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いい香りするね。

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「ななちゃんが帰るまで付き合うよ?」

「いやでも…」

「ななちゃんと一緒にいたいなー」


先輩はそう言ってにっこり笑った。


「先輩、それ、ダメなやつです…」


私は、多分赤くなったであろう顔を両手で隠した。


「え?なにが?」


…聞き返さないでー!

そんな笑顔向けられて、惚れない女子なんていませんよ?!

先輩は今すぐ自分の顔を鏡で確認して来て下さーい!

なんて言えるはずもなく。


「なんでもないです」


私はそう言って何事もなかったように真顔を作って、次の問題にペンをはしらせる。

すると今度はそのペンを持つ手に先輩の手が重なった。

またまた背筋がピーンと伸びる。

びっくりしすぎて変な汗出たんですけど…!

今度は何事かと思って顔を上げる。


「だから、もう勉強よくない?」


気だるそうに言う先輩は妙に色っぽい。

いや…この状況…。

本当に心臓によくない!


混乱してなんて言っていいか分からなくて。

口をパクパクしている私を見て微笑む先輩。

相変わらず妙な色気を放出している。


「ななちゃんにもっと近づきたいなー」


……。

さっきからどうしちゃったの、先輩。


「いや、じゅうぶん近いです」

「もっとだよ」


先輩はそう言って覆っていた私の手をギュッと握った。



もう…。

先輩のせいで…。



明日のテストは赤点です…!





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