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幸せ
5.
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次の日。
少年は面会があった。
少年の殺した人々の親族のようだ。
少年にも家族がいるが、認知症の祖母が一人だったため、少年のことすら知らなかった。
「お前は人を殺したことをわかっているか?」
親族は厳しい声で聞く。
「うん」
「…お前は私達の家族を殺したんだぞ!?」
「うん」
「その意味をわかってるのか?」
少年は両親から肉体的な虐待を受けていた。
暴力、暴言は毎日のこと。
愛情など感じたことがなかった。
地下の一室に監禁され、存在すらも消されていた。
「…うん」
家族は”怖いもの”そういう印象を持っていた少年に取って、家族を失うということは”幸せ”ということだった。
少年は病院で初めて愛情を知った。
優しい、暖かい、気持ちいい。
そんな感情が少年のこころに宿ってきたのだ。
少年はそれが家族のあり方だということを知らなかった。
「…お前は、私の母親を殺したんだぞ?」
「うん」
親族が泣き始める。
少年はなんで泣いているのか不思議に思った。
「なんで泣いているんですか?」
「当たり前だ!なんで家族が死んだのに泣かずにいられるんだ!」
親族が涙声で怒鳴る。
少年はビクッとして、何も言わなくなった。
そのうち、面会も終わり、少年は部屋に戻ってきた。
その時、ガコッという音がして看守が扉を開けた。
「作業だ」
少年は他の囚人たちと別行動らしく、看守は手錠と腰縄をつけ、少年を刑務作業場に連れて行った。
少年は面会があった。
少年の殺した人々の親族のようだ。
少年にも家族がいるが、認知症の祖母が一人だったため、少年のことすら知らなかった。
「お前は人を殺したことをわかっているか?」
親族は厳しい声で聞く。
「うん」
「…お前は私達の家族を殺したんだぞ!?」
「うん」
「その意味をわかってるのか?」
少年は両親から肉体的な虐待を受けていた。
暴力、暴言は毎日のこと。
愛情など感じたことがなかった。
地下の一室に監禁され、存在すらも消されていた。
「…うん」
家族は”怖いもの”そういう印象を持っていた少年に取って、家族を失うということは”幸せ”ということだった。
少年は病院で初めて愛情を知った。
優しい、暖かい、気持ちいい。
そんな感情が少年のこころに宿ってきたのだ。
少年はそれが家族のあり方だということを知らなかった。
「…お前は、私の母親を殺したんだぞ?」
「うん」
親族が泣き始める。
少年はなんで泣いているのか不思議に思った。
「なんで泣いているんですか?」
「当たり前だ!なんで家族が死んだのに泣かずにいられるんだ!」
親族が涙声で怒鳴る。
少年はビクッとして、何も言わなくなった。
そのうち、面会も終わり、少年は部屋に戻ってきた。
その時、ガコッという音がして看守が扉を開けた。
「作業だ」
少年は他の囚人たちと別行動らしく、看守は手錠と腰縄をつけ、少年を刑務作業場に連れて行った。
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