとう、鈴がクロエに確信をつく。
「ね、ねえ、クロエさん、えっと、あの、明の事を、慕ってるの?」
なるべく、言葉を選んで聞いてみたものの、変な風になってしまった鈴の質問に対しクロエは……
「ハイ、心身を捧げる所存です」
実にストレートに答えた!
「それは、明くんが好きって事?」
こういう事には、いつもどろどろした目になる澪も今回は毛色が違うため、通常道理だ。
「いいえ、崇め奉っています!」
力強く、信仰していることを認めたクロエ。これはもうダメだ…
「えっと、なぜ、明を?」
「ハイ、わたくしは蟲人の村で助けられた時、神の光を見ました、命を救われ、鼓動が高鳴り、私はこの方こそ神の使わした使徒なのだと、確信しました!」
熱く語るクロエに、全員がドン引きである。そしてこれは、ひょっとして……
「吊り橋効果じゃない?」
「鈴さん、吊り橋効果って?」
「エレナちゃん、吊り橋効果ってね、危ない状況でのドキドキをその人の事が好きなドキドキと、勘違いしちゃう事を言うの、今回もそれに当てはまると思うな」
「な、なるほど」
女子三人の会話を聞きつつ、クロエの様子を見る、完全に陶酔仕切った顔だ。
あぁ、狂信者ってこうやって出来るんだ…
「ねぇねぇ、やっぱり何かおかしくない?」
「うん、王族のエレナちゃんを差し置いて、私達の馬車がこんななのは、変だよ」
「それに、気になるのは、エレナ姫達の疲れきった顔だね」
「あぁ、それにそれだけじゃない、クロエさんの、明を見る目が異常だった」
と、全員の意見が出そろった所で、俺を見てくる。
いや、俺も知らんよ?
「とりあえず、様子を見るしかないだろ?あと、休憩の時にでもエレナ姫に聞こう」
その後、馬車は進み休憩の地点に到着、直ぐにエレナ姫とアリシア団長を呼び出す。
「さて、一帯どういうことか、説明してもらおうか?」
「ハイ、実は……」
エレナ姫の話をまとめると昨日夜に突然、クロエが王城勤めをやめると言い出した、もちろんミレナ女王やエレナ姫が止めたが、決意は固く覆す事はできなかった。
「その時に退職理由を聞いたら、信仰に生きたいと言っていたので、てっきり教会でシスターになるのだと思っていたのですが……」
「今朝、馬車を持って城門の前に居り、工藤様御一行は、自分の馬車に乗せますと言って聞かないのです」
「ちょっと待って、あの馬車ってクロエさんの私物なの?」
「ハイ、元々クロエは私欲のためにお金を使わなかったので、給料もほとんど手付かずだったようです」
「なら、信仰って言うのは?」
「クロエは、ダークエルフと言う種族でして神に対して信仰心が篤く、それに加え、クロエは職業柄多くの死に立ち合っていたので……」
「信仰に生きると言っても、何ら不思議ではなかったと」
ここまで聞いて、俺の脳裏に一つの答えが出てきたが、認めたくない!
司達も同じ答えに辿り着いたのか、微妙な顔で俺を見てくる。
「ねえ、これって、まさか……」
「待て鈴!まだ、結論を出すのは早い!」
「いや、どう考えても…」
「とにかく、もう休憩も終わりだろう、結論は夜に出そうじゃないか」
そうだ、そんなことはない、そう自分に言い聞かせ、馬車に戻るが現実は残酷だった……
夜、夜営の準備をしたあと、夕食を摂るときクロエが作ってくれたのだが……
「どうぞ、明様御召し上がりください」
「あぁ、ありがとう、だが何故膝間付き、供物を捧げる見たいにしているんだ?」
「お気に為さらず、習慣みたいなものです」
気になるは!とは怖くて言えない、そして、司達には普通に配るのな?
そのあと食べようとしたら、後ろに食事を配り終えたクロエが立つ。
「何をしているんだ?クロエ」
「ハイ、明様に何かあった際、直ぐに対応できるようにそばに控えております、ご安心下さい」
安心できねぇ!むしろ気になるは!
そこで、とうとう、鈴がクロエに確信をつく。
「ね、ねえ、クロエさん、えっと、あの、明の事を、慕ってるの?」
なるべく、言葉を選んで聞いてみたものの、変な風になってしまった鈴の質問に対しクロエは……
「ハイ、心身を捧げる所存です」
実にストレートに答えた!
「それは、明くんが好きって事?」
こういう事には、いつもどろどろした目になる澪も今回は毛色が違うため、通常道理だ。
「いいえ、崇め奉っています!」
力強く、信仰していることを認めたクロエ。これはもうダメだ…
「えっと、なぜ、明を?」
「ハイ、わたくしは蟲人の村で助けられた時、神の光を見ました、命を救われ、鼓動が高鳴り、私はこの方こそ神の使わした使徒なのだと、確信しました!」
熱く語るクロエに、全員がドン引きである。そしてこれは、ひょっとして……
「吊り橋効果じゃない?」
「鈴さん、吊り橋効果って?」
「エレナちゃん、吊り橋効果ってね、危ない状況でのドキドキをその人の事が好きなドキドキと、勘違いしちゃう事を言うの、今回もそれに当てはまると思うな」
「な、なるほど」
女子三人の会話を聞きつつ、クロエの様子を見る、完全に陶酔仕切った顔だ。
あぁ、狂信者ってこうやって出来るんだ…
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