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カフェデート。
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しおりを挟む駅のホームで電車が来るのを待つ。
とっても照れ臭い。
さっきからずっとソワソワする。
「あの、伊吹くん駅反対側だよね?」
「新奈が電車乗るまで見届ける」
…本当の彼氏みたいなこと言うんだから。
そんな皆藤くんにソワソワする。
さっきの皆藤くんの笑顔が頭の中にずっと残ってる。
電車が来るアナウンスが聞こえた。
これに乗ったら皆藤くんとさよなら。
───。
別にクラスメートだから明日学校に行けば会えるし。
って何考えてるんだろう私。
どうやら私もしっかりデート気分を満喫しちゃってるみたい。
皆藤くんがかっこいいことは同じクラスになったときから知っていた。
でもそれだけだった。
本当にキレイな顔で笑うなーとか。
黙ってるだけでも、かっこいい人はずっとかっこいいんだなーとか。
ずっとそう客観的に見ているだけだった。
でも今日はその笑顔を間近で感じで。
意外と拗ねることが多いんだなーとか。
ふざけていてかわいい部分もあるんだなーとか。
強引なところはちょっぴり苦手だけど、今日一日でいろんな皆藤くんを知った。
あんなにキレイに笑う皆藤くん。
なんか。
ずっとソワソワする。
電車の停車する音に混ざって、皆藤くんの声が聞こえた。
「今度は映画見に行かない?」
「へ?」
「今度のデートは映画!」
皆藤くんはそう言って、開いた扉へと私の背中を押す。
そしてまたさっきの笑顔で手を振った。
あ、また笑った。
心臓がドクンと波を打つ。
皆藤くんにつられて私も手を振る。
それを見て更に大きく手を振る皆藤くん。
さすがに恥ずかしいからやめてほしい。
現に電車に乗っている人たちに注目されている。
でも、まあ、いっか。
皆藤くん、楽しそうだし。
今度は映画を見に行きたいのか。
…。
ってちょっと待って?!
「デートって1回だけじゃなかったのー?!」
電車の中で叫んでも、皆藤くんには聞こえるはずがなかった。
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