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鳴く鳥
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太陽が眩しく輝く晴れた日。
初老の僧が森に向かって歩いていく。畑仕事をしていた若い娘が僧に声をかけた。
「あら、お坊様。また森へ?」
声をかけられた僧は、肯定の笑みを娘に向ける。そして、足を止めることなく、僧は森へと向かった。
「森に行ってなにしているのかしら」
呟いた娘の言葉に、畑を耕していた娘の祖父が、畑を耕す手を止めずに答えた。
「嫁さんの元に行っているのだろうよ」
娘は祖父の言葉に眼を丸くする。娘の祖父は自分の発言にしまったと顔をするが遅い。
「なになに、どういうこと!?」
人一倍好奇心が強い娘の眼が輝く。そんな娘に祖父はため息を吐く。
「あいつがまだ僧になる前。あいつには、嫁さんがいた」
それは、四十年も前のこと。
かつて僧は村一番の働き者で、村一番の腕のいい狩人だった。そんな僧の元に、二十歳にも満たない美しい娘が訪ねた。
僧や村の者たちが、娘にどこから来たのか、村に何か用かなどと尋ねたが、娘は質問に答えなかった。正確には、娘は答えることができなかった。言葉を話すことができなかったのだ。
村の者たちは言葉を話せない娘を憐れんだ。村の者の中には、素性のわからない娘を不審に思い、警戒する者もいた。
しかし、僧は、そんな村の者たちの心情を無視して、自分の家に迎い入れた。僧は娘と共に暮らし始めた。
やがて、言葉を話せずとも、働き者の娘に村の者たちは警戒を解いていった。
村の男たちは、美しい娘を自分の嫁にと望んだ。しかし、娘は村の男たちの求婚に、応じなかった。
半年が経って、娘はある男の求婚に応じた。見事に娘を射止めたのが、僧だった。
娘と僧は、夫婦になった。僧と娘は周りの者が羨む仲の良い夫婦だった。
「……あいつらは二人で幸せに暮らすと思っていた……だか、そうならなかった」
それは、娘と僧が夫婦になって、しばらくしてのことだった。
「突然、あいつの嫁さんがいなくなった」
祖父は静かな声で語る。
僧を迎えに森に出掛けた僧の嫁が見当たらない。血相を変えて、嫁を探す僧。
村人たちは協力して嫁を探したが、見つからなかった。村人たちは僧の嫁が、森で死んでしまったのだと結論した。
嫁を失った僧の様子はひどかった。このまま嫁の後を追うのではないかと、村人たちが心配するほどだった。
だが、そうはならなかった。
「それから、あいつは毎日、森に出掛けるようになった」
僧は、午前は畑を耕し、午後は弓を片手に、森に出かけるようになった。働く僧に、村人たちは立ち直ったのだと安心した。しかし、祖父は違った。
嫁が亡くなる前は月に二、三回の割合で狩りをしていた僧が、毎日必ず森に出かける。そんな僧の行動を不審に思った祖父は僧の後をつけた。
そこで、祖父は知った。
・・・頼む!もう一度、俺の前に姿を見せてくれ!・・・
声を張り上げて、僧はいなくなった嫁を呼んでいた。
僧は森で狩りをしているのではなく、亡くなった自分の嫁をまだ探しているのだと知った。僧の行動に自分一人では解決できないと思った祖父は、村の者たちに話した。
祖父から話を聞いた村の者たちは、森に行く僧を引き止めようとした。しかし、僧は村の者の手を払い除けた。村の者たちは、取り憑かれたかのように森に通う僧に、どうしたらいいかと悩んだ。
その時、僧の事情を知った、村に立ち寄った旅の巫女が、僧と話をすると言い出した。
旅の巫女が僧に何を話したのかはわからない。だけど、旅の巫女との話を終えた僧の顔は、憑き物が落ちたかのように、何かの決意を秘めていた。
「そして、あいつは出家した」
僧になっても、森に通うことはやめなかったが、森に通う頻度は少なくなった。
「………森で亡くなった嫁さんのためなのかもしれないな。今頃、御経をあげているのかもしれないな」
話は終わりだと、娘の祖父は畑仕事を再開する。
まだ、聞きたいことが娘にはあった。しかし、これ以上、祖父が話すことはないとわかっている娘は、諦めて自分の仕事を再開した。
森の奥深く。僧は御経を唱えていた。
それは、亡くなったモノのためではない。愛しいモノに逢うための合図。
美しい鳥の鳴き声が森に響く。僧は眼を開け、顔をあげる。目を向けた先には、一匹の鳥が木に止まっていた。
僧は鳥に向かって微笑む。鳥は美しい声で鳴く。
その鳥は言葉を話すことができない僧の嫁。かつて、僧が森で助けた鳥だった。
自分の嫁が鳥であったこと、自分の前からいなくなってしまったこと、突然、起きた出来事に僧は驚愕した。
それでも、僧は自分の嫁であった鳥に逢いたいと願った。
・・・もう一度、愛しいモノに逢いたいと願うなら、それ以外の己を捨てなさい。そうすれば、あなたが逢いたいと願うモノに逢うことが許される・・・
闇雲に嫁であった鳥を探す僧に、旅の巫女が告げた言葉。
僧は旅の巫女の言葉を信じた。嫁を諦めきれない想い以外のモノを捨てるためにと、出家した。もう一度、逢えるのならば、他のモノを捨てることに迷いはなかった。
僧の前から姿を消した鳥は、美しい声で鳴く。
あの時に、自分の正体を僧に知られてしまった鳥は、約束に従い、僧の元を去った。森に帰った鳥は、自分の夫であった僧を想い、悲しみに明け暮れた。
・・・もう一度、愛しいモノに逢いたいと願うなら、この森を守る獣になりなさい。そうすれば、あなたが逢いたいと願うモノに逢うことが許される・・・
自分の夫であった男が自分に逢うために、出家したことを聞いた鳥に旅の巫女が告げた。
だから、鳥は〈片角の鹿〉の跡を継ぐ〈森の守り獣〉となった。
〈森の守り獣〉となった鳥は、森の獣でさえも遠慮する〈森の神〉の領域内に住むことを許された。そこで、鳥はかつての〈森の守り獣〉だった〈片角の鹿〉と盲目の娘に出会った。
〈森の守り獣〉からただの鹿に成り下がった〈片角の鹿〉は、〈森の神〉の領域内の自分の住処で盲目の娘と一緒に暮らしていた。〈片角の鹿〉と盲目の娘は、〈森の神〉から領域内で暮らすことを許されていた。
〈片角の鹿〉と盲目の娘は、互いに寄り添いながら、生きていた。愛しい存在と共にいられる彼らが、鳥は羨ましかった。
しかし、〈片角の鹿〉と盲目の娘が共にいられた時間は、わずかな三年だけだった。
盲目の娘は病におかされて亡くなった。盲目の娘を失った〈片角の鹿〉は、盲目の娘の後を追うかのように亡くなった。
「(後悔はない。私は愛し愛されて幸せだった)」
最後の時まで、盲目の娘と共に生き〈片角の鹿〉は眠るかのように息をひきとった。
鳥と僧は共に生きることができない。しかし、互いに存在を求め合うのなら、逢うことは許される。
それが、鳥と僧の決まりごと。
言葉を交わすこともない。肌を重ねることもない。一人と一匹の鳥は互いに触れ合うことはできない。それでも、一人と一匹の鳥は互いに求め合う。そこにいるのは、ただの男と女。
鳥の鳴き声が森に響く。
あの時、僧が正体に気がつかなかったら、正体を言わなければ、鳥と共に夫婦でいられたのではないか。あの時、鳥が僧を迎えに行かずに家で待っていれば、僧と共に夫婦でいられたのでないか。
一匹と一人がどんなに後悔をしても、過ぎた時は戻らない。かつての夫婦であった時のように、共に生きることはできない。
それでも、互いに生きられるのなら、逢うことが許されるのならば、それだけでいい。
女は鳴く。男は笑う。
(愛している)
想いだけを伝え合う。
初老の僧が森に向かって歩いていく。畑仕事をしていた若い娘が僧に声をかけた。
「あら、お坊様。また森へ?」
声をかけられた僧は、肯定の笑みを娘に向ける。そして、足を止めることなく、僧は森へと向かった。
「森に行ってなにしているのかしら」
呟いた娘の言葉に、畑を耕していた娘の祖父が、畑を耕す手を止めずに答えた。
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娘は祖父の言葉に眼を丸くする。娘の祖父は自分の発言にしまったと顔をするが遅い。
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それは、四十年も前のこと。
かつて僧は村一番の働き者で、村一番の腕のいい狩人だった。そんな僧の元に、二十歳にも満たない美しい娘が訪ねた。
僧や村の者たちが、娘にどこから来たのか、村に何か用かなどと尋ねたが、娘は質問に答えなかった。正確には、娘は答えることができなかった。言葉を話すことができなかったのだ。
村の者たちは言葉を話せない娘を憐れんだ。村の者の中には、素性のわからない娘を不審に思い、警戒する者もいた。
しかし、僧は、そんな村の者たちの心情を無視して、自分の家に迎い入れた。僧は娘と共に暮らし始めた。
やがて、言葉を話せずとも、働き者の娘に村の者たちは警戒を解いていった。
村の男たちは、美しい娘を自分の嫁にと望んだ。しかし、娘は村の男たちの求婚に、応じなかった。
半年が経って、娘はある男の求婚に応じた。見事に娘を射止めたのが、僧だった。
娘と僧は、夫婦になった。僧と娘は周りの者が羨む仲の良い夫婦だった。
「……あいつらは二人で幸せに暮らすと思っていた……だか、そうならなかった」
それは、娘と僧が夫婦になって、しばらくしてのことだった。
「突然、あいつの嫁さんがいなくなった」
祖父は静かな声で語る。
僧を迎えに森に出掛けた僧の嫁が見当たらない。血相を変えて、嫁を探す僧。
村人たちは協力して嫁を探したが、見つからなかった。村人たちは僧の嫁が、森で死んでしまったのだと結論した。
嫁を失った僧の様子はひどかった。このまま嫁の後を追うのではないかと、村人たちが心配するほどだった。
だが、そうはならなかった。
「それから、あいつは毎日、森に出掛けるようになった」
僧は、午前は畑を耕し、午後は弓を片手に、森に出かけるようになった。働く僧に、村人たちは立ち直ったのだと安心した。しかし、祖父は違った。
嫁が亡くなる前は月に二、三回の割合で狩りをしていた僧が、毎日必ず森に出かける。そんな僧の行動を不審に思った祖父は僧の後をつけた。
そこで、祖父は知った。
・・・頼む!もう一度、俺の前に姿を見せてくれ!・・・
声を張り上げて、僧はいなくなった嫁を呼んでいた。
僧は森で狩りをしているのではなく、亡くなった自分の嫁をまだ探しているのだと知った。僧の行動に自分一人では解決できないと思った祖父は、村の者たちに話した。
祖父から話を聞いた村の者たちは、森に行く僧を引き止めようとした。しかし、僧は村の者の手を払い除けた。村の者たちは、取り憑かれたかのように森に通う僧に、どうしたらいいかと悩んだ。
その時、僧の事情を知った、村に立ち寄った旅の巫女が、僧と話をすると言い出した。
旅の巫女が僧に何を話したのかはわからない。だけど、旅の巫女との話を終えた僧の顔は、憑き物が落ちたかのように、何かの決意を秘めていた。
「そして、あいつは出家した」
僧になっても、森に通うことはやめなかったが、森に通う頻度は少なくなった。
「………森で亡くなった嫁さんのためなのかもしれないな。今頃、御経をあげているのかもしれないな」
話は終わりだと、娘の祖父は畑仕事を再開する。
まだ、聞きたいことが娘にはあった。しかし、これ以上、祖父が話すことはないとわかっている娘は、諦めて自分の仕事を再開した。
森の奥深く。僧は御経を唱えていた。
それは、亡くなったモノのためではない。愛しいモノに逢うための合図。
美しい鳥の鳴き声が森に響く。僧は眼を開け、顔をあげる。目を向けた先には、一匹の鳥が木に止まっていた。
僧は鳥に向かって微笑む。鳥は美しい声で鳴く。
その鳥は言葉を話すことができない僧の嫁。かつて、僧が森で助けた鳥だった。
自分の嫁が鳥であったこと、自分の前からいなくなってしまったこと、突然、起きた出来事に僧は驚愕した。
それでも、僧は自分の嫁であった鳥に逢いたいと願った。
・・・もう一度、愛しいモノに逢いたいと願うなら、それ以外の己を捨てなさい。そうすれば、あなたが逢いたいと願うモノに逢うことが許される・・・
闇雲に嫁であった鳥を探す僧に、旅の巫女が告げた言葉。
僧は旅の巫女の言葉を信じた。嫁を諦めきれない想い以外のモノを捨てるためにと、出家した。もう一度、逢えるのならば、他のモノを捨てることに迷いはなかった。
僧の前から姿を消した鳥は、美しい声で鳴く。
あの時に、自分の正体を僧に知られてしまった鳥は、約束に従い、僧の元を去った。森に帰った鳥は、自分の夫であった僧を想い、悲しみに明け暮れた。
・・・もう一度、愛しいモノに逢いたいと願うなら、この森を守る獣になりなさい。そうすれば、あなたが逢いたいと願うモノに逢うことが許される・・・
自分の夫であった男が自分に逢うために、出家したことを聞いた鳥に旅の巫女が告げた。
だから、鳥は〈片角の鹿〉の跡を継ぐ〈森の守り獣〉となった。
〈森の守り獣〉となった鳥は、森の獣でさえも遠慮する〈森の神〉の領域内に住むことを許された。そこで、鳥はかつての〈森の守り獣〉だった〈片角の鹿〉と盲目の娘に出会った。
〈森の守り獣〉からただの鹿に成り下がった〈片角の鹿〉は、〈森の神〉の領域内の自分の住処で盲目の娘と一緒に暮らしていた。〈片角の鹿〉と盲目の娘は、〈森の神〉から領域内で暮らすことを許されていた。
〈片角の鹿〉と盲目の娘は、互いに寄り添いながら、生きていた。愛しい存在と共にいられる彼らが、鳥は羨ましかった。
しかし、〈片角の鹿〉と盲目の娘が共にいられた時間は、わずかな三年だけだった。
盲目の娘は病におかされて亡くなった。盲目の娘を失った〈片角の鹿〉は、盲目の娘の後を追うかのように亡くなった。
「(後悔はない。私は愛し愛されて幸せだった)」
最後の時まで、盲目の娘と共に生き〈片角の鹿〉は眠るかのように息をひきとった。
鳥と僧は共に生きることができない。しかし、互いに存在を求め合うのなら、逢うことは許される。
それが、鳥と僧の決まりごと。
言葉を交わすこともない。肌を重ねることもない。一人と一匹の鳥は互いに触れ合うことはできない。それでも、一人と一匹の鳥は互いに求め合う。そこにいるのは、ただの男と女。
鳥の鳴き声が森に響く。
あの時、僧が正体に気がつかなかったら、正体を言わなければ、鳥と共に夫婦でいられたのではないか。あの時、鳥が僧を迎えに行かずに家で待っていれば、僧と共に夫婦でいられたのでないか。
一匹と一人がどんなに後悔をしても、過ぎた時は戻らない。かつての夫婦であった時のように、共に生きることはできない。
それでも、互いに生きられるのなら、逢うことが許されるのならば、それだけでいい。
女は鳴く。男は笑う。
(愛している)
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