孤独

刑務所

10.

次の日。
少年は朝起きて、朝ご飯を食べていた。
ちょっとずつ食べて、手を止める。
全ては食べてないが、食べ終わると、看守が来て検査だということを伝えた。
少年は看守のあとについて診察室の隣の部屋に行った。

「血液検査です」

医者は少年に椅子に座るように指示する。

「じゃあ右腕をだして」

少年は左利きだ。
少年は右腕を出した。
医者は昨日少年の両腕を見て、右腕のほうが血管が見えやすいことに気づいていた。
だが、どちらも血管が細いのはわかる。
医者は少年の腕に血液検査のバンドをつける。
少年は指示に従って手を握る。
そして、医者が少年の腕に注射器を刺した。

「ｯ！」

少年が思わず腕をはねのける。

「…」

少年は、興奮した様子で腕を抑えている。

「検査しないとできないんだぞ？少しくらい耐えろ」

看守が少年の身体を抑える。少年がそれに逆らってジタバタする。医者はその様子を見て、

「血液検査はあとにしましょうか」

とつぶやいた。

「その時は鎮痛剤を飲ませましょう」

看守は少年を部屋まで引きずっていった。
そして、看守が少年に鎮痛剤を飲ませて、扉を締めた。

「！！！！！！」

少年は声にもならない叫びを上げている。

「うるさいぞ。ここにも一応懲罰房はあるからな」

看守が少年に厳しい目つきをする。

「ｯ！」

その時、少年が胸を抑えて倒れる。

「81番！」

看守が扉を開けて、医者に連絡をいれる。
看守は心臓マッサージをする。
その時、医者が駆けつけた。
倒れている少年が真っ青になって、小刻みに震えている。

「心停止だと思います」

看守が言う。

「交代してください」

医者は少年の胸に聴診器を当てる。

「81番！81番！」

医者は心臓マッサージを始める。

「AED！」

看守が走ってAEDを取ってくる。
医者はすぐに準備をして、電気ショックを始めた。