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すなみ やかり

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作戦

作戦実行

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自分は21番と一緒に地下通路まで走っていく。

「作戦KP2。目標。街の破壊。新たな実験台の収穫。出会った人間はできるだけ気絶させるように。」

首輪からアナウンスが流れる。
鬼は気絶させるにはもってこいだ。
自分等は街につくと、手当たり次第人間に”触手”の針を刺していった。
次々と人間が倒れていく。
自分等の欠点は足が遅いことだけ。
動かなくても、この街一つくらいなら一人でもできる。
問題は駆けつけてきた人間どもをどう処理するかだ。
そのために”ホーク”がいる。
獣人だが、戦闘能力が低く監視向きになっている。


数時間経って、ほとんどの人間は処理したところだろう。
回収用の車も来たところだ。
自分たちは細かいところの捜索に当たる。
家のドアを壊し、壁を壊し、無理やりでも侵入し捜索に当たる。
ここは”バット”とペアだ。
聴力がよく、少しの音も聞き分けることができる。
自分はある家に入った時、抱き合っている子供と親のようなものを見た。
自分は”触手”をそいつ等に向けた。

「どうか御慈悲を…」

と親がつぶやく。
分からない。
何で、他人を助けようとするの?
子供の年齢的には6歳くらいだ。
実験に使える年齢。
自分は触手を突き刺した。


数時間後。街を制圧した。
自分等は学校に戻ってきた。
先生が薬を自分に渡してきた。
自分は薬を飲んだ。
確か前、薬を飲んだ次の日は副作用で嘔吐が起こると言っていた。
昨日とは違う薬だったようで薬の名前だけ告げられ、先生は去っていった。
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