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他の男と関わらないで?
しおりを挟む私には超浮気性の彼氏がいる。
ほら、今日も私の目の前で他の女の子とイチャイチャしてる。
何考えてるか本当に分かんない。
「詩乃ちゃん、大丈夫?」
すごい血相で彼氏のイチャつきっぷりを見ていた私に話しかけてきたのは、クラスメイトの瑛太(えいた)くん。
「酷いよね、詩乃ちゃんの目の前であれはないよ」
瑛太は龍くんのイチャつきっぷりを見ながら私の顔色を伺う。
「でしょ?ホントありえない」
毎日毎日、私に見せつけるように女の子と仲良さそうにしていて、そろそろ怒りの頂点を迎えそうだ。
「ちょっと仕返ししてみる?」
そんな私の感情を見透かすように、瑛太くんは私に提案を持ちかけた。
「え?」
仕返しってどうやって?
そう聞こうと思った時、
「こうするんだよ」
そう言って瑛太くんは座っている私の手を引いた。
そして、立っている瑛太くんの目の前に立つ形になった。
不思議に思って瑛太くんの顔を見ると、目が合って。
瑛太くんは少し屈んで、私の顔を触った。
「え、なになに」
私が混乱している間にも、瑛太くんの片方の手が私の腰にまわる。
「しっ。ちょっとじっとしてて」
至近距離に瑛太くんの顔があって、ちょっと恥ずかしい。
頭にははてなが浮かびながら、瑛太くんの言う通りにしてみる。
「ねー、いつまでこうしてるの?」
「もうすぐ来るよ、3、2、1」
瑛太くんのカウントダウンとともに、
「何やってんの?」
そう言って私たちの目の前に来たのは、私の彼氏の龍くんだ。
「詩乃、ちょっとおいで」
言葉遣いは優しいのに、顔は完全に怒っている。
「ガンバっ」
瑛太くんは飛び切りの笑顔で、私に向かって謎のエールをくれた。
*
龍くんに連れてこられた場所は誰もいない空き教室。
真顔でジリジリと距離を詰められる。
「ねー、さっき俺が近くにいた事気づいてたよね?」
「うん、まあ、はい」
女の子とイチャイチャしてたのしっかり見てましたから。
「瑛太と何してたの?」
「何って、何も…」
「は?腰に手回して何やってたか聞いてんだよ」
龍くん怖い…。
こんなに怒ってる龍くん初めて見たかも。
でも私だってもう限界だよ。
「龍くんだって、女の子とイチャイチャしてたじゃん」
自分のこと棚に上げでよくそんなことが言えるよ。
「あれは…」
案の定、龍くんは言葉に詰まっていて。
更に行き場のない気持ちに胸が詰まりそうになる。
「私がいつもどんな気持ちで…」
やばい。
自分の言葉に泣いてしまいそう。
「…もしかして妬いてた?」
龍君の一言にハッとして。
龍くんは私の目を見て離さないから、恥ずかしくなって目が泳いでしまった。
「あんなの見せられて妬かないはずないじゃん…」
「ふーん。そうなんだ」
そんな私を見下ろしながら、龍くんは口角を上げて笑った。
なんで?
私、傷ついてるんだよ。
なんで笑うの?
「ごめん、嬉しくてつい」
龍くんはそう言って
「そんなふうに思ってくれてたなんて知らなかった」
と私を両手で抱きしめた。
「詩乃にヤキモチ妬いてほしかったんだ」
「え?」
ヤキモチ?
「詩乃ってサバサバしてるっていうか、たまに本当に好きでいてくれてるのか不安になって」
そう、なの?
「あーやって、女の子と一緒にいたら、詩乃は俺の方見てくれたから。
だからいけないと思ってても、ついやっちゃうって言うか。
…詩乃の気を引きたかったんだ」
なんだ、そうだったんだ。
「そんなこんなしなくても、私は龍くんのこと大事に思ってるよ?」
「ホント?」
龍くんは心配そうに私の目をまっすぐに見る。
「ホントだよ」
確かに私は感情を出すのが下手で、よく何考えてるか分からないって言われる。
龍くんにもそのせいで余計な心配をかけていたみたい。
「じゃあ、お願い。もう他の男のこと見ないで。触らないで。関わらないで」
龍くんはそう言いながら私の頬に手を添えてキスをした。
なんか、今まで龍くんの行動がちょっとかわいく思えてきちゃった。
こんなことで許してしまう私は甘いんだろうか。
これからはちゃんと私を見てくれるといいな。
「龍くんも私のことだけ見てね。じゃないとまた瑛太くんと…」
「だめっ」
私の言葉を遮ってまた唇が重なった。
.END
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