必要不要

すなみ やかり

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副作用

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次の日。

気持ち悪い。
吐き気がする。
今日はなにもないからベッドで一日を過ごす予定だ。
頭がぼーっとして、何もできない。
うぅ…ぐちゃぐちゃした吐瀉物が目の前に広がる。

「ん?19番。嘔吐したのか」

ちょうど先生が通りかかったところだったので、話しかけられた。
仕方がない。
吐き気がしたので…先生が自分を保健室に連れて行く。
保健室の部屋には昨日の怪我で処分されかけた5番の姿があった。
保健室の先生が来て、自分にいろいろなことを聞いた。

「昨日の薬は?」

「確かRP4です。」

「それ以外は?」

「特にありません」

「じゃあ熱を測るね」

手渡された体温計をもらって脇に挟む。
ピピピピッ。
体温計を先生に渡す。

「46.8か…確か19番の平均体温って40度前後だよね」

鬼の体温はいつも少し高い。

「はい」

「それに体温の変化がしやすいから…熱だね」

薬の副作用ではなかったのか…?

「えっと…薬は…」

先生が薬のリストを見ている。
鬼に対応する薬はかなり特殊ではある。

「昨日の薬の副作用じゃなかったんですか…?」

僕は聞いてみた。

「あ、うん!RP4の副作用はほとんどないはずだから…」

え、吐き気があるって言ってたよね?

「まぁ、たまに起こる時があるけど…今回のは多分街に行った時もらってきたみたいだからね。」

なるほど。

「まだ病気防止の注射打ってないタイプ?」

「はい」

そういや前回打ったの半年くらい前だな。
でも、あれ痛いんだよね。

「じゃあ熱収まったら打つか。」

「はい」

実際注射というより点滴なんだよ。

「とりあえず15号室空いてるからそこに居て。」

「はい」
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